第62話 専門授業

1日目は座学だけで終わり、体を動かすようなことはなかった。


座学も基本的な授業しか選ばなかったので、去年と何かが変わったような気はしなかった。


リリーナは専門的な授業の内容を理解できないという理由から、全てシンと同じ授業を選んでいた。ルティーナは、専門的な授業も理解できるはずなのだが、シンから離れることが嫌なのか、こちらもシンと同じ授業を選んでいた。


ただ、専門的な授業がどんなものなのか気になり、最後の授業だけは選択した授業とは違う授業を聞きに行くことにした。


ルナとリリー、特にリリーが選んだ授業を受けられないのは良くないと思い、僕は2人に選んだ授業を受けるように伝えたのだが、ルナは当たり前と言わんばかりに、シンについて行くと言い、それに対抗するようにリリーもついて行くと言い、譲らなかった。


こんなことで言い争っていても時間の無駄だし、授業に間に合わなくなると思い、2人を連れて行くことにした。




授業を聞いてみたが、何をしているか全く理解できなかった。テキトーに選んだということもあるが、専門用語ばかりで別の言語を聞いているようだった。


他にも生徒は数人聞きに来ていた。それも内容を理解しているか、質問をしたり、アドバイスのようなことも言っているようだった。授業というよりは、議論という方が正しいように感じた。


生徒の他にも教師も来ていた。ただ、教師の方が内容を理解できていないようではあった。


ついて来た2人の様子は、当たり前だが、まったく理解していないようだった。リリーは、漫画なら頭の何個も?マーク浮かべているようなきょとんとした表情をしていた。ただ頑張って理解しようとはしていた。ルナは理解できないとわかると途中から、授業の内容には興味を示さなくなり、ほとんど聞いていないようだった。


結局、全く内容を理解できずに授業は終わった。


専門授業に関してはこれから聞くことはないと断言できた。それほど僕にとっては難しい内容であった。もしかしたら、理解できる専門授業もあるかもしれないが、わざわざ難しい授業を受けるのも面倒なので、他の専門授業もやっぱり受けないことにした。


この日は、この授業が最後だったので、終わるとすぐに帰った。帰る時はルティーナやリリーナとはもちろんだが、アイリとも教室で合流した。その後、タイミング良くすみれとも合流して家へと帰った。

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