#23 透花
中内との話を一旦中止して、透花は廊下で高野に報告していた。
「……ってことなの。どう?」
電話の向こうの高野は、しばらく沈黙していた。
透花の口から語られたのは、中内宗一の推測だった。それはこの事件の核心に迫っていると言えた。
『……なるほどな』
声は、静かで冷たい凶暴性を孕んでいた。
『今から言う場所に、中内を連れて来い。それと、その赤坂って教師と、本田ってのもだ』
チリチリとスピーカーが振動するようだった。今までにない感じがする。
「まさか、会うの?」
『ああ。事が事だ。一応、全員に話しつけとかないとな……たく、やってくれたよ』
そして高野は、吐き捨てる。
『全員、黙らせないといけないな』
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