3-11 縮潰

 次の瞬間、そのまた次の瞬間、瞬間、瞬間、瞬間が矢継ぎ早にあたしを襲い、世界がいくつにも変転し、あたしと天使が分離する。

 あたしがまだ経験もしていない無数の記憶が、あたしの中に注入される。

 あたしは次、どの世界に跳ばされるのだろう?

 そのとき、あたしはまだ、あたしでいられるのだろうか?

 あたしが、あたしであると、あたしに、わかることが出来るのか?

 すべてを無くした酔いどれ女。

 手術跡を縫合され、あたしは真っ昼間で看護婦のいない病室の天上に向かい、罵り続ける。(第三章/了)


【参考サイト】

 ことば変換『もんじろう』http://monjiro.net/

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る