第47話 クラス外でも……
帰ろうとしたら、ルナとリリーに捕まってしまって一緒に帰るハメになった。まあ、隣の席だからしょうがないと言えばそうなんだけど。
それで、教室を出て、校舎から出たところで、なんか、怖い顔をしてる人たちがかなりいるんだけど?
どういうこと?
それになんか面倒なこたに巻き込まれそうだったから、素通りしようとしたが止められてしまった。
「待て」
「はい、なんでしょう?」
「お前にはこれから決闘してもらう!」
「お断りします」
「いいのか?あることないこと言いふらしてお前をこの学校にいられなくさせてもいいんだぞ?」
「どんなに脅しても無駄ですよ?僕は自分の身が一番大切ですから。そういうことをしたいなら、お好きにどうぞ」
「てめぇ!調子に乗りやがって!決闘で勝ったからって良い気になるなよ!」
だが、やはりここに空気の読めない奴が。
「あんたねぇ、もしそんなことしたら、あんたを逆に登校できないようにしてあげるよ?」
すっごくドスの効いた声でルナがそんなことを言っていた。
「ひっ、そ、そんなことするわけないじゃないですか。そもそもそんなこと言っても信じてもらえないですよ」
「あ、そう。それならいいんだけど」
今度はなんとか決闘を避けることはできた。でも怖い人たちは僕のことを睨んできていた。それをルナに見られ。
「あなたたち本当にわかっているんでしょうね?」
「は、はい!わかっております!」
それだけ言うと逃げていってしまった。
今回もルナが暴走したが、決闘にならずに済んだ。しかし、ほんとルナに言い聞かせておかないとな。
それよりもまずここから離れておかないと、話はそれからだな。
そう言えばリリーが静かだったけどどうしたんだろ?とリリーを見てみると、ルナの迫力に圧倒されているようだった。
とりあえず、人のいるところ避けるとなるとやっぱりベストな場所は、自宅だよな。
なので自宅に着き、落ち着いたところで話し始めた。
「ルナ?」
「なに?シン君」
何かちょっと不機嫌そう。
「これからはこういうことやめような?」
「こういうことって?」
「権力を振りかざしたり、僕のことですぐ感情的になるところだよ」
「む、権力なんて振りかざしてないよ」
「じゃあ、なんであそこまでビビっているんだよ」
「ただの勘違いでしょ?私は何かするなんて言ってないよ?」
「確かにそうだが」
「それなら、私からも1ついい?」
「なにかな?」
その時ルナの顔を見たが、笑顔だった。でもその笑顔が怖いと感じた。
「そうやって自分は傷付いてもいいって考えはやめて」
「でも」
「でもじゃない!私はシン君のことが好きなの!好きな人が傷付いているところなんて見たくない!」
「そんなこと言われても、あんなこと全然気にしてないんだけど」
「私たちが見ていられないの!それくらいわかってよ!」
「はい、わかりました」
「わかればよろしい」
「でも、決闘とかやりたくないから」
「なんでよ、それくらいやればいいじゃない」
「だって、自分が強いことを知られたくないからだよ」
「それはいやなんだよ!自分のことが知られるくらいなら、自分が傷付いた方がマシだよ!」
「だからその考えはやめてって言ってるでしょ!」
そこから段々とヒートアップしていった。
この口論はアイリが帰ってくるまで続き、その間、ロゼさんたちやリリーは怯えて声もかけられず、僕たちのことは傍観していた。
アイリのおかげでなんとか理性は取り戻せたのでなんとか、口論は終わった。
今回のことで、いろいろわかった。
でもなんでここまで僕って絡まれないといけないのかな?ほんとそこが不思議だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます