交錯する運命。
大海に浮かぶ自然に恵まれた楽園。
ここは三人の女神が住まわれるというエリス.シオン島。
この島は今、戦乱のない穏やかな時期を謳歌していた。
島の中央に聳える最高峰はドラン連山。
その裾に広がる森には妖精が住むと言われる霧の
霧の森に住むと伝えられる妖精美女のリョースアルヴァー。
その噂を新しく国の
彼は側近の銀弓少女アルテミウスと、わずかな供を従え華美な装飾の馬車を走らせていた。
馬車の中で護衛隊長の任に就いている銀弓少女アルテミウスにサー王が宝物箱を開きながら言 葉を洩らした。
『アル.テミウスよ、霧の森の美女……早く会い たいのう~♪』
『これほどの宝物を用意したのじゃ、余の求愛を 二つ返事で必ず受け入れるにちがいないのう~♪』
『そなたも、そうは思わぬか……ウヒャャャヒ ヤ……』
馬車の窓から不審な動きに警戒を怠らない銀弓少女アル.テミウス。
その時アルテミウスが慕兄アンスウェラから借り受けた盾【叫びのオハン】が声を上げた。
(((左後ろから敵の騎士が近付いてくるぞーーー!!)))
森を貫く馬車道以外は鬱蒼とした木々に視界が
アルテミウスは馬車から半分身を乗り出し耳を澄ました。
パカッ.パカッ.パカッ))))
微かに聞こえる馬の蹄の音。
サーラミス王は叫びのオハンの警告に動揺し体を震 わせ大きな声で叫んだ。
『ア、ア、アル.テミウスよ……』
『は、早く、余の命を狙う恐ろしき敵の騎士を 、そちの銀弓で 射止めよ!』
銀弓少女アルテミウスは眼を瞑り心眼で音の方に体を向けて満月のように弓をしならせ銀弓(鎧通し)を射 放った。
ビューーーーーーッ》》》》》
銀の矢は視界から消え鬱蒼とした森の中へと消えた……
やがて蹄の音が止み、王は安堵の声を上げた。
『アル.テミウスよ!、そちは本当に頼りにな るのう。』
落ち着きを取り戻したサーラミス王。
何事もなかったかのように王の馬車一行は霧の
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます