第6話 コンテスト ①

とうとう、コンテストの読者選考の最終日となりましたね。

果たして、「これは公平な読者選考だったのだろうか?」と思った方も多かったことと思います。

私自身、このコンテストにはいくつかの疑問を感じました。

いえ、「このコンテストに」というより、「このコンテストを開催したカドカワに」疑問を感じました。


疑問1:カドカワは、読者選考の意味を分かっているのか?


読者選考とは、出版社と短期的な雇用契約を結んだ一般の方が、公平な立場から作品を熟読し、評価を行うものです。

間違っても、知人の作品に過剰な評価をすることではありません。

例え、どんなに真面目な方であっても、やはり知人の作品への評価は甘くなります。

その人を知っているからこそ、良い評価をしたくなります。

それは当たり前なことであって、責められることではありません。

(極端な話。「崖から落ちそうな友人と初対面の人、どちらを助ける?」、「そりゃ、友人でしょ」というような感じです。)


ですから、カドカワはコンテストで読者選考を行うべきではなかったのです。


カドカワの言い分としては、大賞の作品より、読者賞の作品の方が人気が出る傾向があるため、一般の方に選考してもらいたかったのかもしれません。

(もしくは、読者選考の際の雇用契約により発生する賃金の削減・・・。)

それは読者にとってウケが良い作品を探すのには有効かもしれませんが、普通に考えれば、先程、述べたように、誰だって知人の作品に良い評価を付けます。


ならば、どうすれば良かったのか?


コンテストの期間を半年から1年の長期的なものにし、その期間を読者選考とすると公で発言しなければよかったのではないでしょうか。


誰だって、この長期的な期間が読者選考によるものだと思うかもしれませんが、公に発言していなければ、もしランキング上位でない作品を大賞に選んでも、落選してしまった人が「読者選考ではランキング上位だった!」と表立って言うことは出来ないでしょう。

それに、どんなに知人に作品への良い評価を促しても、半年から1年の長期的な選考期間なので、最初は知人による高評価でランキング上位にいても、知らせる知人がいなくなれば、いつまでも高評価ばかりを得ることは出来なくなり、ランキング全体に大きな変動も起こることでしょう。

それにより、カクヨムオンリーだった方が徐々に評価を伸ばし、ランキングの上位に躍り出ることもあるかもしれません。


私の、この考えが本当に上手く実行されるかは分かりませんが、結果を急いでの短期戦で、周りからの不満を買うぐらいなら、回りの様子をよく見て、長期戦に持ち込むのも良いかもしれません。


(ちょっと愚痴るなら、出版社側も一過性のブームより、長期的で安定したブームの方が、売り上げ的にも良いような気がしますが・・・。)

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