第4話②「背信の真実」

 森の傾斜を下って行ったハジメの視界に、やがて森へと入ってきた集団が見えてくる。草木を踏み分け進んでくる集団は、視線を右往左往させながら、ハジメたちを探している様子だった。

 その正体は勿論、玉鏡や美冬、そして玉鏡の傀儡である巨漢の泥人形たちである。

 そんな彼らに対して、ハジメは長剣を召喚すると、目を細めて殺気を飛ばす。自ら存在感を誇示した彼に、集団は敏く気づいて一斉に振り向いた。傾斜の上に立つハジメに気づくと、彼らは足を止め、その中から小柄な少女・美冬が進み出てくる。

 視線が合い、彼女は口角を持ち上げた。


「そこにいたのね。よくも自分からのうのうと出てこられたわね。逃げなかったことだけは褒めてあげる」


 そう言って嗤いながら、美冬はその手に銃を召喚し、構える。


「もっとも、遠くへ逃げようにも逃げられなかっただけかもしれないけれど。リリーを抱えての逃避は大変でしょうものね」

「……斬り合う前に、訊きたいことがある」


 相手との距離が充分離れているのを測ってから、ハジメはおもむろに口を開く。


「どうしてお前は彼女を、利理を裏切った? お前と彼女は相棒だったんだろう。それも、随分強い絆で結ばれた仲間だったようだが」


 表情こそ真顔だが、不審な心境でハジメが問うと、それに対して美冬はきょとんとした。目を丸め、口を僅かに開けた彼女だったが、やがてその問いの中身を吟味し、理解して、肩が揺れるほどの笑みをこぼす。


「仲間ぁ? それは、あの女から聞いたの?」

「……違うのか?」


 相手の反応をいささか不審に感じ取りながら、ハジメは目を細める。それに対して、美冬は肩を揺らしたまま嗤う。声はないが、その笑い方は大笑といってよい。続けて出た声にも、その気配が漂っていた。


「えぇ、全然違うわ。元々仲間だなんて私思ってないし。アイツは私の事を随分慕っていたかもしれないけれど、私はこれっぽちも、あの女のことを仲間だとか友人だとか思っていなかったわ」


 そのように、美冬はとても愉快そうな声色で語る。その声質・喋り方は、本人こそ楽しいのだろうが、他人が聞く分には聞くに堪えない、気分を悪くするような声と話し方だ。


「アイツは私に心開いていたみたいだけど、今思えば滑稽よねぇ。元々仲間じゃない人間に、あそこまで気を遣ったり回したりして。あ、やばい。思い出しただけで超ウケる」

「貴様の性格が最高に悪いということはよく分かった」


 長剣を握り直しながら、ハジメは内心げんなりとして眉根を寄せた。話を聞いていて、沈着な彼をもってしても、不愉快な気分になる言葉と話し方である。


「その様子だと、随分早い時期から、お前は彼女を裏切っていたようだな」

「裏切ってないわよ。最初から、私はあの女の味方じゃないんだもの。最初から、私はクローズ様たちの仲間だったからねぇ」

「……なるほど。始めから、咎人側のスパイだったと言うわけか」


 おおよその美冬の立場を、ハジメは敏く悟る。つまりは、彼女は利理とタッグを組んだ当初より、クローズや玉鏡と言った咎人と繋がっていたということだ。


「そうよ。私は、仲間を追う【魔法学団】の人間について目を光らせる監視役だったというわけ。利理みたいな咎人狩りが、仲間を狩ろうとどう動いているかを伝えるためのね」


 その話を信じるに、要するに美冬はクローズによって【魔法学団】に潜り込まされた手下だったということである。何故彼女がクローズの手下と分かるかというのは、彼女がクローズに対して敬称を使っている点から想像できることであった。

 ハジメが理解すると、美冬は頷く。


「そのことに、あの女は全く気がついていなかったようだけどね。私が襲われたり、捕まったりしたのは全部演技だったっていうことを勘付かないまま、思う通り動いてくれちゃって。とても騙しやすかったわぁ。素直で真面目で、本当に愚鈍。馬鹿正直でホント馬鹿、あーウケる」


 腹を抱えるようにして、彼女は嗤いをこぼす。相変わらず、見ていて下品な、不愉快な気にさせられる反応だ。


「そうか。もっとも、それらは全部不発に終わったわけだがな」


 美冬の態度にイラついたわけではないが、ハジメは嗤う彼女に対して冷たく言う。その言葉に、美冬の顔が僅かに固まる。


「結局二回とも、彼女を仕留めそこねたわけだ。お前も随分と無能だな。人を愚かだとか言える立場じゃないと思うぞ」

「……言ってくれるじゃないの、邪魔虫如きが。貴方がいなければ、あの女を二度は殺せていたわ」


 笑みを消した美冬は、そう言って奥歯を噛み合わせて軋ませる。一目見るだけならばかわいらしいといえるだろう彼女の顔が、それによって凶悪に歪む。

 そんな変貌を目の当たりにし、しかしハジメは気にすることなく、鼻を鳴らして目を薄める。


「そう言うところを無能というんだ。想定外の状況を予想できていなかった時点でな」

「……ならば、貴方も無能ね。私が敵だと気付かずに、リリーへ私を近づけたのだから」


 冷徹なハジメの言い分へのお返しとばかりに、美冬は気を取り直して嗤う。そこには当然、嘲りが込められている。


「まぁ、貴方がそうしてくれなければ今の状況はなかったわけだけど。真実を知った時のあの女の顔にはホント受けたわ」

「確かに、お前を近づけたのは俺のミスだな。が、あそこで仕留め損ねるとはお前も三流だな。そう言うところで詰めが甘い」

「やかましいわね。少し黙っていなさい」


 減らず口を叩くハジメに、美冬は憤激するように目を三角にする。分かりやすい短気に、ハジメは内心呆れていた。

 そんな彼の心中を知らずに、美冬は続ける。


「そもそも、私がなんであの女を殺そうとしたか、貴方は気が付いている? 私がただ単に、咎人の仲間だという理由でアイツを殺そうとしただけだと思っているんじゃない?」

「違うのか。そうなると、可能性は絞られてくるが……」


 最初、というより今も、美冬が利理を攻撃した理由は、彼女がクローズたちの仲間だからだと思っていたが、彼女の言い方を聞くと、どうやらそう単純な理由ではないらしい。

 それでは何故か、と考えたところで、ハジメは素早く頭を回転させ、ある一つの可能性に辿りつく。


「よもや貴様も、キリング・パーティーの参加者だとでもいうのか?」

「憎たらしいけど……正解よ。私も、キリング・パーティーの参加者の一人というわけ」


 ハジメの回答にイラつきながらも、美冬はそう言って懐からあるものを取り出す。黒い封筒だ。それは以前に呂馬が提示した、ハジメも所有している封筒で、中にはキリング・パーティーへの参加要項が書かれた用紙が入っているものだ。

 そして、彼女が取りだしたそれは、よく見ると二通あった。

 そのことを、ハジメは不審に思うが、やがて彼はあることを思い出す。それは、キリング・パーティーの参加者の一人であるはずの利理が、当初その事を知らなかったこと、その招待状を貰っていないと証言していたことだ。


「まさか、利理がキリング・パーティーの存在を知らなかったのは――」

「あらまぁ――随分と勘付くのが早いじゃない。そうよ、アイツ宛ての招待状は、アイツが見る前に事前に私が回収しておいたの。だから、あの女は貴方と会うまでキリング・パーティーのキの字も知らなかった」


 そう真実を語りながら、美冬は肩を揺らす。その顔は、凶悪に歪んでいた。


「当初の計画では、あの女はキリング・パーティーの存在を知らぬ間に、私の仲間によって殺される予定だった。それが貴方によって阻止されてしまった後は、今度は玉鏡さんにより殺す手筈に変更したわ。けど、それも今失敗して、仕方なく私が自らの手で仕留めることにしたわけよ。元相棒として、その絶望に歪んだ顔に無様なとどめを刺すべくね」


 侮蔑も含んだ口調で美冬が嗤うと、それを不愉快に覚えながらハジメは頬を歪める。

 同時に、彼は彼女に悟られぬように、眼球だけ動かして周囲に目を馳せた。彼女との話に半ば集中していたため気づくのに遅れていたあることがある。それは、彼女の背後にいる巨漢の群れの一部が姿を消し、同時にそれを操っている筈の玉鏡の姿がいなくなっていることだ。

 そのことを不審に思うよりも早く、彼は時同じくして自分の背後へ密かに回り込もうとしている存在を敏く感じ取る。

 それへの察知を顔には出さないハジメに、美冬は気づくことなく続けて言う。


「あの女は結局私の事を何も分かっていなかった。いつもは友人っぽく振舞ってあげたけど、本心では早く殺したくてたまらなかったわ。あの女は何もかも不愉快だった。その我慢も今日で終わり。そう思うとせいせいするわ」

「どこが気にいらなかったんだ?」

「全部よ。あの女が咎人狩りに懸けている思いやら考えやら、魔術師のあり方についての思想・観念などを含めて全部! いかにも綺麗ごとが好きで、自分のしていることが正しいと信じて疑わない、純真さを取り繕ったその言動のすべてが気に食わなかった」


 唾棄するような勢いで、美冬はそのように利理についての所感を述べる。その形相を見据え、ハジメがやがて目を伏せて鼻を鳴らした。


「確かに、彼女はお前とは合わなそうだな」

「……えぇそうよ。貴方もよく分かっているじゃない」

「あぁ。彼女のような真っ直ぐな人間は、俺やお前のような外道とは考えが合わないからな」


 頷きながら、ハジメはそう断言する。その言葉に、またも美冬の顔は強張った。


「特に、貴様みたいな性根からひん曲がったあばずれとは特にな。彼女は、考え方や信念が真っ直ぐすぎる。柔軟性はまだ欠けていて、しかしそれゆえに一種の美しさを保っている」


 顔を上げると、ハジメは美冬を見下ろしながら凝視し、言葉を紡ぐ。そこには、隠すことのない侮蔑の意思が込められていた。


「その清廉さと、貴様のような汚れきった汚物は確かに相容れない。お前は彼女の眩しさに僻んでいるだけだ。自分にはないその潔白・清廉さに難癖をつけ、貶めようとしているだけに過ぎない」

「……黙れ」

「俺も充分汚れた人間だからからな、分かる。あれの考え方は眩しくて美しさがある。俺たちのような泥にまみれた人間たちにはないものだ。それを、お前は憧憬し、羨望し、それを歪めて考えて貶そうとしているだけだ。ただの僻事ひがごとだ」

「黙れと言っている!」


 利理の美点を讃えて美冬の浅はかさを侮辱するハジメに、美冬は怒号を放つ。その肩は、先ほどまでは嗤いで揺れていたが、今度は怒りで震えている。


「私があの女を僻んでいるだけ? ふざけたことをぬかすな!」

「怒鳴らなければならないのは、それを事実だとある程度自覚しているからだな」

「違う! あの女は所詮、私の食糧に過ぎない矮小な人間よ!」


 憤激の中で、美冬は利理の存在を貶めるような言葉をなおも言い放つ。

 人によっては聞き捨てならないだろうその台詞を、ハジメは平然と受け流しつつ、周囲の様子を探る。気づけば、自分の横手に回り込んでいた存在は、自分の背後を取っていた。


「あの女は私のような強者に喰われるだけのちっぽけな存在なのよ! それ以上の存在意義はない、どうしようもない人物に違いない!」

「なら、もう少し落ち着いていったらどうだ。叫ばなければならないのは、そう言わないと不安だからだろう?」


 呆れるような、しかしどこか煽るような声でハジメは言う。そう言いながら、彼は背後に意識を向ける。そこからは、徐々にこちらへ迫る気配を感じ取れた。

 そろそろか――そう思いながら、ハジメは剣の刃の向きを微調整する。そんな中で、美冬の怒号は続く。


「やかましいわ。これから殺される貴方の言葉も同様にちっぽけなものよ! それ以上何と言ったところで――」

「ならもっと泰然としていろ。あまり大声で喚くな。小物にしか見えないぞ。それと――」


 相手の言葉を遮って言い、ハジメは足裏に力を込める。柔らかな土砂に足が食い込む中、彼は重心を僅かに後ろへずらす。

 そして、言う。


「時間稼ぎは済んだのだろう。早く襲い掛からせたらどうだ?」


 嘲るように言ってから、ハジメは後方へ跳んだ。

 いきなり後ろへ飛んだ彼に、背後から距離を縮めていた相手は驚いたようだ。慌てて武器を持ち上げようとする相手に対し、ハジメは振り向きざま長剣を縦に振るう。斬撃は、そちらから迫って木の裏から顔を出していた巨漢の一人の面を引き裂いて一気に下へ駆け抜けた。顔面を斬って落とされ、そいつは地面に叩きつけられる。


 先頭の一人が斬って落とされると、それが合図になり、ハジメの背後に回り込んでいた巨漢たちは一斉に木の陰から顔を出した。手は鈍器の得物を持った彼らは、跳躍してくるハジメに対して続々とそれを構えて迫ってくる。

 それらに対し、ハジメは斬撃を持って迎え入れる。

 木の陰から飛び出してきた巨漢たちへ、ハジメは横に立て続けに剣を薙ぐ。巨体たちの側を駆け抜けながら、時に殴打を躱しながら薙ぎ払われる斬撃によって、泥人形たちの間からは血飛沫が弾け飛ぶ。巨体の腹部・脇腹を中心に薙ぎ払われたハジメの斬撃によって、攻撃を躱された巨漢たちは続々と地面に倒されていった。


 暗闇の中、森の枝葉が月光すら遮る暗さの中で、ひた走る紅刃は次から次に巨体を葬る。

 背後からの強襲に失敗した巨漢たちの間をハジメは斬り進むが、そんな中で不意に、銃声が響いた。傾斜の下から響いたそれに、ハジメは巨漢たちの間を抜けるのを中断して振り返り、即座に剣を振るう。その瞬間、彼に向かって飛んできた霊弾のいくつかが、彼の長剣によって弾き落とされる。弾丸はいくつも弾かれ、しかし残るいくつかは剣の軌道を外れてハジメへと押し寄せた。それを、ハジメは素早く身を捌いて躱し、自分の代わりに背後の木々を犠牲にさせる。

 霊弾を打ち払いつつ躱すハジメに、銃撃の主である美冬は口元に禍々しい笑みを浮かべて言う。


「ははっ、知っているわよ! アンタ、クローズ様との戦闘でかなりの傷を負ったんでしょう? 余裕ぶっこいているけど、本当は今にも倒れそうなんじゃないの!」


 美冬はそのような挑発にも似た言葉を言いながら、引き続き銃弾をハジメに向けて発射する。

 それは、決して的外れな言葉ではない。もしもハジメが全快であったなら、彼は利理を連れてもっと遠くまで逃げおおせていた筈だ。クローズから受けた傷は利理によってだいぶ治してもらったものの、まだダメージは身体を蝕んでいる状態である。彼自身の見立てでは、ハジメは全快時の七・八割程度しか力を発揮できていなかった。

 そのことを知っているのか、あるいは邪推しているのか、美冬は優位に立った目線で声を張る。


「せいぜい足掻きなさい! 私に舐めた口を利いたことを今から後悔させてあげる!」

「舐めたつもりは更々ないな」


 美冬が発射してくる霊弾を弾き躱しつつ、ハジメは静かな声色で言う。


「ただ事実を指摘しただけだ。お前が目を背けたいだろう現実を、俺は話しただけだが?」

「生意気を!」


 静かな挑発に、美冬は過敏に応じて銃を連射する。その弾丸を躱しながら時に剣で打ち落としつつ、ハジメは背後にも気を向ける。そちらからは、また新たな巨漢が襲い掛かってくるところだった。

 振り下ろされる鈍器の打撃を躱すと、彼は横に捌いた身を立て直しつつ、長剣を走らせる。斜めに空を切った斬撃は、その途上で巨漢の身体もあっさりと引き裂く。切れ味抜群の斬撃によって胴部を裂かれたそいつは、上体を前のめりに滑らせて地面に落とし、下半身をふらつかせてやがて転倒する。

 それを尻目に、ハジメは後ろに再び振り返る。傾斜の下から押し寄せてくる霊弾の弾幕を、彼は弾き躱すと、木の裏に身を隠す。


「しぶといわねぇ。とっととくたばれ、害虫が!」


 樹木の背後に隠れたハジメを、美冬は木ごと穿つように銃を連射する。霊弾が木の幹に当たって風穴を開けようとする中、ハジメはその木の裏から手前の木々へと移動を開始する。初めその動きを不審に思った美冬だったが、徐々に彼が近づいてきているのに気付いてはっとする。

 その直後、ハジメは木々の裏から飛び出して斜面を一気に駆けおりる。狙いは、美冬だ。彼は木の陰から一直線に美冬へ近づくと、その間合いに入る直前で剣を振り上げる。そのままの勢いで斬りかかる彼に、美冬は舌打ち混じりに後退、そして同時に、自分の近くにいた巨漢を前進させる。

 結果、ハジメが切り裂いたのは美冬ではなく巨漢の一人であった。面から腹部までをばっさりと裂かれたそいつは血飛沫をあげながら二つに割れ、左右に分かれながら地面に叩きつけられる。


 巨漢の一人を身代わりにした美冬は、そのまま一気に傾斜を下って距離を取る。そんな彼女を、ハジメは追わずに、剣に付いた血糊を横に払いながら彼女を見下ろした。


「俺が害虫なら、お前は何だ? ただの操り人形に過ぎないだろう癖に粋がるな」

「操り人形? 私が?」


 視線を下ろしながら言ったハジメの言葉に、距離を充分にとった所で美冬は足を止め、ハジメに対して鼻で笑う。


「一体何の話よ? 私は、誰のものでもないわ」

「いいや。お前はクローズの下にいる人間なんだろう。奴を様づけで呼んでいるから分かる」


 紅刃の剣から血を滴り落としつつ、ハジメは美冬をじっと見る。周りから近寄ってくる巨漢たちに無警戒なわけではないが、随分泰然としていた。

 そして、彼は美冬に対して淡々と告げる。


「アイツとの間柄を知っている訳ではないが、けれど結局は奴の言われるままに動いているんだろう? お前の存在はせいぜい奴の傀儡だ。奴の思う通りにしか動けないのだから、ここらの人形と変わらないといっても差異はないだろ。木偶の棒が」

「っ! 言ってくれるじゃない!」


 ハジメの静謐な侮蔑に、美冬は顔を朱に染めながら銃撃を繰り出す。それに対し、ハジメは真正面から彼女へ斬り込んでいった。次々と迫る弾丸に対し、彼は回避と迎撃を繰り返しながら、一気に彼女の許へ斬り込んだ。距離を縮めたハジメは、今度こそ美冬を仕留めるべく斬撃を振るう。

 が、手応えはない。

 空振りに終わった斬撃の後、ハジメが前を見ると、そこでは美冬が、巨漢の一人に抱えられた状態で距離を置くところだった。

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