第2話 魔族の異端児

ルシファーは、リリアナに話始めた。

「ボクは、高位魔族で有りながら、魔族の意向に逆らおうとしている。何故なら、人間も他の種族も魔族と共存出来ると考えている。」

リリアナは、感心した顔をする。

「私も、そう思うわ!」

「ありがとう。それで、ボクは、魔族を治める魔王グレイヴァースを倒す勇者を探している。」

少し、驚いた顔でリリアナが見つめる。

「えっ、伝説の勇者を?」

コクリと頷くルシファー。

「手始めに3つの防具と聖剣を探している。一つはこの森の奥の搭にある。」

「暗黒の搭のことね?」

ゆっくりと頷くルシファー。

「だが、その入り口には高位魔族が入れない、バリアが張られていて、搭の最上階には防具を守るモンスターがいる。」

「うん、大体聞いているわ。そのバリアは、いつも私が管理しているし。」

ん?と驚くルシファー。

「つまり、あの搭のバリアを解除できるのかな?」

「お安い御用よ。」

「おおっー、なんと言う奇遇!」

探していた人材が見つかるなんて!

っと心で思うルシファー。

「それなら、一緒に搭に行って欲しい!」

「ええ、いいわよ!勇者探しも手伝うわ!」

その言葉に、驚きながらも嬉しくなり、

ニコリと笑うルシファー。

「ありがとう!改めて宜しく!リリアナ!」

「こちらこそ!宜しく!」


闇の中でも一筋の光は必ずどこかにある。

それが遠く離れ、手が届きそうにない場所にあったとしても。

求め続け、探し続ければ必ず行き着くその場所に。

まだ、それが小さな光で消えそうだとしても、希望を、抱き続けるなら強く光輝く。

まだ、物語は始まったばかりだ。

その先にどんな苦難が待ち受けるとも、

知らず二人の希望が動き始めた。

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crimson rose 葉月ありす @alicehazuki

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