ホープランド

作者 真白芽依

15

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★★★ Excellent!!!

人体に寄生する謎の花が蔓延し、赤い砂海が広がる近未来。船に乗って刀を振るい、血の代わりに花弁を散らすたくましい海賊たちと、二人の少女の冒険物語。
美しくも絶望的な世界観で描かれるSFファンタジーですが、残酷な現実に負けない意志と絆の強さに心を打たれました。
主人公たちの小さな希望が、いつか大地で花となって咲く日を信じて――。
(★三つでは足りない、素敵な作品でした)

★★★ Excellent!!!

 すみません。
 ここでは、作品のご紹介だけでなく原作者の星撫めれさまについても書かせていただきます。というのも、めれ様がとてつもない才能の持ち主ではないかと密かに思っているからです。
 これは自分の気のせいかも知れないし、ただ自分の感性が人とはズレているからそう思うのかもしれません。
 でも、めれ様の作品を初めて読んだとき、古典作品に触れたような衝撃を受けました。
 初めて読ませていただいた作品は、『都に霞むアムリタ』というSFファンタジーの長編小説でした。彼女は登場人物たちの心理描写のみで繊細で美しいファンタジーの世界を紡ぎあげていたのです。
 荒削りなのに独特のセンスがあり、宮澤賢治のような色彩のある美しい文章。架空の世界にも関わらず重みがあり胸に迫ってくる繊細な登場人物たちの心理描写。今まで読んだことのないユニークかつ魅力的な世界観。
 読み終わった瞬間、『これは何だ』と思いました。
 単純に上手いとも、誰の作品に似ているとも言えない次元の違う何かに触れたかのような感覚。今までたくさん上手い人のWEB小説を読んできましたが、それらが全て味気の無いものに感じられるほどの衝撃を受けました。
 何というか『これが才能というものなんだ』と漠然と思いました。言葉にできない衝撃というものを、古典作品以外の小説で感じたのは、生まれて初めての経験でした。
 本当に自分の世界というものをこの人は心の中に持っていて、それを100%形にできる力をきっと持っているんです。
 それを、才能と言わないで何と言ったらいいのか私はわかりません。
 本作『ホープランド』もそんな彼女の世界がたっぷりを味わえる名作です。ちょっとずつ読もうと思ったのですが、あまりの楽しさに明け方起きて一気に読了してしまいました。
 お陰で、その日は1日中寝不足。仕事に身が入らないという後遺症が見事に私を襲ったのです。
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