ノエシスとレイニー

作者 莉々

10

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★★★ Excellent!!!

最初に読んだとき、息が詰まった。
でも、もう一度頁をめくってしまった。それが、既に二、三度。
清流のように静かで美しい文章なのに、誰かを想う心の激しさが、純粋さが、痛いくらいに胸を刺す。なんて綺麗で、まっすぐで、絶望的に、人間らしい感情のふたりだろう。
硝子みたいな無機質さではなくて、氷みたいな冷たさではなくて、だから、宿すことができる水晶のナイフで、優しく心臓を抉られるようだと読む度に思ってしまう作品。

★★ Very Good!!

 機械仕掛けのノエシスと、人であるレイニー。
 壊れた白い都市の中で、たった2人だけの存在はお互いを求め合いながらも、大理石の壁に阻まれ触れ合うことができないでいた。
 ノエシスはレイニーのようになりたい。
 レイニーはノエシスのようになりたい。
 そうすれば、お互いをもっと知ることができるから。
 だが、2人はお互いに自分自身を捨てて欲しくないと相手に願っている。
 君は君のままでいいのだと伝えても、2人の思いは交わらない。
 本作は、そんな2人の切ない葛藤が短いながらも痛いほどに伝わってくる作品です。
 透明なディストピアが読みたい方に、是非とも本作をお勧めします。