第4話 颯私のこと愛してる?
颯と結婚して今年で9年、お互い再婚で。颯には前妻のところに子供が2人、私は翔を連れての再婚だ。その1年後に次男の翠が生まれ、4人で幸せいっぱいの家庭を築いている。そう、幸せな結婚生活なのに、私の心に隙間風が吹き始めていたのだ。夫の颯はどうも碧海のことを、愛する妻というよりは、子供たちの母親という目でしか見ていないようだ。
最近では、翠も小学生になり、ママっ子であることには変わりないが、徐々に手が離れてきた。最近では夫婦生活もめっきりなくなった私達、どうしても夫婦生活をしたいというわけでもないけど、二人きりの時間は二人でベタベタ仲良くしていたいと思うのはどうも私だけで、颯の態度はつれない。仲良くするだけがすべてではないとは思うが、ほんとに私のこと愛しているのかなぁと思う時がある。あんなに愛し合って結婚したはずなのになぁ。今ではただの同居人?お手伝いさん?家政婦?なんじゃないかって思う時もある。
そんなのイヤ! 久しぶりに新婚当時のうように、抱きついて甘えてみた。
『どうしたんだよ。』
『たまにはいいじゃない。ギュッてしてよ。』
優しく抱きしめて、キスしてくれた。けど、それどまり。私を感じて颯のむすこが元気になるわけでもない。
やっぱお互い様だけど、ドキドキしなくなってしまうものなのかな。簡単には最初のころには戻れないのね。
純粋に恋愛をしていたいのなら、結婚して生活を共にしたらダメなのかもしれない。
部長にも言われたことがある。
『だんなは、お前のこと女として見られなくなったんじゃないか?』って。部長も昔、奥さんを求めたら、奥さんに拒絶されてしまい、それから、女性として、奥さんを求めなくなってしまったんだとか?
久しぶりに、友人の奏と、飲み会&女子トーク。奏とは、高校からの友人で、たまたま近所に嫁いできたこともあり、いっそう仲良くなった。私にとって数少ない心を許せる友達の一人だ。
さっそく和のことを相談した。私はからかわれているのか?いい年して、こんな悩みどうなの?一切合切奏にぶちまけた。奏では私の話を黙って聞いてから一言。
『あーぁ、碧海がうらやましい。ドキドキとかもうないもんね。』って、
『この年で告られるとかもうないから。』って。
『ていうか、告られたわけじゃないって。』
『まあそうだけど、気のない相手にそんな歯の浮くようなセリフポンポン言うわけないじゃん。でも、オジサンだからって安心してても、碧海とやりたいって思ってるかもしれないから気を付けなよ。』
『そうだね。お宅のお義父さんみたいにね。でもそれはないと思うよ。そう思っているなら、この前酔いつぶれた時にやられてるって。』
『それもそうか。』私達は笑いながら、その後も女子トーク、ママトークを夜中まで楽しんだ。
やっぱ奏ではかけがえのない友達だなぁ。と心から思えた。こんな浮かれた話ほかの子なら呆れられてるとこだろう。
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