ファンとは……

かぼる〜にゃ

ファンとは……?

私がだいすきな作家さんが筆をおいた。


この数日ずっと、寂しくて悔しくて、悲しくて、でもだいすきで、モヤモヤ、ザワザワとした気持ちの行き場として此処を使う。

その作家さんの作品が読みたくて関わりたくて登録したカクヨムだけれど。



私は小説を読むのは大好きだが、文章を書くのは本当に苦手だ。


けれど、その作家さんは感想をモチベーションとしていたようだ。

最後に残してくれたメッセージに残されていた。


感想を貰えないような作品を出した自分が恥ずかしい、そんな作品は自分は大好きだがゴミだ、と。

書きたくなくなった、と。

それでは皆様、お元気で。と。


FANBOXで公開された作家さんの文章は、皮肉にも大きな反響があった。


その文章と、ほぼ同じ内容のものを、10日前にTwitterのDMで作家さんから送られていた。


もう、遅いんだよ。と言われているのだろう。

冒頭から目の奥がチカチカするようなショックを受け、喉の奥がめくれあがるような緊張感をもって、読んだ。


この、大切な文章に、私はどんな言葉で今の気持ちを返信すればよいのだろう。

書いては消し、書いては消し、でもどうにか急いで伝えなければ、追いかけなければ間に合わなくなる、と次のメッセージを送った。


「ご連絡、ありがとうございます。


正直、今、涙が止まりませんが。


先生はお元気でいらした。

まずは、ここに一安心しました。


これからは創り上がった作品たちが、手元に届かなくなっただけ。

とても、とても、とても寂しいです……けど。


お互いそれぞれに、美味しい鰻、食べましょうね。


相変わらず蜂を見る度に先生のキレイな目元を思い出しています。

きっとこれからも、私の中でソレは続いていきます。


どうぞお身体ご自愛専一にお過ごしください。


お辛い中、ご連絡ありがとうございました。いちファンとして心より、感謝申し上げます。


だいすきですよ。」


既読がつくことはなかった。


20日にFANBOXで文章が公開された。

コメントを残したのだが、なぜか反映されていなかった。


そのままTwitterに飛んで該当ツイートにコメントを残した。

直後、ツイートは表示できません


そっか、ブロックされたんだ……。


涙が止まるまで、かなりの時間を要した。


私のしぼりだしたコメントは、不要なモノだったんだ。


指先は震えたが、コメントを消し、フォローを外した。

ごめんなさい。ごめんなさい。と思いながら。



Twitterを始めたのは2011年から。

好きなアーティストの近況を知りたくて、登録した。

アーティストはなかなか活動をしない人だったので、通知が来るまでずっと、アカウントを作ったまま、放置していた。


ネット小説の存在を知り、読み漁る日々の中で、その作家さんの作品を知り、こんな表現方法があるのか、こんなに擬音が脳内に響くのかと心臓をバクバクさせながら読みふけった。


Twitterもやってます。というので放置していたアカウントを起こして早速フォローし、近況などに共感すれば🖤をポチポチ押して過ごしていた。


しばらく経った頃、フォロー返しがあり、私がしぼりだしたコメントに🖤が返されて、毎回ではないけれど時にはコメントが返されて、嬉しかった。


そんなやり取りが嬉しくて、それこそ会って直接応援の言葉を伝えたくて、30年ぶりに即売会というものに足を運んだ。

余談だが30年前よりも女の子たちはオシャレになっていた。

男の子たちは、あまり変わっていなかった。


長い入場列に並びながら、年甲斐もなくワクワクさせてもらった。


初めてお会いした作家さんは、目元の涼し気な可愛い人だった。

私の娘たちよりは年上だが、姪っ子くらいの年齢か。


アラフィフのおばちゃんが来て、引いたかもしれないが、堪忍してもらおう。

新刊を購入しサインをしてもらって、嬉しくて鼻の奥がツンとした。


差し入れの菓子は近くのブースの方と分けて食べられるようにヴィタメールの個包装のモノにした。

嫌いなものではなかったろうか。

普段のツイートを見る限りは大丈夫そうだが。

そんな事を考えながら、差し入れを手渡した事を思い出した。


ある時は、今まで出した本の見本誌が幅をとる、という内容のツイートを読み、出版社が無くなっていて昔の作品を手に入れられずにいた私が大人買いしたい!とツイートし、作家さんの目にとまり直接購入することが叶ったりもした。

26冊全てにサインを入れてくれてメッセージカードも入っていて、思わず届いた箱を抱きしめたりもした。


今でもその本たちはリビングの私の真後ろの本棚、いつでも取り出せる特等席に鎮座している。


作家さんがカクヨムで新作を書くという。

ワクワクしながら、少しでも繋がりたくて私も登録した。

続きが書かれるたびに通知が来るのが嬉しかった。


新作はコンテストに応募するという。

気持ちをヒリヒリさせながらも読ませる作品だったので、何かしら受賞するとは思っていたが、「受賞作はこちら」の文字列をクリックするのに手に汗をかいて指先が震えるとは思っていなかった。

その作品は特別賞をとっていた。

震える手で嬉し涙を拭った。

作家さんのブログサイトにその旨を書き記し、作家冥利に尽きる。と返信を貰った。


しばらくすると、ブログサイトからFANBOXに移行するという。

最初の頃は支援の支払い方法が限られていたので、私は支援したくともできなかった。

後にコンビニ払いが適用され、飛びつくように支援を始めた。


Twitterで新作やコラムの案内を知り、🖤で返信、FANBOXで読み🖤で返信、半年ごとに支援を更新していた。直近は1年間の支援コースにしている。


ある時書いてほしい作品リクエスト募集があったので、FANBOXトップ画のキャラクターの作品を読みたい。と伝えたところ、短編として本当に書いていただけた。

妄想していたキャラクターたちが作品の中で動いている。話している。

夢が叶う、とはこういうことか。とゾクゾクした。


もう、今ではブロックされてしまっていて、再フォローも叶わないけど。


過去形のだいすきだった。ではなく、進行形でだいすきです。


こんなんでも、ファンなんですよ。


貴女の今までの苦痛も、私のこのヒリヒリした感情も、貴女に見えているであろうイーヴンの糧になり得ていますか?

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