ロボット、IT、パンデミック、食料問題…
現代より数十年先の未来に起きる事件を追う、ジャーナリストの物語。
途中経過ランキングから見つけて読ませていただいたのですが、なんでランキング上位じゃないの?戸惑いを隠せない。
まずは作者様の文章力の高さ、精密な世界観を形成する知識の豊富さに唸ることでしょう。
あらゆるジャンルにおける未来想像図があまりにもリアルで、確かにこんな未来もあるかもしれないと物語に引き込まれる。細かな描写にも隙がなくて、まざまざと映像が浮かびます。
そして、キャラクターたちの芯の強さがまたとても魅力的。少し冷めた主人公、ちょっと天然なお父さん、強く彼らを支えるお母さん、そして愛嬌のあるロボット……。
ものがたりの最後に、きっちりすべての理由が解き明かされる。この爽快感は、やはりSFの醍醐味でしょう。
もっとたくさんの人に読んでほしい。映像化したら確実に見ます。