第11話「ニゲル中将の罠」


 二人と話しを終えて静流の家を出る。聖香はまだ静流に話があるというので俺だけだ。俺に全てを話したわけではないとうことだろう。成り行きで魔法少女のことは知られることになったけどまだ話してない秘密をどうするか二人で相談するのかもしれない。聖香と一緒に帰ることになっていれば俺も都合が悪かったのでこの方が助かる。


 一人で帰った俺はもちろん家には帰らずに秘密基地へと向かう。着替えるとすぐに観測班の所に行く。


デスフラッシュ「どうだ?今日のデータは取れているか?」


キラーレディ「………はい。ですがデスフラッシュ大佐が一緒でなければ気付かなかったような小さな反応でした。」


デスフラッシュ「ふむ…。データを。」


キラーレディ「はっ!」


 俺はキラーレディに今日のデータを出してもらいながら頭の中で整理する。


 ここで突然だが少しだけデスフラッシュ大佐の秘密を暴露しようと思う。実はデスフラッシュ大佐は九条改太の状態でもほとんど同じだけの能力が使える。簡単に言えばこのスーツは追加装甲とかオプション装備というものでスーツがなくても俺自身の性能は変わらないということだ。


 もちろんオプション装備を付けている方が機能が拡張されたり性能が上がったりする。じゃあ学院にいる間は弱体化しているかというとそんなことはない。このスーツはいつでもどこでも呼び出せる。いつもオフィスで着替えているけど別に着替えなくても変身一つですぐに装着可能だ。種類も豊富で見た目はほぼ同じだが状況によって装備するスーツを変えることでありとあらゆることに対応可能になっている。


 それがどうしたのかというとスーツを着ていなくとも俺は秘密基地の機器と通信することで相互の機能を補完することが出来る。簡単に言えば俺が外にいることでレーダーサイトやアンテナや基地局や中継局のような機能を果たすことが出来るというわけだ。


 コンクエスタムの観測班が設置している各種監視網も全てを完全に網羅しているわけじゃない。死角になっている場所や観測機器の性能不足や設置数不足の場所もある。


 だから俺のセンサーで観測したデータを基地の観測班に送って解析してもらうことで俺自身が観測機器の代わりになるわけだ。


 それで今回は俺があの二人のすぐ近くにいて結界や立体映像に巻き込まれたお陰で観測班もその異常に気付くことが出来たしデータ解析することも出来た。


 俺がいなかった今まではこんなことがあっても気付かなかったってわけだ。エネルギー量も極微量。周囲への影響も痕跡もジャミングされてる。今までもこんなことがあったはずなのに気付かなかった観測班などと責めることは出来ない。


 これは敵の手腕を褒めるべきだろう。何か大きな異変があれば観測班もすぐに気がつくけど普段からずっと流れてるノイズの中に一つだけ偽装された別のものが紛れていても気付きはしない。


 今後の強化項目として観測班と監視体制の強化も考えていかないといけないな。


デスフラッシュ「………ほぅ。敵も中々念を入れてるな。」


キラーレディ「はい…。今回も敵の本拠地までは追えませんでした。」


 黒幕は今回校舎の方に現れてそこから俺達を結界の中に閉じ込めて立体映像を映して戦わせたようだ。いきなり近くには現れずに発見されにくい人ごみの中に現れて様子を窺う。大丈夫だと判断してから少し離れて遠隔で行動を起こす。そして誰にも気付かれていないことを確認してから再び転移で脱出する。


 観測データとしては俺のセンサーに引っかかってはいたがそれは後で解析したからわかったのであってあの時リアルタイムでは黒幕を追えてはいなかった。


 リアルタイムで逆探知していればキラーレディは今度こそ敵を追跡できたのかもしれないがもういなくなった後でそのデータだけを元に敵の追跡をしようと思っても中々出来ることじゃない。


デスフラッシュ「いや。こんなデータの切れ端からよくここまで解析してくれた。さすがキラーレディだ。」


キラーレディ「………いえ。まだまだです………。ですがご褒美を下さるのであれば今度夕食をご一緒に………。」


デスフラッシュ「ごめん。これから当分の間忙しそうだからその約束をするのはやめておく。」


キラーレディ「………はい。」


 キラーレディはしょんぼりしていた。



  =======



 金曜日を空けるために予定を動かしたので土日はちょっと忙しかった。少しだけコンクエスタムの秘密基地に顔は出したが俺はほとんど何もせず観測班のデータを見て報告書を読んだだけで帰る。


 その日曜日の帰りに聖香と静流を見かけた。


聖香「あれ?九条君?」


静流「まぁ!こんなところで奇遇ですね。」


改太「ああ。こんにちは…、っていうには微妙な時間か。こんばんはかな?」


 昼と夜の間。暗くなりかけた夕暮れ時に二人は町でパトロールをしてたらしい。三人で並んで歩く。


聖香「それで昨日もね―――。」


静流「ですねぇ。あっ、それでですね―――。」


改太「へぇ。そうなんだ。」


 二人は昨日と今日の話を色々と聞かせてくれる。とはいえ他愛無い話だ。一昨日にあれからどうなったのかは知らないけど昨日は何事もなく今日もパトロールしても今まで特に何もなかったらしい。


聖香「―ッ!静流!」


静流「ええ。」


 二人は急に険しい顔になって視線を合わせて頷きあった。でも俺のセンサーには何も引っかかってない。俺が見落としてる?それとも二人にだけわかる何かがあるのか?


聖香「九条君もこっちへ。」


静流「早く!」


 俺は二人に引っ張られて路地裏へと連れ込まれた。


聖香「コケティッシュパワー!」


静流「フォームチェンジ!」


 二人は結界を張って変身する。コケティッシュシスターズになると俺を抱えてビルの上へと飛び上がった。


改太「いやん…。女の子に抱えられるとかちょっと恥ずかしいんだけど?」


ブルー「それは…。緊急事態だからちょっと我慢して!」


ピンク「ブルー…。帰りは私が抱えますからね。」


改太「帰りって………。それは変身を解いて歩いて帰ればいいんじゃないかな………。」


 ビルの上を飛び跳ねるのは別に怖くない。でも言葉通り女の子に抱えられているのは恥ずかしい。どこまで行く気かは知らないけど帰りもまたこんな運ばれ方は嫌だ。


 二人はどんどん郊外へと向かっていく。進行方向を中心にセンサーを集中させてもやっぱり俺には異常は感知できない。それなのに二人は迷うことなくどこかを目指して突き進んでいた。



  =======



 完全に町から離れて山まで来ている。大きな道路から少し外れたところでブルーは俺を降ろして止まった。


ブルー「ここからは歩いて近づくわよ。」


ピンク「九条君は気をつけてね。」


改太「わかった。」


 俺は二人に言われるままに従って後ろを歩く。少し進んだところの川沿いに出たところで結界が張られた。また触れる立体映像が映し出される。確かに敵が現れた。でもこれはやっぱりおかしいぞ。


 俺のセンサーには何の反応もなかった。俺の推測では二人は『敵を見つけたからここまでやってきた。』と思っているだろうけど実際には『ここに呼び出されてやってきたから立体映像が映し出された。』ということだろうと思う。


 やはりこの二人は何かに操られたり認識を狂わされたり何らかのコントロールを受けている気がする。黒幕がなぜこんな回りくどいことをしているのかがどうしてもわからない。


ニゲル中将「現れたなコケティッシュシスターズ。今度こそ血祭りに上げてやる。やれポメラニアン!」


ブルー「………。」


ピンク「………。」


改太「………。」


 いやいやポメラニアンてあんた………。確かにその姿は俺のよく知っている愛らしい小型犬の姿そのままだ。そう…、まさにポメラニアンだ………。でもそれはもう動物の特性を持たせた怪人じゃなくて動物そのものじゃないのか?


ニゲル中将「どうしたポメラニアン!やれっ!」


ポメラニアン「くぅ~ん………。」


 ポメラニアンは一声鳴いてその場に座り込んでしまった………。


ブルー「くっ!卑怯よネオコンクエスタム!」


ピンク「こんな可愛い怪人を殴るなんてできません………。」


 えぇ………。コケティッシュシスターズの二人は敵の卑劣?な策に憤っているようだ………。そんなに卑怯な手か?そもそも怪人じゃなくてただの犬だから殴る必要もなくないか?色々突っ込みどころ満載だ。


改太「あれはただの犬だしポメラニアンは放置してニゲル中将だけ倒したらどうかな………。」


ブルー・ピンク「「それだわっ!」」


 二人は声を揃えて反応した…。それくらい気付かないですかね………。やっぱり何か操られているようだな。普段の二人ならこんなおかしなことになるはずはない。


ブルー「コケティッシュシザー!」


 ブルーはニゲル中将の前に躍り出て武器で攻撃している。っていうか、こわっ!ブルーは鋏を出して刃を開いた状態にして目突きをしてる。当たったら確実に目玉を抉られるだろうな………。良い子の皆は真似しちゃだめだぞ。


ニゲル中将「むおっ!汚いぞコケティッシュシスターズ。ポメラニアンと戦え!」


ピンク「貴方に言われたくはありません!コケティッシュレーキ!」


ニゲル中将「うおぉ!あぶないではないか!」


 ピンクが出した武器………。グラウンドを整地したりするやつだ。所謂トンボだな。あれは先が重い。殴られたらかなり痛いだろう。………なんでピンクはいつも鈍器とか重い物ばかり使うんだろうか。ちょっと怖い………。


 二人は俺のアドバイス通りポメラニアンを無視してニゲル中将に迫る。ニゲル中将は必死にかわしながら逃げているように見えるけど何かおかしいぞ。俺はその様子に何か強い違和感を感じた。


ニゲル中将A「今だっ!」


ニゲル中将B「はぁっ!」


ブルー・ピンク「「きゃーーーっ!」」


 逃げるニゲル中将Aを追っていた二人に森から飛び出したニゲル中将Bが襲い掛かる。なんだこれ?なんでニゲル中将が二人もいるんだ?


ニゲル中将C「はっはぁっ!まだまだぁ!」


ブルー「くっ!」


 さらに川から飛び出してきたニゲル中将Cにブルーが吹き飛ばされる。


ピンク「ブルーッ!?」


ニゲル中将D「ここだぁ!」


ピンク「きゃぁーーっ!」


 さらに足元の地面から飛び出したニゲル中将Dに転ばされるピンク。四人になったニゲル中将が二人を囲む。


ブルー「これはどういうことなの?」


ピンク「まずいわブルー………。」


ニゲル中将A「くっくっくっ。どれが本物の私かわかるかな?」


ニゲル中将B「ポメラニアンは囮だったのだ。まんまと引っかかったようだなコケティッシュシスターズ。」


ニゲル中将C「貴様らはいつも二対一で戦っていた。」


ニゲル中将D「それが逆になった気分はどうかな?」


 すごいシュールな絵面だ。ピッケルハウベを被った変態オヤジ達が四人で二人の美少女を囲んでいる。街中で見たら普通に通報されて事案になりそうだ。


ブルー「どれが本物なの………。一体どうすれば………。」


ピンク「諦めないわ。…何か、何か方法があるはずよ。」


改太「全部倒せばいいんじゃないの………?」


 俺のセンサーには全て同じ立体映像だと表示されてる。つまりこいつらはどれも同じニゲル中将だ。ただし前に俺が見た時よりは若干弱めに設定されてるようだ。四人に増える分弱くしたってことかな。


 元々ただの立体映像だからいくらでも同じ奴を映し出せるのにわざわざ能力を下げたモデルを作って映し出すなんて何でこんな手の込んだことをしているんだろう。


ブルー・ピンク「「それよっ!」」


 二人は顔を見合わせて頷きあった。


ブルー「いくわよ!コケティッシュジャンプッ!」


ピンク「コケティッシュジャンプ!」


 二人はニゲル中将が唯一囲っていない上へと飛び上がった。


ブルー「マジカルッ!」


ピンク「コケティッシュッ!」


ブルー・ピンク「「ダイナマイトッ!!!」」


 飛び上がった空中から下にいる四人のニゲル中将に向けていつもの必殺技を放つ。


ニゲル中将A「こっ、こんなバカなっ!」


ニゲル中将B「やられはせんぞぉ!」


ニゲル中将C「わしは死なんっ!」


ニゲル中将D「………。」


 おいっ!ニゲル中将D何か言えよ………。


 ドッカーンッ!


 といつもの爆発が起きてニゲル中将達は光の粒子となって散っていく。


ブルー「やったわ!」


ピンク「まだですブルー!」


ニゲル中将「ふぅ…。このピッケルハウベがなければ即死だった。だがピッケルハウベのお陰で何とか致命傷で済んだな。ふっふっふっ。」


ブルー・ピンク・改太「「「………。」」」


 川の岩の陰からもう一人ニゲル中将が現れた。一応言っておくがこいつは別にさっきの二人の必殺技を耐えたわけじゃない。最初から隠れていたからさっきの必殺技を食らわなかっただけだ。


 四人のニゲル中将達は消え去って岩の陰から出てきた新しいニゲル中将が空から降りて来た二人の前に立ちはだかる。


ブルー「くっ!さっきのでもう魔法が…。」


ピンク「まずいですね…。」


 二人の胸のブローチが点滅してる。そろそろエネルギー切れなんだろう。このままニゲル中将と連戦になったらまずいと思ったその時ニゲル中将は思わぬ行動に出た。


ニゲル中将「それではさらばだっ!」


 なんとポメラニアンを抱えて逃げ出したのだった。コケティッシュシスターズの二人はあまりのことに呆然となってその後姿を見送る。ニゲル中将が見えなくなると結界は解除されたのだった。


ブルー「あっ…。もう限界が…。」


ピンク「これまでですね。」


 二人がまた光に包まれてその姿が変わる。これで来た時と同じように女の子に抱えられて連れて帰られる恥ずかしい思いはしなくていいようになった。だけど新しい問題が出てきた。


改太「………どうやって帰ろうか?」


聖香・静流「「………。」」


 人もいそうにない山の中で携帯も圏外…。少し戻れば舗装された道路はあるけど車も通っていない。人がいそうにないからそもそもバスも電車もタクシーもなさそうだ。


 俺の通信機を使ったりそもそも俺なら二人を抱えて飛べば良いわけだけどもちろん正体を見せられない俺が二人の前でそんなことをするわけにはいかない。


 この後俺達はせめて携帯が使える場所まで行かなければと頑張って歩いたのだった。



  =======



 何とか夜には町へと戻って来られた。皆疲れたのでそのまま解散となったのだった。


 だけど俺はもちろん家には帰らない。コンクエスタムの秘密基地へと寄って行く。秘密基地からの帰りに二人に会ったのにまた秘密基地に戻らなければならないなんて面倒ではあるけど、さっきの戦闘データも見てみたいし寄っていくしかない。


キラーレディ「おかえりなさいませ。」


改太「ああ。キラーレディはまだいたのか。それじゃちょっと着替えてから観測班の所へ行くよ。」


キラーレディ「畏まりました。」


 キラーレディがまだ着替えずに秘密基地に残っていた。俺は自室に行って着替えてから観測班の所へと向かう。


キラーレディ「これが先ほどの戦闘データです。」


デスフラッシュ「ああ。ありがとう。」


 俺が何をしに戻ってきたのかわかっているキラーレディは何も言わなくても俺の目的の物を出してくれる。そのデータを見てあの場ではわからなかったこともわかった。


 まず二人が急に変身して山へと向かった時、その少し前に例の黒幕があの山に現れたようだ。遠すぎる上に反応も小さくジャミングもされていたので俺のセンサーだけでは転移に気付けなかった。


 だけど観測データ自体は捉えていたので後からあの場所のデータを詳しく調べれば確かに発見できた。これは少しまずい。どういうことかと言えば飛行機やミサイルを感知するレーダーがあったとしよう。そのレーダーに微生物の動きがどうだとかいうものは映らない。データ自体はあるので後でその微生物を見れる顕微鏡で調べればそこの微生物の動きもわかるが飛行機やミサイルを見張ってる者には微生物の動きまではわからないということだ。


 今の監視体制は大きな振動や転移を感知する監視体制になっている。大規模な侵略や宇宙船を発見するのが目的だと思ってもらえばいいだろう。現代で言えば敵国の戦闘機やミサイルを監視している防空網っていうことだな。


 だけどそれだと小さな異変はスルーしてしまう。防空網では鳥などはノイズとして処理したりそもそも小さい物はひっかからないようにしたりする。なぜならそんな小さな物まで全て反応してたら処理すべき情報が多すぎるからだ。


 俺達の監視網も同じ欠点を抱えている。大規模な宇宙船の艦隊行動や大軍を送り込む大型の転移には気を配っているけど自然にも発生するレベルの小さな時空震や空間のひずみまでは全てチェックしきれない。


 敵が狙ってやっているのかたまたま偶然かは知らないが黒幕は小さな存在が単独で動いているのでその小さな時空震は後でその場のデータを精査しないと気付けないレベルのものになっている。


 俺達が敵の動きを事前に察知したり現れた直後に察知したりするのは難しい。後で現場となった付近を調べてようやく気付くレベルだ。今のところあの二人の周りにしか現れないから後で調べて気付けるけどもしこの手で侵略を開始されたら今の状態の監視網じゃ後手後手にしか対応できない。


 少し説明が長くなったな。とにかく山に現れた黒幕はあのトラップを仕掛けたようだ。そこへあの二人が俺を連れて駆けつける。仕掛けておいたトラップが発動して俺達は結界に閉じ込められて戦いが始まる。


 最後にニゲル中将がいなくなって結界を解くと黒幕はまた小さな転移で帰っていったようだった。


デスフラッシュ「本格的にやばいな。小さい敵を察知する監視体制の構築を急がないといけない。」


キラーレディ「我々の力不足です。申し訳ありません。」


デスフラッシュ「いや。キラーレディはよくやってくれてるよ。まさかこんな小さな単独行動でこれほど梃子摺るとは想定外だった。これからの課題だな。」


キラーレディ「ありがとうございます。」


 自然発生するノイズは除けてジャミングしながら現れる黒幕だけを感知する方法を何とか開発しなければならない。家に帰ってからもそのことを考えていた俺は眠れない夜を過ごしたのだった。


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