14. 忍び寄る脅威【2050年代半ば】
2056年5月、世界が驚く速報をCNNが全世界に向けて報道した。
「NATOは、ロシアに向けて東ヨーロッパに配備していた迎撃ミサイルシステムを廃止する――と、表明する予定です」
ニュースを耳にした誰もが、NATOの一方的譲歩とも受け取れる速報の信憑性を訝った。
全世界に速報が流れてから数週間の後、NATOとロシア連邦軍の将軍がドイツのベルリンで共同記者会見を開いた。
「アメリカ合衆国とロシア連邦は、新たな戦略核兵器制限条約を締結します。
互いに向け合った大陸間弾道ミサイルの目標地設定を解除し、その後も相互に且つ定期的に相手方の目標地設定状況を査察し合う取り決めに至りました。
この枠組みには、EUが保有している核兵器を含みません。アメリカ合衆国とロシア連邦の大陸間弾道ミサイルのみが対象です。
この合意を踏まえ、ロシア連邦からの大陸間弾道ミサイルに備えてNATO加盟国に配備していた迎撃ミサイルシステムは、存在意義を無くしますので廃止します」
当然ながら、駆け付けた記者団からは質問の挙手が一斉に挙がった。
「新たな戦略核兵器制限条約と言う事は、核弾頭の数も減らすのですか?」
「いいえ、弾頭数は削減しません。
ですが、目標地設定をクリアすると言う事は、改めて目標設定するまでは機能しないと言う事です。
その設定工期を踏まえた頻度で相互に査察します。相手方を信じられる状態に有るのと無いのとでは、軍事上の緊張度合が大きく違います。
不意打ちの可能性もほぼゼロとなりますので、突発的な軍事衝突が生じるリスクは大きく減ると言えるでしょう」
続く9月には、アメリカのロビンソン大統領とロシアのナボコフ大統領が、他の3カ国の首脳と共に、ニューヨークの国連ビルで共同記者会見を行った。国連総会の開会日前日の出来事である。
まずは、ロビンソン大統領が記者団に宣言する。
「アメリカ合衆国とロシア連邦、及びカナダ、フィンランド、デンマークの5カ国は、環北極海同盟の設立に合意致しました。
今後、各国は自国の議会での条約批准の手続きを進め、手続き完了の暁には、環北極海同盟を発足させます。
この同盟の設立目的は、北極海の警備活動を共同で行う事で軍事的緊張状態を回避するものです。
また、北極海を航行する船舶に対して通行税を共同徴収する税務当局の連携体制も構築し、その利権獲得を目的とした領土争いを未然に防止します。
北極海に眠る地下資源についても同様の取り組みを協議し始めます」
この時も記者団の質問は相次ぎ、質疑応答は20分余りも続いた。
奇妙な事に、記者団との質疑応答が打ち切られ、ロビンソン大統領以下4名の国家元首が記者会見場から立ち去る中、ロシアのナボコフ大統領だけが居残った。
笑顔で4人の退場を見送り、そして会場から4人が姿を消すと、記者団に向かい直した。
「もう1つ、重大な発表があります。ロシア連邦は上海協力機構からの脱退を決意致しました。
環北極海同盟が発足する状況を鑑みますに、上海協力機構にも加盟し続ける事は、軍事的緊張緩和に逆行すると判断致しました」
記者団は蜂の巣を
アメリカの科学誌は、人類初めての原爆が広島に投下された年から2年後の1947年から毎年、世界終末時計を公表してきた。
その科学誌は、軍事的脅威の薄まった此の年、午前零時8分前から10分前に分針を戻した。
ただ、
ロビンソン政権下での国家安全保障会議では、目下の国際情勢の変化について意見交換がなされた。
「これでロシアを中国寄りのスタンスから中立のスタンスまで引き戻す事が出来ました」
「中国は
「中国が悔しがっているのは確かでしょうが、原油と天然ガスを大量に購入している中国が、ロシアに睨みを利かせている状況は変わりません。
北極海の通行税なんて、原油の売上高に比べれば微々たるものです」
「そうであれば、こちらは迎撃ミサイルを手放すのだから、ロシアには核弾頭の削減をもっと迫っても良かったのではないかね?」
副大統領の指摘に国防長官が冷静に応じた。
「いいえ。それは欲張り過ぎと言うものです。
それに、今回の条約締結の目的はロシア弱体化ではありません。
寧ろ逆に、ロシアの通常兵力を西側の国境警備から南側の国境警備にシフトする余裕を生じさせ、中国侵攻に備えさせるのが目的です。核弾頭を削減しては、中国抑止力を削ぐ事になります」
国務長官が同調した。
「国防長官の言う通りだ。米ロ対中国の構図となる事で、核抑止力と言う観点では、これまで米ロ均衡の構図の中でキャスティングボードを握っていた中国が圧倒的に劣勢な状況に追い込まれる」
ロビンソン大統領が質問した。
「その中国だって黙っていないでしょう。中国の動きは?」
国家情報長官が答えた。
「大きく歯抜け状態となった上海協力機構を立て直す為に、アフガニスタンとパキスタン、バングラディッシュに加盟を打診しています。
周辺のイスラム3国が上海協力機構に加盟してしまいますと、インドは自分の将来について選択を迫られるでしょう。
インドも雪崩を打って上海協力機構に加盟するか。或いは、周辺イスラム諸国を警戒して軍備増強に走るか。どちらに傾くかは、未だ分かりませんが・・・・・・」
ロビンソン大統領が協議内容の結論を引き取った。
「分かりました。ロシア以外は、“未来”の歴史通りに動いていると言う事ね」
その上で、
「ところで、骨髄病対策は進んでいるの?」
2期8年に渡るロビンソン政権の実績は内政、外交ともに申し分なかった。しかしながら、2056年の大統領選挙では共和党に軍配が上がる事になる。
敵失とは言え政権に返り咲いた共和党に言わせれば、ロビンソン政権の成果の御膳立てをしたのは先代のヘンリー政権であり、自分達は政策執行者として復帰したに過ぎない――と言う思いが強かった。
よって、翌年1月の新政権幹部の顔触れを見た政権外部の人間は、異様な現象だ――と驚く事になる。
就任したアレキサンダー・マッケンジー大統領は、主だった閣僚をロビンソン政権から引き継いだのだ。
骨髄病の存在と“未来”の歴史を知る閣僚達にとって、大統領の所属政党が民主党か共和党かと言う違いは瑣末な問題に過ぎなかった。
一方、アメリカ国内の社会に目を転じると、2050年代の半ば、骨髄病を発症した患者が徐々に増えつつあった。
この段階では未だ、CDCはアメリカ医療業界に骨髄病の存在を公にはしていない。表面上の現実は、アメリカ全土の医療機関で呼吸困難を訴える原因不明の患者が続出している――と言うに過ぎない。
この事態に対してCDCが発した公式コメントは、原因を究明中であるが、残念ながら特定に至っていない。幸い対症療法として有効な薬剤を開発したので、当面はそれを投与して欲しい。根治療法とは言えないが、
CDCが推奨した薬剤とはウサギの血液である。ウサギの血液を供給し始めても、その正体を伏せる努力は続けられた。
具体的には、ウサギの屠殺業者から製薬会社にウサギの血液を搬入する際、その受入れ作業と品質検査作業をCDCから派遣された職員が監督した。
CDCの職員数にも限りがあるので、この薬剤を製造できる製薬メーカーの数を限る必要があった。メーカー数を限定する行為は情報秘匿の観点でも正しかった。
製薬メーカーの選定に当たっては、一時的に不協和音が生じたものの、政治献金の金額に応じて落ち着く処に落ち着いて行った。
選定された製薬メーカーは、飲料チューブにウサギの血液を詰めるだけではなく、その生臭さを緩和する為に様々な香料を加えて独自色を出そうと努めた。
香辛料がベースとなるが、キムチ風味、バーベキュー風味、タコス風味と様々な味覚の飲料チューブが世間に出回る事となり、製薬メーカーとしては異色の薬剤であった。
本来ならば食品メーカーの領域であったが、ウサギの血液と言う正体を秘匿する為にも、食品メーカーは蚊帳の外に置かれたのである。
とは言え、CDCの懸命な秘匿努力にも拘わらず、インターネット上には「ウサギの血液が原料ではないのか?」と言う怪情報が行き交った。
2057年も明けて早々の1月、アニー社は次なる新事業を発表した。
イレーネを冷凍睡眠カプセルに収容してからの2年間、アニー社はその経過を見守ると同時に、冷凍睡眠カプセルの製造工場と膨大な数に上るであろう冷凍睡眠カプセルを安置する保存施設の建設を進めていた。
製造工場の建設は、部品調達の容易さを重視して、アメリカ全土の複数個所で進んでいた。
保存施設の建設場所はアラスカ州アンカレッジに定められた。冷凍睡眠と言う性格を考えると極寒地が望ましいと言う単純明快な事実と、プラトッシュらが住んでいるジュノーとの近接性が考慮された。
アニー社の新事業発表会は、アンカレッジの中では最も設備の整った高層ホテルのホールで開催された。来賓としてロビンソン大統領が任期最後の仕事として駆け付けていた。
祝賀会の冒頭、盛大な拍手に背中を押されたロビンソン大統領が雛壇中央に進み出た。
「皆さん、有り難う。有り難う。
本日、アニー社の新事業を発表する運びとなり、大統領としても大変うれしい限りです。
詳しくは社長の挨拶に譲りますが、私から皆さんにお伝えしたい事は、この冷凍睡眠技術も軍事技術の民生転用政策の一環です。第2弾です。
この政策は共和党のマッケンジー政権となっても引き継がれるでしょう。
第3弾も進行中でありますが、国家秘密ゆえ、この場ではコメントを控えさせて頂きます」
抜け目なく自分の手柄を最後までアピールする大統領のスピーチに、記者団の間で軽い笑い声が細波のように広がった。
「また、アメリカ全土の均衡ある雇用創出にも努めて参りましたが、今回、目立った製造業やサービス産業の無かったアラスカ州に白羽の矢を立てました。私としても本当に嬉しい限りです」
地元記者を中心に歓声が湧いた。
「残念ながら、本日はホワイトハウスに戻らなければなりません。私の政策を次期大統領に引き継がねばなりませんから。
これで失礼しますが、4年後の大統領選挙では民主党候補をお願いしますよ」
登場の時と同じく盛大な拍手がロビンソン大統領を見送った。
替わって雛壇に登場したアニー社の社長が報道陣を前にしてマイクを握る。
巨大なスクリーンが小さなモーター音を鳴らしながら天井から降りてきた。ホールの照明が落ち、写真が写し出された。
いや、よく見るとリアル映像である。
「皆さん。これは冷凍睡眠カプセルの1号機です。カプセルの中では女性が眠っています」
映像がズームアップされた。
「イレーネ・サエス博士です。この冷凍睡眠技術を開発された方です。
彼女は自ら実験台として冷凍睡眠に志願しました。
本来ならば、此処でサエス博士に冷凍睡眠カプセルから起き上がって
サエス博士の御希望で、御自身は30年もの長期睡眠の被験者となっております。
しかしながら、開発者自ら被験者に立候補し、現に冷凍睡眠中だと言う事を憶えておいてください。それだけに、アニー社としては自信を以って世に送り出せる技術です」
プラトッシュとフェイの2人はタブレットで、祝賀会のリアル映像を見ていた。
――イレーネは志願したんじゃない・・・・・・。
2人とも心の中で反発しながら、無言で映像を見ていた。
この冷凍睡眠事業がターゲットとして想定していた市場は、大きく言うと、2つである。
1つ目は治療困難な難病患者。冷凍睡眠カプセルに入って医療技術の発展を待とうと言うニーズである。
もう1つは刑期が長期に渡る受刑者である。国家安全保障会議としては、2つ目のニーズを主軸に置いていた。
何故ならば、冷凍睡眠カプセルから蘇生する際の医療データを、重水治療の治験データに転用しようと言う思惑が有ったからである。
勿論、真相は受刑者に知らされない。受刑者の志願を募る為に、アメリカ政府は3つの約束を提示した。
冷凍睡眠カプセルに収容される期間は刑期の一部と見做す。そして、冷凍睡眠カプセルに収容される期間は刑期を上回らない。万一、刑期と同じ冷凍睡眠期間を設定したにも拘わらず、何らかの事故が発生しカプセルから蘇生させざるを得なかった場合、受刑者の刑期は完了したものと看做す。
つまり、受刑者にとっては、刑務所の中で老い朽ちる事なく、冷凍睡眠カプセルに入った年齢の儘で出所できると言うメリットがある。
懸賞クジに当たるような確率かもしれないが、事故でも起これば刑期を軽減されたのと同じ効果がある。そして、その事故の確率は黎明期の今が最も高いはずだ。志願するなら今だろう――と、全国の刑務所で志願者が殺到した。
アメリカ政府としての思惑は重水治療の治験データ収集にあるので、運用当初から刑期満了前に冷凍睡眠カプセルから蘇生させる受刑者を続出させるつもりだった。
それは犯罪者を再び野に放つに等しい。
アメリカ政府は、FBIのプロファイラーを総動員して、再犯の可能性が低い受刑者、更生の意思の強そうな受刑者を血眼になって選定していた。
一方、アメリカ政府はマスコミに対して、こう説明していた。
「刑務所に収容しておくよりも、冷凍睡眠カプセルに収容する方がコスト安である。
つまり、財政に余裕を生む事になる。浮いた財源は社会福祉に回す事が出来るのだ。
しかも、受刑者自らが志願している」
目線を庶民に合わせると、2057年6月、ヤン・カイコーの娘、ヤン・チーリンが30歳で結婚式を挙げていた。
お相手は大学時代の同級生だった。彼の名はクリス・ハドフィールド、アメリカ国籍の男性だ。
此処まで婚期が遅れた理由はクリスにあった。
在学中からNPO活動にのめり込み、通常の修学期間の倍の8年を掛けて卒業していた。卒業後も金儲けとは距離を置き、どちらかと言うと福祉関係の職種を転々としていた。
当然ながら、自分の家庭を養って行けるほどの貯蓄は無く、ヤン・カイコーは父親として徹頭徹尾、2人の結婚に反対していた。
ところが、父親譲りの娘の意思は強く、クリス以外の男性には目も呉れなかった。
ヤン・カイコーは、娘が無為に歳を取って行くよりは・・・・・・と、最後に折れた。クリスと結婚すれば、娘はアメリカ国籍を得る事にもなると、打算的な言い訳で自分を納得させた。
但し、クリスには条件を課した。安定した生活を送る見通しが無ければ娘を嫁には遣らぬ。ついては、自分の会社に入り、行く行くは跡目を継ぐのだ、と。
一方、母親のチン・メイリンは「クリスは優しい男性よ、結婚するなら優しい男性に限るわ」と自分の反省もあって、最初から娘を応援してきた。
ヤン・チーリンの結婚式は教会で慎ましやかに行われた。
ヤン・カイコーとしては盛大に祝宴会を開きたかったのだが、「私達の結婚式です」と主張する2人を前に矛を納めた。
結婚式には、親しい従業員家族と言う事で、リウ・ダーファと彼の両親も招待されていた。
リウ・ダーファは、この時14歳。幼子とは言えない年齢ではあったが、他に適齢期の子供も見当たらなかったので、ダーファがベールボーイを務め、チーリンのドレスの裾を持ち上げてレッドカーペットを歩いた。
この結婚式の半年後、リウ・ダーファと両親は労働ビザの期限切れを迎え、中国に帰国する事になった。12月、ダーファはタルヤを訪ね、別れの挨拶をした。
すっかり英語に慣れたダーファであったが、翌年6月に予定された中国の中学編入試験に備えて、現在は中国語の勉強中だった。
タルヤはダーファが帰国してからも学費を支援するつもりだった。
彼の母親にも寄宿舎付きの私立高校を探し始めるように伝えてある。そうすれば英語での授業も多いはずだ。ダーファの苦労も少しは軽減されるだろう。そう、タルヤは考えた。
「今日でダーファとも
「叔母さん。僕、手紙、書くからね」
「ええ、そうしてちょうだい。叔母さん、ダーファからの手紙を楽しみにしているわ」
ダーファは律義で素直な子だった。独りで寂しい生活をしているタルヤを心配して、月に1度以上は週末に会いに来ていた。
「叔母さんは中国に来ないの?
叔母さんは金持ちなんだし、叔母さんが飛行機に乗って中国に来れば、僕達、直接会えるじゃないか。
叔母さんが中国に来れば、僕が案内してあげるよ」
「そうねえ。そう出来れば良いのだけれど、お仕事が忙しいの。
お仕事が忙しいから、お金持ちなのよ」
タルヤは目を細めてダーファの頭を優しく撫でた。
成長期を迎えたダーファの身長は既にタルヤと同じ位にまで伸びている。タルヤは頭を撫でる行為がダーファの年齢に相応しくないのは承知していたが、そうせずにはいられなかった。
その後、タルヤはダーファとの文通を何年も続ける事になる。ダーファは中学を卒業し、私立高校に進学した。
その4、5年の間、骨髄病感染者の数が幾何級数的に増えるだけではなく、感染者の分布エリアも世界的な広がりを見せていた。
ダーファの家族のように5年間の労働ビザでアメリカに入国した人間は、中国を中心に世界中に散って行った。
また、ロビンソン政権は、5年間に限定した移民の受け入れを拡大すると同時に、不法移民の摘発にも力を入れていた。アメリカ国内に流入する不法移民の取り締まりは程々に、既に入国している不法移民の摘発と強制送還に力点を置いていた。
一見すると移民政策としては相矛盾する動きであったが、アメリカ政府の真の目的は、外国人を自国に呼び込んで骨髄病に感染させ、そして世界中に吐き出す事であった。
その観点では首尾一貫していた。民主党のロビンソン政権が共和党のマッケンジー政権に変わったとしても、移民政策は揺るがなかった。
中国と共にメキシコ等の南米諸国にも感染者は拡散した。そして、飛行機を使って往来するビジネス出張者や旅行者を通して、瞬く間に国家と言う枠を飛び越えて全世界の人間が感染し始めた。
感染が一度広がり始めると止めようがない。
まず娼婦を通じて拡大した。エイズと同じ展開だった。
骨髄病がエイズよりも厄介だったのは、熱帯・亜熱帯地域では蚊が媒介となって感染を広げた事である。マラリア病が蔓延している地域には骨髄病も蔓延した。
また、マラリア病が蔓延していなくても、上下水道のインフラが整っていない開発途上国は感染の餌食となった。
特異な事例としては日本が挙げられる。最初の感染者集団はビジネス或いは観光旅行で渡米した者だったと思われる。
先進国の日本で急速に感染が広がったのは日本特有の風習が原因である。風呂文化である。
家庭内で風呂に入るばかりでなく、レジャーとしても銭湯を楽しむ生活が、感染と言う観点では、上下水道の整っていない開発途上国と全く同じ条件を満たす事になる。
但し、この段階は感染の潜伏期間なので、世界中の人々はこれまでと変わらぬ日々を過ごしていた。アメリカと日本を除くと世界の発症例は殆ど無く、全ては水面下で進行して行った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます