第二節:蠢く変化


―――――― 元治元年、十月。伊東甲子太郎、新選組に入隊。

 松本先生に弟子入りしてから私は、記憶探しだけじゃなく医学の勉強をするために松本先生が京に構えている医学所に毎日、足を運んでいる。

 本当は、医学所に住み込みで勉強をするのが一般的らしい。だけど、少しでも長く深雪さんの看護をしたい私は、今まで通り深雪さんの家に住んでいる。私は、医学の基礎の基礎を学びながら深雪さんの病が少しでも良くなるよう筋肉の解し方の勉強を始めた。

「和流さん、この前頼まれた労咳の資料がまとまったものだよ」

「ありがとうございます!」

そして、もう一つ調べている『労咳』についての資料を兄弟子の人から受け取った。

「和流さんがお世話になっている家の方って労咳を患ってるんだっけ?」

「いえ。松本先生の診断では違います。でも、以前街の人達が噂しているのを耳にして知っておきたいなぁって思ったんです」

「君は本当に勉強熱心だね。何かに興味を持って調べ、研究することは悪くないです。でも、研究に夢中になりすぎて体調を崩さないように気を付けて下さいね。医者の不養生になってしまっては本末転倒ですから」

「はい、気を付けます。ご心配ありがとうございます」

私は兄弟子にお礼を言うと玄関をくぐり抜け、表の道に出ると帰路に向かった。


                 *


「誰かのために一生懸命でそれを行動に移すなんて本当に凄いよね。斎藤君もそう思わない?」

「そうだな。己の決めた道を歩むのは男でも大変だ。時には周囲の者に嫌味を言われることもある。だが、己で選んだ道だ。どんなことがあっても自分一人の力で乗り越えないといけない。それに加え、アイツの場合、世間では女が医学を学ぶなど言語道断と言って後ろ指をさされることもあるだろう。女の身でその逆境を乗り越えないといけない。かなり険しく大変な道だと思う。だが、俺はアイツなら乗り越えられると思うし、応援もしてやりたいと思う」

いつになく饒舌に語る斎藤君の言葉に平助は大きく頷いた。

 彼女が松本先生に直談判して弟子入りをしたことは近藤さんと土方さんから聞かされた。当初は、彼女が医学所に赴く時は僕らの誰かが付き添いとして一緒に行くという話が上がったが、近藤さんがそれを拒否した。

「最初は場所も分からないだろうから付き添った方が良いと思うが、2回目からは一人でも大丈夫じゃないか?」

「何、言ってんだ近藤さん! アイツは記憶がないんだぞ? それに、もし一人にして記憶が戻った時、俺達と敵対関係者だったら逃げ出す隙を与えることになるんだぞ!?」

近藤さんの提案に土方さんは酷く慌てた様子でそう怒鳴った。確かに土方さんの言う通りその可能性もあった。だけど、近藤さんは頑なに首を横に振った。

「彼女は年頃の娘だ。たまには、娘姿で街を歩きたいと思うことだってあるだろう。それに、一人になって街を見た時に何か気付くこともあるかもしれないだろ? それにな、トシ。彼女は逃げないと俺は思うぞ」

深雪さんのために医学の道に進んだ彼女の献身的な行動が近藤さんをそう判断させたのかもしれない。

「それにな、トシ。もし、万が一にでも記憶が戻った彼女が逃げたとしても我々新選組にかかれば女子おなご一人ぐらいすぐに見つけられるんじゃないか? そうだろ、トシ?」

「・・・・・・・・・・・・分かったよ」

近藤さんがそう言うと土方さんを説き伏せた。結果、彼女は医学所に行く時だけは自由に行動することができるようになった。

「まったく、普通は医学所に住み込みなのに近藤さんの家から通うなんて図々しいよね」

彼女を賞賛している二人に僕は身支度を調えながらそう言った。

「沖田、彼女は深雪さんの看護をするためにあの家にいるんだ」

「分かってるよ、そんなこと」

斎藤君に指摘され少しむくれるも出かける準備を整えた。

「今日は沖田君が当番だったっけ?」

「そうだよ。だから、出かける準備をしてたんだよ」

「そっか。和流さんによろしく伝えといてね」

「嫌だね」

僕に彼女の伝言を頼んだ平助に辛辣にそう言うと、僕は部屋を後にして玄関に向かった。

 僕だって内心は彼女のことを凄いと思ってる。斎藤君が言ったように女性の彼女にとって彼女が選んだ道は険しいものだと思う。だから、僕もそんな彼女を応援したいと思っている。

 だけど、何故だろうか?僕以外の周りの人間が彼女のことを褒めたり応援したりするのを見聞きすると異様に腹立たしくなる。

――――― なんでこんなにムカつくんだろう?

今まで誰にも感心を寄せず、ただ近藤さんのために剣を振るえば良いと思っていた。だけど今は、近藤さんだけじゃなく彼女のことも気になって仕方がない。そんな自分の変化に戸惑っていた。

「ごほ、ごほ。・・・・・・・また、咳が出るなぁ。最近、よくするけど風邪気味なのかな?」

この時、僕はこの兆候も彼女に対するこの感情も一体何なのか知らずにいた。


                *


「何、その不細工な顔?」

久しぶりに深雪さんの家に訪問した僕を出迎えてくれたのは疲れ切った顔をした彼女だった。

「疲れてるみたいだけど根を詰めすぎなんじゃないの?」

「そんなことないです。平気です」

「ちゃんと寝てる?」

僕がそう訊ねると彼女はコクンと頷いた。だけど、視線を下に向けると足下も少しふらついているようだった。なのに、痩せ我慢をして平気な振りをする。そんな彼女を見ると僕には甘えてくれたって良いのにと思ってしまう。

「今日はどの辺りに行くんですか?」

そう言って街に行こうとする彼女の腕を僕は掴んだ。

「沖田さん?」

「今日さ、少し肌寒いから長時間出歩いてたくないんだよね」

僕がそう言うと「えっ?」と彼女は驚いた顔をした。

「だからさ、今日は君の部屋で過ごしたいんだけど入れてくれない?」

「そ、そ、そんな無理です!」

僕が笑顔でそう問いかけると彼女は顔を真っ赤にして拒否した。

「別にそんなに拒否しなくても良いんじゃない? 傷つくなぁ。それに、何を勘違いしてるのか知らないけど別に何にもしないよ」

「で、でも、深雪さんが年頃の女の子が特別な男の人以外と二人っきりになっちゃいけないって・・・・・・・・・・」

「何それ? 今更じゃない? これまでだって僕達二人っきりで何度も街に出てるよね?」

「それはそうですけど・・・・・・・・・・・。でも、外と中では状況が違うというか・・・・・・・・・・・・」

彼女は、ごにょごにょと人の目がないからだとかなんとか言ってきた。

「あのさ、僕は飢えた狼じゃないんだから君になんて手を出さないよ。それに、深雪さんだっているんだし二人っきりじゃないよね?」

「そ、それは、まぁ・・・・・・・」

「それに僕だって選ぶ権利があると思うんだよね。僕の好みはお淑やかな女性で君みたいに常識が抜けてて、強情で男みたいに信念を貫き通す可愛げのない子なんてお断りだね」

「それは、酷すぎます・・・・・・・・・」

僕がいつもみたいにそう言うと彼女は少しショックを受けたようだった。そんな彼女を見てズキッと心が痛んだものの彼女を休ませるためだと思い、話を続けた。

「分かった? じゃあ、こんな所で立ち話してたら風邪引くし、上がらせてもらうね」

「分かりました。今日の記憶探しはお休みで良いです。でも、それなら沖田さんは屯所に帰ったらどうですか? 私、街に出かけないならやりたいことがあるので沖田さんのお相手ができませんし」

「嫌だね」

即座に僕はその提案を却下した。

「このまま屯所に帰ったら記憶探しに行ってないのが分かっちゃうでしょ? そんなことになったら、僕が土方さんや斎藤君に小言を言われて面倒くさいんだよね。だから、その提案は却下!」

別に土方さんや斎藤君の小言なんてどうってことない。だけど、ここで僕が屯所に帰ってしまっては街に出かけるのを取り止めた意味がない。僕が帰れば彼女の性格からして、きっと医学の勉強をするに決まってる。

「ほら、グダグダ言ってないで上がらせてもらうからね!」

僕は、もっともらしい理由で畳みかけると半ば強引に彼女の部屋に上がった。

 彼女の部屋に入ると、机の上には雪崩が起きそうなくらいのたくさんの医学書が置いてあった。近藤さんから聞いていた通り、医学所から帰って来た後も家で勉強をしているようだ。

「こんなにお店を広げて、深雪さんのことだけでこんなに本を読まないといけないの?」

「あっ、いえ。基本的な内容のものや気になって自主的に調べてる病気の資料が多いんです」

僕がそう訊ねると彼女はそう言った。

「へぇ~、一体何の病が気になってるの?」

「・・・・・・・・・労咳です」

手元近くにあった本をパラパラと捲りながら訊くと少し間を置いて彼女はそう答えた。

「労咳って、あの死病の? 一体、どうしてあんな死病について調べてるの?」

僕が本を置いて彼女と向き合うと、彼女は街で労咳の噂を聞いて一人でも多くの労咳患者を治したいと思ったからだと語った。

「気持ちは分かるけど、君の知識じゃ治す方法を見つけるなんて無謀じゃない?」

「確かに、そうかもしれません。でも、医学の道に進んだなら一人でも多くの人を助けたいって思ったんです。それに、もしかしたら記憶の手がかりになるかもしれないんです。だから、調べてみたいと思ったんです」

「記憶の手がかり?」

僕がそう質問すると、彼女はこれまで感じたことを話してくれた。新選組に関わることに触れると頭痛がすること。見たことのない建物や部屋が一瞬頭の中に浮かぶこと。建物については斎藤君に聞いてみたけど、そんな建物は知らないと言われたこと。そして、街で労咳の話を聞いた時、知らない内に涙が零れ平助を驚かせてしまったこと。

「きっと、記憶の手がかりに触れているんだと思うんです。だから、少しでも早く記憶が戻るように調べて見ようと思ったんです」

彼女の話を聞いて、確かに何かしら彼女の記憶に触れているんじゃないかと思った。

「なるほどね。確かにそうかもしれないね。でも、僕も君が言っている建物がなんなのか分かんないなぁ」

僕がそう言うと「そうですか」と彼女は落ち込んだ様子でそう言った。それにしても不思議な話だ。城ではない建物で天高く聳え立つ建物。一体、どういったものなのか興味がある。

「それで、労咳ってどういった病なの?」

「えっ?」

僕が話題を変えると彼女は驚いた様子で顔を上げた。

「死病だって言われているのは知っているんだけど、具体的な症状とか対策とかは知らないんだよね。だから、せっかくだから教えてよ」

僕がそう言うと戸惑った素振りを見せたけど「患者さんに質問されても答えられないなんて医者なんて言えないんじゃない?」って言ったら彼女は説明し始めた。

「初期症状として労咳は、全身の倦怠感。夕刻に出る微熱、寝汗、胸痛などが挙げられますが、それらが進むと肺から血を吐きます。若い人が労咳にかかることが多いようなので、気鬱や恋煩いが原因だと考えている人多いようです」

「恋煩いね。じゃあ、僕は平気かな。僕にはそんな相手なんていないし、そんな感情も持ち合わせていないからね」

僕が鼻で笑ってそう言うと、彼女は少し困ったような顔をした。

「確かに病は気からなんて言いますが、原因はきっと別にある気がするんです。それが、何かは分かりませんけど」

「じゃあ、しっかり勉強して早く見つけないとね」

僕がそう言うと彼女は力強く返事をした。

 しばらく僕達は色々な話をしていると、徐々に眠気が襲ってきたのか疲れが限界に来ていたのか彼女はウトウトし始めた。

「君は、いつも何時くらいに寝てるの?」

「・・・・・・・・・うーん、夜明け近くでしょうか?」

「そんなに遅くまで起きてるの? 君は女の子なんだよ。男と違って体力だってそんなにないんだから無理しない方が良い。今日は、もう休んだら?」

「で、でも・・・・・・・・・」

「『でも』じゃない! 人の体調について語るなら、まずは自分の体調管理をしっかりしないとね! 無理ばっかりしてたら体調を崩して医者の不養生だって言われて馬鹿にされるよ?」

目を擦りながらそう言う彼女に僕は強くそう言った。

「こんな時間だし僕ももう帰るよ。このくらいの時間なら屯所に帰っても問題なさそうだし。君も今日記憶探しに行かなかったこと斎藤君達には内緒だよ!」

僕がそう言うと眠そうな顔でコクンと頷いた。

「深雪さんに挨拶してくるから君はもう寝なよ。いい? 今日は絶対に休まないとダメだからね!」

僕は彼女の部屋を出て深雪さんに挨拶しに深雪さんの所を訪れた。

 深雪さんと挨拶とたわいもない話を終え、四半刻後。僕は、帰る前に彼女の部屋を覗くと呆れてしまった。

「・・・・・・・・・まったく、君って子は何をやってるんだか」

部屋を覗くと彼女は机に突っ伏して寝ていた。

「確かに寝るようには言ったけど普通、机に突っ伏して寝るかな?」

僕は押し入れから布団を取り出した。今の彼女の様子を見たって、かなり疲れが溜っていたことは明白だ。僕は布団を敷き終わると、寝かせるため彼女を抱えた。

「布団でちゃんと寝ないと疲れは取れないよ」

「・・・・・・・・っっ、・・・・・・んっ」

すると、彼女の苦しそうな声が聞こえた。彼女の顔を覗き込むと振り返ると彼女は涙を流しながら呟いていた。

「い、逝かないで・・・・・・・・置いて、かないで!」

「???」

「・・・・・・・・・助けて・・・・・・・・誰か、・・・・・・・・・助、けて・・・・・・・・・沖田さん!」

「!?」

何か怖い夢でも見ているのかと思ったら、突然自分の名前が呼ばれ驚いた。一体、彼女はどんな夢を見ているのか僕は分からなかった。ただ、魘されている彼女は、しばらく支離滅裂な言葉を呟きながら僕に助けを求めているようだった。

「大丈夫だよ」

彼女を起こさないように注意しながら彼女に呼びかけた。

「大丈夫。僕は何処にも行かないよ。君に何かあったら僕が助けに行くよ。僕が絶対に守ってあげるから。だから、泣かないで」

僕はそう言うと、彼女の額に優しくキスをした。

「――――って、僕は一体何をしてるんだ!?」

「・・・・・・んっ、んん? あれ?・・・・・・沖、田さん?」

今し方の自分の行動に驚いていると、彼女はゆっくりと目を開けた。

「―――― って、沖田さん、何してるんですか!?」

自分の状況に気付いた彼女は顔を真っ赤にして驚いた顔をした。

「何って、君を抱きかかえてるんだけど?」

僕がありのままに状況報告すると、彼女は更に顔を真っ赤に染めた。

「ど、どうして私を抱きかかえているんですか!?」

「どうしてって、・・・・・・・・・。帰ろうと思って君の部屋を覗いたら君が机に突っ伏して寝てたから布団で寝かせてあげようと思って」

「ご、ごめんなさい! 私、布団を敷こうと思ったのに敷かずに寝てしまったんですね。・・・・・・・・って、もしかして沖田さん、私の寝顔見たんですか!?」

「うん。ついでに言うと、涎を垂らしていびきをかいて寝ていたよ」

僕が笑顔でそうからかうと彼女はこれ以上ないってくらい顔を真っ赤にして慌てふためいていた。


                 *


 僕は屯所までの帰り道、彼女の身辺調査について思い出していた。土方さんは、僕が彼女を屯所に連れ帰ってから彼女の身辺調査を行った。

 だけど、彼女の身元は未だに分からず調査は難航している。土方さんがミスをするという可能性は極めて低い。あの人が彼女を調べているのも新選組に害のない存在かどうか知るためだ。危険な芽は早めに摘むタイプのあの人が得体の知れない彼女の調査を怠るのは考えにくい。

「でも、池田屋のこともあって忙しかったからなぁ。・・・・・・・・ごほ、ごほ」

池田屋事件の後、禁門の変も起こりかなり慌ただしかった。もしかしたら、何でも自分で抱え込んでします土方さんのことだから忙しくて上手く調べ上げられてないのかもしれない。

「ごほ、ごほ・・・・・っごほ、ごほ」

ここ最近、出始めた咳を抑えながら屯所の玄関を上がった。

 それに今日、彼女の話を聞いて気になることがあった。おそらく、斎藤君は土方さんには報告しただろうけど、僕らが見たこともない巨大な建物。彼女の話が本当なら、噂で耳にするだろうし、何かしら情報が入ると思う。でも、そんな話を聞かないとなると彼女のいう建物は存在しないことになる。

「っごほ・・・・・・でも、彼女が・・・・・ごほ、ごほっ・・・・嘘を、・・・・ごほっ・・・・言ってるようには思えないんだよね。ごほ、ごほ・・・・・・もしかして、此処とは違う別の世界から来たとか?」

そう言葉にして僕は鼻で笑ってしまった。

「馬鹿馬鹿しい。そんなことありえない」

彼女の頭に浮かぶという建物。一体、どういう建物か分からないけど、もしかしたら彼女の記憶違いかもしれない。

「沖田君」

そんなことを思っていると後ろから平助に呼び止められた。

「ごほ、ごほ。平助? 僕に何か用?」

「・・・・・・・・・最近、咳が出てるみたいだけど大丈夫?」

少し戸惑った様子で平助は僕にそう言った。

「ごほ、ごほ。・・・・・・まぁ、確かに最近咳は多いけど・・・・・・っごほ、大丈夫だよ」

「そう。病院に行ってるの?」

「いや・・・・・・・・。でも、大丈夫だよ。ごほ、ごほ、・・・・・・・っごほ。咳だけだから。たぶん、風邪気味なんだと思う。・・・・・・っごほ、ごほ・・・・・・だから、そんな心配そうな顔しなくて良いよ。ってか、何かあったの?」

「別に、そんなじゃないよ。ただ、咳が長引いてるみたいだから、ちょっと気になって」

「大丈夫。今日の記憶探しの時は咳が出なかったし、体調変化もなかったから」

「そう・・・・・・・・・。でも、無理をしないようにね」

「ありがとう」

まだ何か言いたそうな顔をしている平助をその場に残して僕は自分の部屋に入った。


                   *


「今回も収穫はなしか」

俺は、山崎からの和流に関する報告書の束を読み終えると、溜息交じりにそう呟いた。

 あれから、俺は自分が持っている人伝を頼りながら和流のことを調べた。江戸、京、長州、薩摩などありとあらゆる方面で手を尽くしたが『和流』という家を発見することはおろか娘の失踪事件の話も見つからなかった。

 まさかと思い、花街の方も調べてみたが結果は同じで、和流ぐらいの年頃の娘が桶屋から脱走したという話もなかった。

「今は、名前しか手がかりがないからな・・・・・・・・・」

俺は、これからどう打開策を打ち手がかりを見つけるか考えていると、廊下から伊東とその取り巻き連中の声が微かに聞こえた。

「ったく、次から次へと問題ばかり増えていきやがって・・・・・・・・・。年が明けたってのに休む暇もありゃしないな」

俺は頭をかきながら頭を抱える問題をどう対処するか思案し始めた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る