第四話「コレカラ」
アルとナーシアは、西はカブラッカを目指し、未舗装の街道を歩いていた。
緩やかな曲線が連なる
「私、港町で生まれ育ったんです。思い出すなあ……」
景色を見ながらナーシアがそう言った時、アルはなんと言えばよいかわからなかった。ナーシアの少し間延びした、蜜めいた声からうかがわれたのは郷愁だけであったが、この「港町」はすでに滅ぼされているのだ。魔法使いによって。
しかも、その魔法使いは自分かもしれない――フォッツがもたらした、「魔法使いは裸らしい」という新情報は、ふたたびアルを疑心暗鬼に陥らせていた。昨夜目覚めた時、アルもまた、裸だったからだ――冬であるにもかかわらず。
だから、アルはどう反応すればよいものか悩んでいたが、そのうちに、
「……あっ、ごめんなさい。私……思い出の話なんてして……」
と、ナーシアのほうから、この話題を打ち切った。そしてバツが悪そうに、あっちを見たりこっちを見たりしながら、次の話題を探して「えっと……」と繰り返しはじめた。
アルは、ナーシアが記憶喪失のアルを気遣って思い出の話をやめたのだと知って、笑った。そして、不思議そうにするナーシアに、
「大丈夫だよ。それに思い出なら、ぼくにもあるさ」
と言った。
「えっ? 記憶が戻ったんですか!?」
「そうじゃなくって……きみと出会ってから、今までのことさ」
今度はナーシアが笑った。
「ちょっと、大袈裟じゃないですか?」
「そうかな……」
アルにとっては、大袈裟ではなく、この一日のこと――盗賊からナーシアを助けたこと、村に歓迎してもらったこと、騎士からナーシアに助けられたこと、魔獣から、ナーシアが村の女たちを、アルがナーシアを助けたこと――は思い出深いように思われたから、彼は気のない返事をしてしまった。
すると突然、目の前につるっとした指先が突きつけられたので、アルは思わずのけぞった。指先の主は当然ナーシアで、彼女は唇を尖らせながら、
「そうですよ。だって、これから毎日、一緒なんですよ? その調子じゃ、なんでも思い出になっちゃいますよ」
と言った。それから、指を引っ込めると、照れ隠しか、その指先で
その時、偶然にも、ほんの一瞬だけ雲に切れ目ができて、おぼめく光の柱が、
白い闇とでも形容すべき、自分の記憶。失われた過去。人生。自我。この一日で、あまりにも多くのことが起こったが、その一つとして、記憶を取り戻すきっかけにはならなかった。
しかし、もうそれでもいいかもしれない、と、この時のアルには思えたのだ。「これから」思い出が――記憶が、過去が、人生ができるのであれば。ナーシアと一緒の……
「……毎日、盗賊や騎士や魔獣に襲われるってことじゃないよね?」
「違いますよ! 幸せな毎日が待ってるってこと!」
ややあってから、くだらない返事をした時のアルの声は少し震えていたが、笑いながら断言するナーシアに、それに気が付いた様子はなかった。
アルはナーシアに感謝した。それと同時に、心が痛んだ。彼女を
「でも……無理かもしれない」
我知らず、足を止めて。
「えっ……どうしてですか?」
少し先に行ってしまったナーシアが、くるりと半回転してアルに向き直り、首を傾げる。黒い三つ編みが、服の裾が、風を
「それは……ぼくが、魔法使いかもしれないから……」
風すらも、息を呑んだかのようだった。まったき静寂と静止……
「……っ」
それは春の風のように吹きだした。
「あはははは!」
アルは顔をあげた。ナーシアが笑っている。
「な……」
「なにを言いだすかと思ったら、そんなことですか! ふふ……バカな人!」
なぜ、とアルが問う前に、ナーシアにからかうように言った。アルは言いようのない気持ちになって、声を荒げた。
「そんなことって……そんなことじゃないよ! きみだって、知ってるだろ!? ぼくは目が覚めた時、裸だったんだよ! 服なんて、どこにもなかった! あの盗賊たちだって……きみの故郷だって、もしかしたら、ぼくが……」
叫べば叫ぶほど、アルは自分が哀れに、惨めになっていく気がして――これまで、記憶喪失の皮をかぶって、ナーシアや、タンムースの村の人々を騙してきた気がして、いつのまにか、また地面を見おろしていた。
その地面の翳りが、濃くなった。次の瞬間、頬にあたたかく柔らかな感触を覚えるや、アルは前を向いていた。目の前には、ナーシアの顔……
「大丈夫です」
ナーシアは両手でアルの顔を包み込みながら、自信みなぎる、得意げな笑顔で言った。
「なにが……」
アルのしゃくりあげるような声は、ナーシアの声に抱かれる。
「アルさんは、魔法使いなんかじゃありません。私が保証します。だって、アルさんはとてもいい人で……狂ってなんかいないもの」
その声に宿るものが、
すると、ナーシアは微笑み、アルの頬を名残惜しげに撫でてから手を離し、
「ね? さあ、行きましょう?」
と言って、なにごともなかったかのように、彼の隣に並んだ。アルはしばし夢見心地でいたが、ナーシアが並んだまま、いつまで経っても歩きはじめないことに気が付くと、慌てて歩きだした。
足取りは軽かった。ナーシアが、アルの疑心という名の鬼を退治してくれたようだった。
「……そ、そういえば……どうして、あんなことを?」
しばらく無言で歩いてから、アルは話題を転じた。先程の話を続けてしまったら、自分がどうにかなってしまうような――きっと、いい意味ではあろうが――気がしたからだ。そこで、気になっていたことを聞いてみることにした。
「あんなことって?」
「魔獣を自分のほうに引きつけたじゃないか。おかげで、誰も死なずに済んだけれど……きみが殺されてしまうかと思って、気が気じゃあなかった」
ナーシアは、はっとしたように口に手のひらを当てた。そして、伏し目がちに、
「……ごめんなさい」
と呟いた。長い
「いや、その……ごめん、謝ってほしかったわけじゃあなくって……勿論、追及したいわけでもない! ただ、きみのことが知りたくって……」
アルは慌てふためき、両手を振り回しながら色々と口にしたが、言えば言うほど、底なし沼めいた深みにはまっていくような気がした。こういう時はどうすればよいのか? リンドなら、黙って抱きしめろ、とでも言うのだろうか?
「嫌なんです。誰かが、殺されるのも、死んでしまうのも……」
アルが、数少ない記憶の中のリンドから、ませた助言を授かっているあいだに、ナーシアがぽつりと言った。俯いたまま。
「それは……」
ナーシアはまたも、故郷の港町を滅ぼされた時のことを思い出しているに違いなかった。結局、話題はここに戻ってきてしまった。図らずも、アルが戻してしまったのだ。だから、アルは覚悟を決めて言った。
「……ぼくでよかったら、聞くよ」
ナーシアはかすかに頷くと、彼女らしくもない、ただ事実だけを客観的に述べようとするような無感情な声で、彼女らしくもなく、途切れ途切れに話しはじめた。
彼女の故郷は、島の東の海に面した港町で、島で最も栄えていた町の一つだったという。
漁業が盛んで、夜明け前に男たちは漁に出て魚を獲り、夜が明けると、女たちは新鮮な魚を隣村へ運び、物々交換に勤しんだそうだ。ナーシアもこれを手伝っていて、しかも得意であったから、タンムースの村でも物々交換の役目を担っているのだった。
ただし、この港町の繁栄を支えていたのは、漁業ではなかった。島の他の港町や、大陸との交易や貿易、そして、旅の出入口や中継地点としての、港湾の機能だった。だから、港町はいつも、島中の人々や島外の人々でごった返していたらしい。
その日は唐突に訪れた。
前後はよく憶えていない。ただ、ナーシアが気が付いた時、港町の家並みや、桟橋に整然と並んだ船は、海が赤く見えるほど燃え上がっていて、そこかしこに見るも無残な死体が転がっていたそうだ。もっとも、海が赤く見えたのは、炎のせいだけではなかったのかもしれない。海にも、死んだ魚みたいに、無数の人の死体がぷかぷかと浮かんでいたから。
そして、次に気が付いた時、彼女はタンムースの村のベッドの上にいた。村人たちによれば、彼女は街道上に行き倒れていたとのことだった。それ以来、故郷をなくした彼女は、村に恩返しをするために働き、村の一員として溶け込むまでになった……
ナーシアの話は、
だからアルは、ただ、隣を歩くナーシアの手を握った。ナーシアは一瞬、驚いたようにびくっとしたが、少ししてから、指先を絡め直すようにして、アルの手を握り返した。
そのまましばらく、二人は丘陵を這う蛇めいた街道を歩き続けた。やがて、
「あの丘を越えたら、カブラッカの村はもう、すぐです」
と言った。
果たして、丘を越えた頃、二人に見おろされたのは――雲は、この村よりいずるのか? 空がかくも赤いのは、この村を映してか? ――夕陽にあって尚赤い、黒煙を上げながら燃え盛るカブラッカの村だった。
「な……」
アルが、なんで、と言い終える前に、ナーシアは彼の手を振り解き、丘を駆け下りていた。アルはしばし呆然としていたが、すぐに彼女を追いはじめた。
☆
アルがナーシアに追いついたのは、カブラッカの村と村外を隔てる柵――踏み
そこからは、カブラッカの村を見渡すことができた。
まもなく、暖炉にかけられた鍋のスープの香りを含んだ煙を、細く立ち昇らせるはずであったであろう煙突は、すでにその役目を家そのものに譲っている。村中の家という家が燃え、想像するだに忌まわしい臭いをみなぎらせた煙を、戸口や窓から吐き出している。
村の向こうに望まれる麦畑は、涼風に揺れるはずであった
そして地べたには、イノシシみたいに解体された人間の肉塊が――あの盗賊たちの死体のような――馬糞さながらに散らばり、へばりついていた。
「一体……なにが……」
アルは、悪夢じみたくらめく惨状を前に、うめき声をあげた。そして、気が付いた。黙ったままのナーシアの視線の先に、炎を背にはべらせて立つ、黒々とした人馬の影のあることに。
「遅かったな、ナーシア……道草でも食っていたのか?」
人馬一体の影が口を利いた。その傍らには、歩き回る人影と、三頭の馬の影。うち一頭の背には、潰れようとも構わないとでも言わんばかりに、大量の荷が載せられている。
「そこな男――アルだったか――に押し倒されて……」
人馬一体の影が、アルの名を呼んだ。そのあいだも、歩き回る人影のほうは、せっせと
「あなたたち……」
ナーシアが、地の底の鳴動じみた低い声を漏らした時……
そして、アルははっきりと見た。グランディエの部下が、なにをしているのかを。
この背徳的な騎士は、露天の商品さながらに陳列された人間の死体を、肉や野菜を切り分けるかのように、剣で事務的に解体し、ばらばらにしているのだった。あの盗賊たちの死体のように。
「魔法使い……あなたたちが……?」
アルがそう呟くと、二人の流星騎士は顔を見合わせてから、全身が揺れるほどに、げらげらと笑った。ごうごうたる烈火のように。
「いかにも、我々が魔法使いだ……神妙にいたせ。されば、苦しまぬよう、一思いに殺してくれよう」
グランディエが言った。アルは反射的に、ナーシア――ずっと押し黙っている。その表情は、ヴェールめいた黒髪に隠れ、うかがえない――の前に立った。すると、二人の流星騎士は、またもや顔を見合わせて、げらげらと笑った。アルには、彼らを取り巻く炎もまた、観劇する人々じみて
「案ずるな、案ずるな」
グランディエが、見えざる聴衆を落ち着かせるように、おどけながら手を
「ナーシアは殺さぬゆえ……案ずるな」
アルの視界が傾く。体が倒れようとしているのだ。アルは、やむことのなく続く、熱い波紋の中心を見た。脇腹に、矢が深々と突き刺さっていた。視界の端に、炎上する家の一軒の陰で、新たな矢を弓に番える騎士の姿が――三人目の騎士の姿が映った。
「アルさん……?」
ナーシアの不思議そうな声を聞きながら、アルは倒れた。
「アルさん!? アルさん!」
たちまち、ナーシアの声は恐慌に塗り潰された。アルは、ナーシアの影が自分に落ちるのを感じながら、グランディエを
「な、なんで……こんなこと……みんな、あなたたちのことを……た、頼りになるって……不正や横領とも、無縁だって……」
すると、それまで愉快そうにしていた流星騎士たちは、一転して、ぞっとするような無表情になった。
「それがどうした? 名誉で
言うや、グランディエは翳した手を下ろした。さらなる射撃の合図だ。
アルはナーシアを突き飛ばそうとした。しかし、できなかった。
「やめて!」
ナーシアが、有無を言わさぬ力で、彼に覆いかぶさったからだ。グランディエが、ふたたび手のひらを翳すと、今にもアルを射たんとしていた流星騎士は弓を下ろした。アルはナーシアの体越しに、流星騎士たちがほくそ笑むのを見た。
一方、ナーシアはそんなことに気が付く余裕もない様子で、悲鳴をあげるように、
「殺さないで! お願い、手当てを……このままじゃ、死んでしまうわ!」
と懇願する。
「ダメだ……それ以上、言っちゃいけない……逃げるんだ、ナーシア……」
アルはそう言おうとしたが、言葉にならなかった。そして、ナーシアは「それ以上」を言った。
「私はどうなってもいいから……!」
「……その言葉が聞きたかった」
グランディエは、感極まったのか、排尿後みたいにぶるっと震えると、幼子をなだめるような声で言った。そして、馬の歩をしめやかに進めると、馬上からナーシアに手を差し伸べた。
「では、我々と共に来てもらおうか。ナーシア姫……されば、流星騎士の名誉に誓って、そやつを助けてくれよう」
ナーシアは濡れた
「……わかりました。でも、アルさんの手当てが先……あっ!?」
しかし、その構図は一分ともたず、略奪のそれに堕した。グランディエが馬上から身を乗り出し、ナーシアをさらって、ランスでも構えるかのように小脇に抱えたからである。そして、グランディエはアルを勝ち誇った目で見おろすと、無慈悲に命じた。
「殺せ!」
アルを射った騎士は、すでに弓を上げ、矢を番え、アルを狙い、引き絞っていた。ナーシアは目を見開き、グランディエと部下の騎士をかわるがわる見た。そして、喉よ裂けよとばかりに叫んだ。
「そんな!? 約束が違います!」
「違うものか。苦痛から助けてやろうというのよ」
「そんな……それでも……それでも騎士ですか!?」
「バカめ! 我々はもはや流星騎士ではない……誉れ高き流星騎士が、なんでかかる狼藉を働こうか? 我々は、魔法使いよ!」
アルは哄笑するグランディエと、アルから目を離さずに、なにごとか叫びながら、罠にかかった水鳥みたいに拘束から脱しようともがくナーシアを見上げていた。もはや、声は出ない。だからアルは、せめてナーシアへ手を伸ばそうとした。
しかしその直後、グランディエの陶酔も
ナーシア……ごめんよ……きみを守ると、言ったのに……
声のかわりに出たのは、ごぼごぼという、液体の泡立つ音だけだった。
アルの視界がぼやけはじめる。村を包む炎の輪郭が、さらに燃え広がるように、染料の水に溶けるがごとく滲み、視界を赤く侵していく。
「死体を解体せよ――」
「もう無理ですよ――剣が血と脂にまみれてしまって、使い物に――」
「――農民の分際でよくも肥えたもの――されば、そこな家に放り込め。家なき子には、破格の棺桶――」
「――仰せのままに――」
アルは、体が浮くような感覚を覚える。そして、落下するような感覚を。衝撃を。熱さを。飴みたいにとろけ、歪み、たわんだ視界に朱が差す。
赤い世界が、唐突に白くなった。奥行きも立体感もない、白い世界だ。盗賊たちに後頭部を殴られたあとに見た世界――虚ろですらない、白い夢と同じ……
かに思われた、その時だった。
なんの前触れもなく、夢が彩りと躍動感に溢れた。まるで、空白のページが続いていた本を惰性でめくり続けていたら、唐突に文章が途中から書かれはじめたかのように。そして、夢には実際に続きがあった。
アルは見た。陰鬱な森、ナーシアの怯えた顔、哀れな盗賊、
アルがこの一日弱で経験した出来事が、絵本をぱらぱらと高速でめくるかのように入れかわり立ちかわり映って、アルを
アルは、盗賊たちに後頭部を殴られ、昏倒した時に見たものと同種の現象だろう、と思った。そして、やはりこの現象を以ってしても、失われた記憶はうかがい知れないことを再確認した。
だが、今のアルにはどうでもよいことだった。
「大袈裟じゃあ、ない……」
目覚めた夜にナーシアと出会っていなかったら、自分はどうなっていただろう? アルは想像するだに、ぞっとする。記憶を失った彼が、良心や、思いやりや、義憤や、勇気を実感したのは――経験したのは、記憶しなおしたのは――自分を信じることができたのは。今の自分がいるのは、誰のおかげか?
「ナーシア……」
ナーシアは、あの忌まわしく恐ろしい流星騎士を前にして尚、アルを助けようとした。アルが、彼女を守る、と誓ったのに……
「ナーシア……!」
彼女は、「大切なものを失くした」と言っていた。今度は、彼女自身が失われるのか? またも、魔法使いによって。
「そうはさせない……!」
声が出た。グランディエに――魔法使いに抱えられたナーシアの虚像が、遠ざかるように薄れてゆく。
唐突に、アルは、暖炉の中みたいな場所に横たわっている自分を知覚した。すぐに、その場所が焼け落ちつつある家の中だと知った。
脇腹と背中から、焼けるような痛みが走ったような気がしたが、どうやら服に火が点いていて、実際に全身が焼けているようなので、気のせいかもしれなかった。
アルは指先を動かそうとした。動いたので、土を掴んだ。逆の手を動かそうとした。動いたので、その指先で土を掴んだ。
アルは、這いはじめた。ミミズのように。
遅い! もっと速く!
そう願った時、すでにアルは、赤ん坊みたいにはいはいをしていた。
もっとだ!
アルはよろよろと立ち上がった。脇腹と背中から焦げた矢を生やし、炎を服みたいにまとったまま。
そして、歩きだした。やがて、走りだした。
後ろで、彼を焼いていた家が崩れ落ち、平らになる。アルは
ただ、走る。月のない暗黒の丘陵にもはっきりと見いだされる、三騎の蹄の跡を、地獄の猟犬のように追う。文字どおりの火の玉と化し、焔を赤い尾のように引き連れて、闇に赤い残光を残し、走り続ける。
もっと速く。
そう願えば願うほど、足が速くなる気がした。いつしか、正面の景色以外は、引き伸ばされながら後ろへ流れていくようになった。アルは何度か、その景色に見覚えがあるような気がして、嫌な予感を
だが、気のせいではなかった。もはや、アルは自分を誤魔化すことはできなかった。
彼が小高い丘の頂に達した時、魔的な
あの
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