もう一つのプロローグ 3
それから、約10日で読み終わった。取得するスキルは。
「とりあえず、鑑定は必要」
「レベルは、どうする?」
「え?レベルも上げられるんですか?」
「ええ、1レベル1Pで上げられるわよ。ちなみにレベルマックスには、一律で100P必要になるから」
「なら、レベルマックスで」
「なら、これで100Pね」
「あとは、MP上昇も必要かな」
「それもレベルマックス?」
「レベルマックスで。あとは……MP回復速度上昇かな。これもレベルマックスで」
「わかったわ」
「あとは……なにがいいかな?」
「んー、それなら、全ステータス上昇はどう?これなら、MPも上がるし」
「じゃあ、それで。もちろんレベルマックスで」
「あと、3ポイント残っているけどどうする?」
「そのポイントだとなにができますか?」
「ほとんどないわよ。ものとかの取り寄せくらいかしら?」
「!?それなら、シン君の下着をください!!」
「え?」
「丁度良く、収まったわね」
それで、取得したあとのステータスがこれ。
ステータス
(紅 瑠奈)Lv1
HP1000(250)
MP5000(250)
攻撃200(50)
防御200(50)
魔攻200(50)
魔防200(50)
俊敏200(50)
スキル
鑑定Lv100
MP回復速度上昇 Lv100
MP上昇 Lv100
全ステータス上昇 Lv100
加護
フェニックスの加護
うん、なんと言うか、おかしいと思います。確かに500Pは多いんだなって思ったよ。
「そう言えば、このステータスのかっこ内の数字はなんですか?」
「それは、補正前のあなたのステータスよ」
「それにしても、このステータスってどうなんですか?」
「かなり、すごいことになっているわよ。だいたい向こうでは、近衛騎士で2000ぐらいよ。まあ、そのトップは、10000越えなんだけどね。そう思うとすごいわね」
「それじゃあ、こんなステータスしてるといろいろとまずいんじゃ」
「そうでもないわよ」
「そうなんですか?」
「向こうの世界には、転生者保護って言う制度があるくらいだし」
「それって、保護という名目の奴隷制度なんじゃ……」
「その辺は、大丈夫よ。何しろ、その政策をやっているトップは、勇者召喚で召喚された人だから」
「それなら、少しは安心ですね」
「それと、ここにはあとどれくらいいるんですか?」
「ああ、あとね290日ぐらいよ」
気が遠くなる思いがした。
「なんで、そんなに待ち続けなければならないんですか?」
「今までがかなりかかっていたからよ。それに、新しい命ができたら、その体に入る精神をここに呼ぶんだからよ」
「そういうことなんですね。それはそうと、あと290日はシンくんに会えないってことですね」
「いいえ、あと11年くらいよ」
「え?なんでそんなに会えないんですか?!」
「それは、二人生まれる場所がかなり離れているし、あなたの両親は公爵だからよ。たぶんあなたを自由にはしておかないでしょうし」
「そんなぁぁぁ。11年も会えないなんて……ん?でもなんで11年なんですか?」
「まずは、ここで約1年、そして10歳になると学園に通うことができるからよ。たぶんその学園に入るのが一番早いかなって思ったのよ」
「ということは、その学園に入るまでは、シンくんに会えないってことですか」
「そういうことになりますね」
それからは私の人生について話したり、向こうの世界の歴史を聞いたり、勇者について聞いたり、一般常識についても聞いたりした。
そして、290日が過ぎ、いよいよ旅立つときが来た。
「はあ、なんだか早かったですね」
「そうですね、女神様」
「それはそうと貴族たちには気をつけるんだよ」
「わかっていますよ」
「ならいいんだけ───」
そのとき前にも感じた違和感が襲った。やはり、と言うべきか、あの神様がいた。
「おう、間に合ったわい」
「どうしたんですか?」
「ちょっとな、瑠奈に言っておこうと思ってな」
「なんですか?」
「真の容姿についてじゃ」
「!?どんなんですか?」
「アルビノじゃ」
「へ?」
「それに同年齢には一人しか居ないからすぐわかると思う」
私はそれを聞いた瞬間、意識が遠のいた。
「まったく、最後の挨拶くらい私にさせてくださいよ」
「すまかった。でも、それだけは言っておこうと思ってな」
「はあ、まったく。まあ、いいですけどね」
「今期は、かなり期待が持てるからな、すこしでも幸せになってもらいたいんじゃ」
「それくらいわかっていますから。それはそうと、今回は私がもらいましたから」
「ふっ、まだわからんじゃろ?」
「いいえ、今期最強を生み出したのは私で確定です」
「それはどうかの?」
そんな会話がしばらく続いていた。
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