第5話 両親
さらに1年が過ぎ、僕は1歳になった。
僕はようやく、少しだけ言葉を理解できるようになったし、単語だけなら話せるようになった。あとだいぶ前にははいはいもできるようになった。
でもまだ立つことはできない。
最近では、僕はママに懐いたと思う。そのせいかはわからないが、パパが、
「前は俺に懐いていたのに、なんでだ!?」とさけんでいたこともあった。
それでママは、毎回勝ち誇った顔をしていた。正にドヤ顔である。
そしてママが、「立てるようになったら、特訓しましょうね」とか言ってくる。何をさせる気だ。
と不安を拭えないことはあるが、いまのところ至って平和だ。最近では、あまり泣かなくなったし。
それと、ママが特訓するとかほざき始めたころから、魔法の理論書みたいなのを読み聞かせ始めた。まあ、楽しいからいいんですけどね。
ああ、今のところ呼び名は、ママ、パパで統一している。さすがに1歳の子どもがお母さんとかお父さんとかは早いと思ったからだ。
近々僕のステータスを確認しに行くらしい。なんというか、そこでトラブルがありそうだから、行きたくないんだけど。まあ、そうも言ってられないんだけどね。
ママとパパの勇者自慢がうざい。やっぱりというか、うちの両親は召喚された勇者だった。だけど、勇者の話なら、神様からある程度は聞いていたし、別に詳しく知りたいとも思ってなかったから。
それと両親の名前は未だわからずにいる。だって、ママ、パパとしか呼び合わないから。いつになったらわかるのかな?
それから数日後、ついにステータスを測る日が訪れた。緊張するが、気にしていても仕方ないので、あまり考えないことにした。起きたことは仕方ないからな。
なぜ、無属性適性を隠さないのかは、ただ単純に最初から持っていたものだからだ。
これでも一様勇者の息子ということで、それなりの珍しいものは必要だと思ったからだ。
そして、特に何事もなくステータスの鑑定は終わった。
でも収獲はあった。両親の名前がわかったのだ。ママはナナ、パパはリヒトというらしい。
もう一つ収獲があった。それは、ちゃんと偽造が働いていたことだ。いやーこれで一安心だ。
あと、両親が無属性適性とステータスを見て嫌なことを言っていた。「これで、息子を最強にできる」とか「最弱を最強にして主人公にさせる」とかなんとかと。
まあ、そんなことはどうでもいいのだ。早く、ネットでいろいろやらなければならないんだから。
ネットで、思い出したけど、メニュー先輩がすごい有能すぎたのだ。あの図鑑でさえ、有能だったのだ。有能だとわかったとき、全力で謝った。あの図鑑の機能は、マジで有能だった。
だって、鑑定したものは自動で登録してくれるし、たとえば、布団を鑑定すれば、それの材料である糸と綿の情報がすべてのるのだ。
あ、これ、鑑定が有能なのか。
『そんなことは、ありませんよ。ニコッ(怒)』
い、いや、それだけではないんですよ。たとえば、石鹸を作りたいとき。ネットで調べてきて、その材料の特徴さえわかれば、今まで登録したものの中から自動で探してくれますから、結構便利なんですよ。言ってしまえば、かなり優れた検索機能を持っていたわけですね。
なぜか、魔力操作のレベルが上がっている。とくに何かをしたわけでもないのに。あと、MPがやばい。ただ、ネットを使っているだけなのに。なぜだ?
ステータス
シン・サトウ Lv1
HP10
MP100(38896000)
攻撃10
防御10
魔攻10
魔防10
俊敏10
スキル
無属性適性
(システム:メニュー Lv100)
(魔力回復速度上昇 Lv100)
(成長率上昇 Lv100)
(スキル取得基準低下 Lv20)
(鑑定 Lv100)
(看破 Lv100)
(偽造 Lv100)
(隠蔽 Lv100)
(魔力操作 Lv100)
借金 36500ルア
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