『メインヒロイン三国志に完全勝利した澤村スペンサーUC 序』

 

 ――まず、はじめに言っておきたいことがあります。

 わたしは澤村さんが好きです。ほんとうに好き。絶対に愛してる。

 その上で本題に入らせて頂きます。


 

 どうして「澤村さん」こと、澤村・スペンサー・英梨々ンゴちゃんは

 みんなから「モブ」扱いされるのか…。



 ひどいと思います。これは、おかしい。



 冴えカノを読み返す度に、彼女の扱いに憤慨しました。そこで日曜のちょっと空いた時間に片手間に、かつ気分転換を兼ねて彼女の魅力をポジティブに伝えたい。3時間の10分の1時間の休み時間の合間を用いてキーボードを叩いているところです。


 それでは、英梨々ちゃんの魅力を語ります。



 ――彼女は『幼馴染』である。



 以上です。




 ――補足します。


『幼馴染』という存在は、ギャルゲーやラブコメディに限らず、マンガやアニメ、それから三次元のドラマや映画にも多用されてきました。フィクション、ノンフィクションの枠組みを超えた、非常に都合が良い便利な――あらゆるジャンルで『手堅い』とされる属性なのです。


 人間には、先的イメージというものがあります。それは『これはこういうものだろう』という根拠のない自信――共通認識です。


 この先的イメージは、各々の読者によって差異はありますが、しかし『幼馴染』という属性に関して言えば『イメージのブレ幅』が非常に少ないことが特徴として挙げられます。


 該当する異性のキャラクター二名。幼馴染の二人は『おたがいのことをよく知っている』というイメージを持ちます。これを『情報』として与えられた際に、人は『仲の良い二人ペア』を連想する場合が大半です。


 そして、このイメージの延長線にあるもの、二人が結びつくものとして『恋人』

 さらには『夫婦』が存在します。


 すなわち『幼馴染』という属性を与えられた彼女は『潜在的に強い。最強である』と言えるイメージを最初から持っているのです。負けるはずないでしょうが。金髪ツインテール幼馴染が、サブヒロインの座に甘んじているはずがない。繰り返します。


 

        

    『澤村・スペンサー・英梨々は、潜在的に強い。最強である』




 実家は資産家で大金持ち。裏表はあるけど表側の方はコミュ力が高く、少々プライドも高いところはあるけれど、謝る時は素直に「ごめんなさい」が言える良い子。


 さらにクリエとしての実力は確かであり、初期設定が限りなく『最強無敵』でありながら努力家でもあり、その実力を不動のものとして押し上げていきます。


 ハッキリ言いましょう。能力の成長率に関して言えば、彼女は霞ヶ丘詩羽パイセンの遥か彼方にあります。シミュレーションゲームで例えるなら、先輩はゲーム中盤までは役に立つけど、終盤で二軍入りにするか迷うなぁ…というキャラですが、英梨々ちゃんは終盤で必殺の一撃を連打し、敵の攻撃を神回避し、さらに装備できる武器も幅広く、攻撃範囲は1~10マスという時代に適した応用力があります。



 ――な、なんて強さなの…やはり金髪ツインテールは格が違ったわね…。



 私もうっかり失念していましたが、そういえば第一巻の表紙が英梨々ちゃんでした。気持ち顔を上げた表情で「この本を買う権利をあげてもいいわよ?」と購買意欲をそそる雌の表情をしていたことを思い出しました。


「っ!」

(言葉にならない驚きを示す便利な表現、っ!)


「っ!!」

(初心者から上級者まで安心してご利用いただける上、二つ並べると、段々ツインテールに見えてくるっ!!)




 『澤村・スペンサー・英梨々はっ!!

  潜在的に強いっ!! 強すぎ……っ!!

  最強っ!! 無敵っ!! 幼馴染……っ!! 』



 だがっ!!


 それでもっ!! ダメ押し……っ!!


 あえてっ!! 言いたい……っ!!



voice//

「澤村・スペンサー・英梨々はっ!! これだけ条件が揃ってて、ネタキャラにしない手はないだろ……っていう!! そういう……っ!! 神から与えられた才能を生かした……っ!! 圧倒的な出落ちの才能を持つ……っ!! 出落ちキャラだったの……っ!! 知ってるからっ!! もう放っておいてよバカぁ……っ!!」 


voice//

「っ!! 違う! そんなはずないって!! 金髪ツインテールが出落ちキャラになる時代が世に浸透するはずないだろっ!?」


voice//

「……グリ○イアの果実、み○る……っ!!」


voice//

「そうやって冗談にならない文言を拡散するのは絶対にやめような。けどいいぜ、証明してやるよ。幼馴染の存在は時にメインヒロインを凌駕するんだってことを。俺がおまえの『強さ』を広めてやる。だから立て、み○る。軍歌を謡えよ勇ましく」


voice//

「そうね――安芸倫也ダメ男がいなくなれば、今頃彼女は幸せになっていたかもしれないわ。だけど出会ってしまったの。一番たいせつな、まっすぐな感性が育つ時期に。それでも、人として、女として、クリエとしての成功は掴めたはず――彼に執着しなければ……ねぇ、どうしてこっちを振り返ってくれないの?」



BGM//

(テレレーテーレー)



voice//

「……この辺りでやめといた方が良いと思うなぁ」



 ――(次回予告!)


 澤村スペンサー☆英梨々ちゃんが

 メインヒロインになるにはどうしたらいいのか。


 おまえをメインヒロインにしてやるから、俺に地位と名誉と金と名声と取引先をわけてくれ!


 性転換した澤村さんのイケメンぢからが、マジでハンパない件について。



 ――以上の三本です。マグロ、ご期待ください。

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