第13話 よみがえる記憶

碧海と初めて会ったのは、今から14年前、初めて碧海を見たとき思わず声をかけていた。

『おい、ちょっと上ってこい。工場のこと教えてやるから。』

と声をかけた。碧海はちょっと面食らった様子だったが、俺たちのいる中層に上がってきた。クレーンを動かしたり、現場でどんな作業をしているかを見せると、もともと大きい目をまーるくして作業を見ていた。


その日から、多分その頃から俺は碧海のことが気になっていたのかもしれない。その後何年かは俺は現場、碧海は、総務でそれぞれ別の部署で仕事をしていたし、会う機会も少なかったが、週に一度碧海が事務所のごみを片付けに来るときに俺はひそかに心躍る思いがしていた。(年甲斐もなく何を考えているんだ。)と自問自答したこともある。


数年後、俺は部長になり、前任者から仕事を引き継いだ。日に数回事務所にも顔を出すようになった。それで、碧海が思った以上に気が強いことを知った。目に余る行動と言動に一時は本社に行かせることも考えた。客とのトラブルもたびたびあり、何度か諭したこともあった。碧海にとって俺は煙たい存在だっただろう。でも俺は、碧海が首にならないように守ることに必死だった。心のどこかで碧海を失いたくないと思っていた。


それがここのところ、かなり丸く穏やかになってきた。黙っていればいい女、年甲斐もなく一時は惚れそうになった碧海。が本当にいい女になった。聡子が休んだ時に思い切って尋ねてみた。すると、

『いい年してもう肩肘張って仕事しなくてもいいんだなって思ったんです。部長のこと困らせないで仕事しよって。』

『若いときは、受付で電話番号もらったり、飲みに誘われたりそういうのがすごく煩わしくてトゲトゲしてました。でも、もうそんな必要ないですもんね。』

なんて可愛いこと言ってくれるんだ。俺はそんな碧海に徐々に惚れていったんだ。


聡子の送別会の日、宴は楽しく進んでいった。俺は碧海に自分の隣に座るように促し、聡子の目を盗んでボディタッチを繰り返し、碧海の様子をうかがった。聡子は家が心配だからと途中で帰ることになり、俺は碧海を連れて行きつけのスナックに行った。なじみのママに碧海を紹介し、碧海も終始ご機嫌で飲んでいた。

タクシーで送ろうと車に乗り込んだが、思い切って自分の思いをぶつけてみた。『今から二人きりになれるところに行かないか?』すると碧海は、『だまって部長の言うとおりにします。だまってどこまでもついていきます。』と言うと、うっとり惚れ惚れするような色っぽい顔をして瞳を閉じた。もちろん俺は黙って唇を重ねた。


ホテルについてからは、俺はこれでもかというくらい碧海を愛した。口づけをかわし、舌をも重ねあい、惚れ惚れするような碧海の裸体をなめまわすように、体中にkissし、乳首を吸い美唇も舌で愛撫した。すると、碧海は、愛蜜を流し俺の愛に答えてくれた。

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