もう一つのプロローグ 2

私が気がつくと、真っ白い空気にいました。目の前には、綺麗な女性がいます。

「やっと、気がつきましたか」

「あのー、ここは、どこでしょうか?」

「ここは……表現しずらいので、簡単にいうと、現実ではないところです」

「現実ではないところ?」

「はい、そうです。自分の身体を見てみてください」

言われた通り、自分の身体を見ていると、透けていました。

「え、えええ!?」

軽くパニックになりました。だって、自分の身体が透けているんですよ?パニックにもなります。

「落ちついてください!」

この状況が落ち着いていられますか!

「あなたは一度死んでいるんですよ!」

その言葉を聞いて、

「ああ、そうでした」

と、あっさり納得してしまいました。目の前の女性は、ズゴッて聞こえてきそうな行動していました。

「そう言えば、あなたは誰ですか?」

「あ、ああ、私は女神です」

「え、神様だったんですか?今まで無礼な態度をとってすいませんでした」

と、土下座をします。そこまで、ひどくはなかったと思いますが、それでも一様はあやまっておきます。

「いえ、気にしないでください」

「ですが、」

「そこまで言うなら、そっちの方が私は嫌です」

「す、すいません」

「だから気にしてませんから」

「わかりました」

「やっぱり、まだ堅いですね。それは直りませんか」

「はい、この方が落ち着くので」


「というか、なんで私はここにいるんですか?」

ある程度予想はできていますが、一様確認です。

「あなたには、異世界に行ってもらいます」

「お断りいたします」

「そう、行って……え?!行かないんですか?!」

「はい、シンくんのいない世界でなんて、生きている意味がないので」

「そ、そんなこと言わないで、行ってください」

「嫌です」

それから、女神様が私をなんとか行かそうとして、いろいろな条件をだしてきた。どんな条件を出されようがいかないのに。

しかし、1日もそんなことが続けばさすがにうざくなってくる。だから、もう仕方なしということで行ってあげることにした。

「じゃあ、向こうにいったら、死んでもいいで───」

「もういいです」

「そんなぁ、そんなこと言わずに行ってください」

もう、泣きそうになっている。とういうか、もう何回も泣いているんだけどね。

「そういう意味じゃありません」

「え?ということは」

「はい、行ってあげますよ」

「本当ですか?!」

「本当ですよ」

「じゃあ、ということは、ユニークスキルが───」

「いえ、その新しく付けてくれたのは、いりません」

「え?どうしてですか」

「だってそしたら、簡単に死ねないじゃないですか」

「え?なんでですか」

「だから、シンくんのいない世界に生きてる意味はないっていったじゃないですか」

「まあ、たしかに向こうに行ったら、こちらから、干渉できないですけど、さすがにすぐ死なれては…」

「別にいいじゃないですか、行くんですから」

「はぁ、仕方ないか。わかりました。向こうに行ったら、とやかくは言いません。でも、とりあえず持っている分のポイントは使い切ってくださいね」

「まあ、それくらいなら。というか、私って、どれくらいポイントを持っているんですか?」

「500よ」

「それって、多いんですか?」

「多いってもんじゃないわよ。多すぎるくらいよ」

「意外と私って、優秀なんですね。それとスキルはどうやって決めればいいんですか?」

「この本にスキルが載ってるのから、それを見て決めてください」

「わかりました」

スキルの載っている本は、厚すぎた。そして、読む前に諦めた。

「あれ?読まないの?」

「さすがにこれを読むのは……」

「ながし読みでもいいから」

まあ、仕方ないし、読み始めようと思った。でも、さすがに多い。確かにこれは流し読みがいいなと思い、流し読みを始めて、100ページほど読んだとき、なんか体に違和感を感じ、辺りを見回すと、見知らぬじいさんがいた。

「え?誰?」

「おう、すまんかった。驚かせてしまったな。わしも一様神様じゃからな」

「まったく、いきなり来ないでくれますか?」

「そんなこと言うなって、わしんとこに来た奴がいろいろとしでかしてくれてな、その尻拭いをしてるんじゃからな」

「まったく、今までそんなことなかったのに、急にどうしてですか?」

「いやー、ほとんど記憶を失ってなくてな、5日前からいるんじゃが、新しくスキルを考えるは、この場所でスキル上げをするはで大変だったんじやからな」

「なんで…って無粋ですか。でそれを伝えるために来たのですか」

「そうじゃ」

私は5日前と聞いていて、その人がシン君ではないかという風に思ってしまった。思ったら、聞かずにはいられなかった。

「あのー、神様」

「ん?なんじゃ?」

「ちょっと質問していいですか?」

「いいよ」

「あの、その人ってもしかして、シンくん───佐藤真って人ではないですか?」

私は、神様が驚いているように見えた。

「いや、そのことは他の人にはいえないんじゃ」

そんなことを言っても、私は確信した。シンくんが向こうの世界に行くということを。

「なんかバレていんみたいですよ?本当のことを言ってもいいんじゃないですかか?」

「はあ、仕方ないか。確かにわしのところには、佐藤真という奴は来ている」

「やっぱりそうですか」

それだけで私は、向こうの世界に行こうと決意した。

「お主と真はどういった関係なんじゃ?」

「私が生きてる意味です」

「「重っ」」

「む、そんなことはないです。普通です。それと、幼馴染みです」

「そうなんじゃな」

そして、女神様となにかしらの事務的な話をしていた。

その間私は、今度こそ、シンくんを守ろうと、スキルをしっかりと吟味していた。

しばらくして神様が帰り、女神様がこちらに来た。

「女神様!」

「な、なにかしら?」

「私、向こうの世界に行こうと思います」

「そのことはさっ───」

「そうじゃなくて、向こうに行って強くなります!」

「え?!急にどうしたの?!」

「シンくんが向こうに行くということがわかったので」

「あー、なるほどそういうことですか」

「それに伴って、自分のステータスは見られますか?」

「ええ、見れるわよ」

そう言うと、自分の目の前にステータスが現れた。


ステータス

(紅 瑠奈)Lv1

HP500(250)

MP500(250)

攻撃100(50)

防御100(50)

魔攻100(50)

魔防100(50)

俊敏100(50)

スキル

加護

フェニックスの加護


「あのー、フェニックスの加護ってなんですか?」

「フェ、フェニックスの加護!?本当にあるの?」

「え、ええ、ありますよ」

「勝った。ついに私の時代だ」

「え?」

「え?なんでもないですよ」

「だからこのフェニックスの加護ってなんなんですか」

「あー、それはね、かなり強い加護だから。とりあえず、MPがある限りは不死よ」

「そうなんですか?!」

「ええ、だから、かなり強力なの」

「なら、それに合わせたスキルの組み合わせの方がいいかな」

「ええ、その方がいいわ」

それから私は、取得するスキルを女神様と決めた。とりあえず、その前にこの本を読破しなければならないのだがな。

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