第50話 コピー商品
あれから、かなりの量のリンスやシャンプーやコンディショナーが売れた。あ、ルナからの助言で他にもいろんなものを持ち込んだりしている。
生産は僕のMPがあるからこそ、なんとかなっているという感じだ。
今思ったが、MPがお金に変わるとかやばいよな。いろいろと崩壊しそう。
まあ、そんなことを考えていてもしょうがないので、今は売ってお金をを得ることだけに集中しよう。
そして、売り始めてから、1週間足らずで僕の借金はなくなった。
まあ、所持金と記載された瞬間、所持金がなくなったことには驚いたけど。結果的に借金がなくなったのでよかった。
そうやって売っていた時、売り上げが少しずつ下がっていったのだ。
普通下がるのはわかるが、その下がり方が妙だと、オーナーが言うのだ。
なので、オーナーが調べておくと言ってくれた。
それから、数日後。僕はまた商会に呼ばれた。
なので僕はルナと一緒に商会に向かった。もちろんリリーはお留守番だ。
そこに行くと、いつになく気落ちしている、オーナーがいた。それが気になったので、どうしたのか聞いてみると。
「ああ、それなんだが、どうもうちと同じものをうちより安く売っているところがあるらしいんですよ」
「転売にしては、おかしいですよね」
「そうなんです。シン様は、他の人につくり方とか教えてませんよね?」
「ええ、というか、僕しか作れないと思いますよ」
「そこなんですよ!シン様しか作れないはずなのに、それよりも安く売っていることがおかしいんですよ」
「そういえば、同じってどのくらい同じなんですか?」
「それが全く同じなんですよ」
「まったく同じ?」
そこにどうも引っかかりを覚えた。まったく同じってことは、容器から何まで同じってことでしょ?
そんなに同じなら、逆に偽物っぽいけど、どうなんだろ?
「ええ、さすがに効果が同じどうかはわかりませんが、容器は完全に一致してます」
「なるほど。でもそれなら、売れないのでは?いかにもあやしいものを人は買うだろうか?」
「それが最初に無料で配っていたらしいんです。それで、効果を確かめられたら、販売し始めてました」
「でもそれって無料のものだけ本物で他のものは偽物ってことはなかったの?」
「はい、今現在そういった苦情はないようですよ」
うーん、なんでだろ?そのまま使い回すには利益がなさすぎるし、でも現状そんなことにはなっているし。
ほんとわけがわからない。
そんな感じに考えていたら、今まで黙っていたルナが喋った。
「もしかして、転生者かな?」
「ん?どういうことだ?」
「それは、転生者って珍しいスキルとか手に入れられるでしょ?」
「まあ、確かにそうだな。でもそれがどうしたんだ?」
「うん、それで、コピーしたりできるスキルを持っている人もいるんじゃないかと思って」
「なるほど、確かにそれならこんなことしても利益はあるのか」
僕が納得していると、ルナから殺気のようなものを感じた。
「それはそうと、そのパクったやつどうしようかな?シン君の成果を横取りするとか、許さないから」
「ま、待てよ!」
「なんで?シン君はそれでいいの?」
「い、いいわけじゃないけど、他に対策はとれるだろ?」
「例えば、どんなこと?」
「相手は、多く作ることができないはずだから、そこまで気にする必要はないと思うんだ。対策じゃないけど」
「確かに。でも勝手にコピーしたことに対しては報いを受けるべきだよね?」
「あー、うー、まあ、そうかもしれないな」
「そうだよね!なら、いまから潰して来るね」
「ちょっと待ってぇぇ!」
と、僕の叫びは届かず、ルナは行ってしまった。
でもしばらくして、場所がわからずに帰ってきた。
僕はその時、全力で止めたので、なんとか大事になることはなかった。
しかし、それから数日後、コピー商品は売られなくなったことを聞いた。
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