第三十幕「神の喚び声」


 銃を持った仮面の男たちに周りを固められながら、二人は通路を進む。集団の先頭を歩くトラヴィスは、なぜだか上機嫌な様子で、しきりと二人に話しかけてきた。


「てっきり聖堂騎士でも踏み込んできたのかと思いましたが」


 値踏みをするように二人を見回し、彼はにこやかに笑みを浮かべた。まるで、商談をする時と同じである。


「いやはや、よもやあなた方が生き残っていて、さらにこんなところまで忍び込んでこようとは。荒野のど真ん中で、馬も潰したとお聞きしていましたが」

「あいにくと、賞金稼ぎなんてしぶといものだと相場が決まっていてね」

「あなた方は思っていたよりも優秀だったようだ。素直に感服したしますよ」


 本人としては純粋に褒めているつもりなのだろう。しかし内容が皮肉に過ぎている。ヴィンセントは努めて怒りを無視して押し黙った。無駄な会話に付き合うよりも、じっと脱出の機会をうかがうことにしたのである。


「しかしながら人様の商売の秘密を探るのは、感心いたしませんな。誰しも秘密はあるものですよ」

「人造生命を作ることがか? お前のそれは商売ではないだろう、錬金術師殿」


 意外にも、応じたのはアレクサンドラであった。トラヴィスはちらと彼女を見やると、一人で納得を得て頷いている。


「なるほど、そういえばあなたも詠術師ウィザードでしたな。錬金術にまで通じておられるとは、博識でいらっしゃる。その実力、以前ならばとするにやぶさかではありませんでしたが、今は別に不足はしておりませんからな。残念なことです」

「素材……素材ね。不足がないのならば、なぜエリザベスイライザを狙った?」

「ちょうどよかったからですよ」


 ことここに至って、トラヴィスにはエリザベスを攫ったことを隠すつもりが、まったくないようだった。

 ヴィンセントの表情が険しくなり、今にも暴れ出しそうになっている。周囲に銃を構えた男たちがいなければ、すでに爆発していたことだろう。


 そうして歩いている間に、周囲の雰囲気が変わり始めた。

 これまでも洞窟の中にはわずかに熱気が漂っていたものだが、それが一層強くなってきたのである。通路の先から熱風が吹き込んでくるようだった。

 顔をしかめるヴィンセントとアレクサンドラに対し、トラヴィスは涼し気な様子である。周囲の仮面の男たちには、そもそも表情がない。


「この新大陸にあり、実力のある詠術師というのは、大概が旧大陸から流れてきた貴族崩れでしてな。彼らは実力こそ高いものの、どうにも年老いていていけない。そこにきて活きの良い、若い詠術師というのは貴重です。探し求めていたのですよ。あなたがたとの出会いは、まさに僥倖でございました」


 その時、ヴィンセントが強く歯を食いしばったのを、アレクサンドラは聞き逃さなかった。

 彼が仕事を受けたことにより、妹を危険にさらしてしまったのである。賞金稼ぎに危険はつきものだが、これは意味合いが異なっていた。彼は地の底から響いてきたような声で、問いかける。


「貴様、エリザベスをどうした。今どこにいる」

「そう焦らず、もう少しお待ちください。せっかくなので皆様にもお見せしたいものがありましてな」


 彼の怒りを毛ほども気にかけず。一行は、ついに通路の終わりまでたどり着いた。


「くっ……!?」


 吹き込んでくる熱風が、一段と強まった。頼りない明かりに慣れた目に、眩しいほどの光が飛び込んでくる。二人はしばらく目を庇っていたが、慣れだしたところで眼前の光景に驚愕を抱いていた。


「ここは、火山の中心なのか」


 山の内部とは思えないほどに開けた空間であった。底のほうには赤々と輝く溶岩が煮え立ちながら流れ、周囲に猛烈な熱を放っている。いるだけで火がつきそうなほどの熱気だ。

 自然が生み出した威容が、彼らを圧倒する。だが、真に驚くべきはそこではなかった。


「なんだ、あれは……」


 ヴィンセントが、震えながら広場の中央にある物体を指さす。隣では、アレクサンドラすら言葉を失っていた。


 溶岩の海の上に、巨大な球状の物体が鎮座している。

 それは、まるででたらめにこねくり回した挽肉を、不器用に固めて膨らませたかのような、悍ましい肉の塊であった。溶岩の照り返しだけではない、確かに肉の色をした塊が不規則に律動している。

 さらに狂気じみたことに、よく見ればその表面はなめらかではなかった。いたるところから小さな瘤のようなものが突き出ている。

 それが何なのかに気づいて、豪胆な賞金稼ぎたちさえも心底からの恐怖を覚えた。


 肉塊の表面にある瘤の正体。それは、であった。


 波打つ肉の上に、人間の頭部を無数に生やした物体。正気を削るような冒涜的な代物が、溶岩を吸い上げながら佇んでいたのである。


 絶句する賞金稼ぎたちの前で、トラヴィスだけが恍惚とした表情で肉塊を眺めていた。彼は最愛の家族を紹介するかのように、肉塊へと両手を広げて言った。


「いかがでしょうか。これこそが数多の詠術士を素材として生み出した、私の最高傑作……『神の頭脳』でございます。どうです、素晴らしいものでしょう?」


 完全に理解の範疇を超えた状況を前にして、二人はいまだ立ち直れないでいた。

 震え出した己の身を叱咤し、確固たる意志の欠片をかき集めて芯とする。狂った老人を睨みつけ、アレクサンドラが吼えた。


「狂っている。狂っているよ、貴様は。もとより禁術たる生命創造に挑むなど、まともではないと思っていたが……これほどとは!」

「生命創造? まさかあなたは、私がその程度で満足しているとお思いですかな」


 意外なことに、トラヴィスは眉をしかめて振り返った。

 アレクサンドラはそれを睨み返しながら、先ほどの台詞の意味について思考を走らせる。生命創造の先にあるものとは、いったい何のか。

 彼女が答えにたどり着く前に、トラヴィスは周囲にいる仮面の男たちを指さした。


「そもそも生命の創造など、私にとっては通過点に過ぎないのです。皆様の周りにいる男たち……これらは全て、私の作った人造生命ホムンクルスなのですから」


 アレクサンドラは、驚きよりも先に奇妙な納得を覚えていた。

 頭部のない人間など、この世には存在しえない。やはりこいつらは不自然に生み出されたものだったのだ、と。


「成し遂げてみれば、つまらない技でしかありません。私はもっと大いなるものを生み出したかったのです」

「それが……そこの、悪趣味な頭部の塊なのか。こんなことのために、詠術士を殺して回っていたのか!!」

「ふうむ。むしろ、ここに頭部を使われるのは、詠術士たちにとって名誉だと考えています」

「なに……!?」


 話がかみ合わない。もはやこれは、常人とはまったく異なる思考をもって動いている。彼女はこの時点で、完全に理解を諦めた。


「そこでヴィンセント様。あなたの妹御には、最後の鍵となっていただきます」


 仮面の男たちが運んできたものを見て、ヴィンセントは血の気が一気に引いていく音を聞いた。

 彼らが運んできたものは、棺である。蓋は開いており、その中にはエリザベスが収められていた。彼女は瞳を閉じたまま手を組み合わせ、微動だにしていない。


「貴様ァッ!! イライザに、何をしたっ!!」

「いやなに、少々抵抗なされたので薬を与えたまで。ご安心ください、眠っているだけですよ。私としても生きたまま使いたいものでしてね」


 ヴィンセントは、構わず腰に手を伸ばして。先んじて仮面の男たちが、一斉に銃を向けた。

 全員が動きを止め、息詰まるような時間が流れる。その隙にアレクサンドラが腰のコインホルダーへと手を伸ばしかけるが、トラヴィスはそれを見逃さなかった。


「おやめなさい。詠唱の時間など与えませんよ。それよりも、神の頭脳はもうすぐ完成するのです。エリザベス嬢は、神と対話するための大切な窓口となる。この栄誉を、どうして喜ばれないのか」


 もはや怒りが限度を越えて悪罵すら出てこない。ヴィンセントはただ、目の前の狂人を葬り去る機会だけ窺うことにした。


 神の頭脳に動きが起こっていた。本体である球状の肉塊から垂れ下がった蔦上の触腕が、うねうねと動き出す。そのうち数本が持ち上がり、彼らの居る場所へと伸びてきた。

 仮面の男たちがエリザベスの納まった棺を地面に置く。持ち上がった触腕が、棺を目指してのろのろと近づいてきた。


「さぁ、新たなる誕生を祝福いたしましょう!!」

「その必要はないさ」


 トラヴィスの注意が紙の頭脳に向いた瞬間。ヴィンセントが、動く。


「今だ、ドリー!! 俺たちごと撃て!!」


 彼の発した命令は、精神の奥底にあるつながりを通じて、離れた場所にいる使い魔ファミリアへと伝わった。


「承知したわ、我が主」


 山腹で待機していたシルバリースターが、動き出す。そこにはすでにドリーが憑依しており、いつでも動き出せる状態にあった。

 シルバリースターは銃を抜き放つと、館に向けて狙いを定める。使い魔にはある程度、主の居る場所がわかるのだ。


 主が己の場所めがけて撃てと命じるならば、遂行するまで。シルバリースターは躊躇うことなく、銃を撃った。

 銃鉄兵用の大口径弾丸が山肌を穿つ。それは、山の内部を這いまわっていた洞窟を打ち抜き、地下へと突き進んだ。


 離れて伝わってくる振動を感じ、トラヴィスが初めて余裕以外の表情を浮かべた。


「使い魔を控えさせていましたか! なかなか抜け目のないことですが、直接撃つなど無茶をされる!」

「たとえ共に死ぬことになろうとも、お前たちを生かしておくよりはましだ!」


 次の瞬間、彼らの周囲の壁が爆発したかのように吹き飛び、唱煙臭い空気が吹き込んできた。

 銃鉄兵が使う巨大な弾丸が山の内部に道を作り、さらに続いて放たれた弾丸が、それを主の下まで通したのである。


 爆発の衝撃によりトラヴィスと仮面の男たちが宙を舞い、その隙を突いてヴィンセントが走った。

 彼は近寄りつつあった触腕へと銃弾を撃ち込んで追い払い、意識を失ったままのエリザベスに駆け寄る。しっかりと抱きしめ起こすと、かすかに呼吸していることがわかった。いちおう、トラヴィスは嘘を言ってはいなかったようだ。


「よし、イライザは取り返したぞ! ジョン、いったん退くんだ!」

「先に行け。私にはまだやるべきことが残っている」

「あの悍ましい肉塊か!? あんなものほうっておけ、それよりも……」


 言いかけて、彼ははっとして振り返った。使い魔から届いた声が、彼に切迫した状況を伝えてきたのだ。その様子を見て、アレクサンドラも状況を理解した。


「急げヴィンセント。奴らも銃鉄兵部隊を動かしたのならば、使い魔だけでは心もとない。主の指示が必要だろう」

「ええい、ここは先に行く! 君も早く用事を済ませてくるんだぞ!!」

「努力はしよう」


 言い残し、ヴィンセントは駆けだした。地下洞窟を突破し、地上に出る。


 シルバリースターが攻撃を加えたことによって、地上の館は半壊していた。のみならず、現在進行形で館を破壊している原因がある。


「あの戦闘用銃鉄兵アイアンファイター、イライザをさらった時の機体か」


 何機もの銃鉄兵が現れ、銃撃を加えていたのだ。シルバリースターが館を盾にしているため、結果的に館の破壊ばかりが進んでいる状況である。


 浴びせられる銃撃の隙を縫って、シルバリースターが応戦しようとした。その矢先、飛来した一発の銃弾が、シルバリースターの肩装甲に直撃する。

 戦闘用銃鉄兵からの攻撃ではない。もっと遠距離から、狙いすまされた精密な一撃だ。ヴィンセントはそのような攻撃を得意とする人物に、覚えがあった。


「クレーン……! お前か!」


 果たして、山の中腹に異形の機体が現れる。半人半馬の姿をした機械な銃鉄兵が、長大なライフルを構えていた。客架キャビンには、襤褸切れにくるまった男の姿がある。


「諦メロ、ヴィンセント。主ノ仰せダ、貴様ハここデ死ヌ。私とコノ首のない騎士ヘッドレスホースマンガアル限り、逃がしはシナイ」

「はいそうですか、と言うとでも思ったかい? 共に仕事をしたからと許しはしない。お前たちはここで破壊する!」


 主の意志を受けて、シルバリースターが銃を構えた。戦いが、始まる。


 ◆


 ヴィンセントが去った後も、アレクサンドラは火口の部屋に残っていた。彼女には、まだやるべき使命が残っている。

 火口に佇む、冒涜的な肉塊。詠術士の頭部を集めて生み出された、異形の頭脳。そこには、彼女の大切なものがあるはずなのだ。


「父さん、母さん。やっと、あなたたちの頭をみつけたよ」


 頭のない男たちが奪い去っていった、彼女の両親の頭部。この神の頭脳は詠術士の頭部を素材として作り上げられたもの。当然そこには、彼女の両親も含まれる。


「待っていて。今、全てを天に還すから」


 全てに決着をつける。決心したアレクサンドラは、腰の後ろに携えた拳銃をに手をかけた。それを抜き放とうとした瞬間、が彼女の手を止めた。


「止めなさい、


 アレクサンドラは瞬間、直前までの決心を忘れた。早鐘を打つ心臓を押さえることはできず、手足は凍り付き小さな震えが起こる。古びた蝶番のようにぎこちない動きで、彼女は顔を上げた。


 神の頭脳に浮かび上がった無数の人間の頭部を、探して回る。そのうちに視線は中央へとたどり着き、そこにあるふたつの頭部と、目が合った。アレクサンドラの顔が、くしゃりとゆがむ。見つけた。見つけてしまった。


「父さん……母さん……」


 忘れるはずなどない。忘れられるはずがない。そこにあったふたつは、記憶にある両親の顔と一致していた。

 かつて失われ、奪い去られたはずの懐かしい顔。彼女が戦う、まさにその理由が、そこにあった。


「久しぶりだ。もうあれから六年以上が経つのか」

「アリー、大きくなったのね」


 懐かしい声が、耳の奥に響く。それは今、目の前から聞こえているようでいて、しかし記憶の奥底にあるようでもある。

 死者からの声は、あまりにも当時のままだった。ここが火口ではなくて、相手が悍ましい肉塊でなければ、感動の涙とともに抱きしめていたかもしれない。


「どうして。あなたたちは、死んだ。首を切られ、持ち去られて……」


 震える声の問いかけに、ソレらは、かつてのままに振る舞う。


「確かに奴はこの神の頭脳を生み出す土台とするため、私たちを殺して首を持ち去った」

「でも、最初の二人となった私たちは、材料となった詠術士の中でも一番強い力を得たのよ」


 肉塊に浮かぶ首だけになっても、父の視線はどこまでも厳しさと理知に富み、母は優しかった。彼女の成長を喜び、一人前の詠術士となれるよう導いてくれた、あの時のままだ。


「今の我々は人ではなくなった、だが死んだわけではない」

「今の私たちは、神の頭脳。それも、あと少しで完成するの。そうすればアリー、あなたは神の娘となるのよ」

「神の娘? わからない……どうして!? そんな化け物が、神であるわけがない!!」


 父親の首が、表情を厳しくした。幼い頃のアレクサンドラが間違った答えを返した時、そのままに。


「この姿となり、我々は神の頭脳の真の力を知った。その名の通り、これは神の頭脳となるべく生み出されたのだ。この火山……いや、の、な」

「この火山は、大地神の中でも力の弱い下級神なの。だから私たちが力を合わせれば、操ることだってできるわ」

「本来、神の眠りを人が遮ることはできない。故に我々はこの世界に目覚めしただ一柱の神として、絶対の存在として君臨する」

「アリー。さぁ、私たちと共にいきましょう」


 しばらくの間、アレクサンドラはまったく表情の抜け落ちたまま立ち尽くしていた。やがて彼女は笑顔を浮かべる。それは、迷子がはぐれた親と出会った時のように、優しい笑顔であった。


「わかったよ、父さん、母さん。私は、ずっとあなたたちを探していたんだ」

「ええ。私たちも会いたかったわ」

「ずっと探していた。あなたたちの首を。だってそうでしょう? 首がないままだと、きっとゆっくりと安らげないもの」


 笑顔のまま。アレクサンドラ・ウィットフォードは動き出す。


「本当によかった、見つかって。あと少しだけ待っていてね。いますぐその腐った肉の中から抉り出して、体と一緒に埋めてあげるから!」


 彼女は、腰の後ろから一挺の回転弾倉式拳銃を抜き放った。銃把グリップにウィットフォード家の紋章が刻まれた、豪奢な銃。

 それを目にして、神の頭脳に埋め込まれた父と母が動揺をあらわとした。


召喚銃ティル・ドーン……! アリーよ、まさかそれを我々に向けるというのか。愚かなことを、聞き分けなさい」

「どうして? 父さんと母さんならば喜んでくれるはず。私がこれを使いこなしているのだから。首をえぐり出す前に、確と目に焼き付けて逝ってちょうだい」


 アレクサンドラの瞳に力が漲る。

 ここにいるのは、かつてのひ弱な貴族の娘ではない。六年の長きにわたって荒野をさまよい、数多の獣を、数えきれない賞金首を上げてきた歴戦の賞金稼ぎである。

 故に彼女の知る解決方法は、ただひとつだけ。銃弾は全てのものに平等に結果をもたらす。


「嘆かわしい。所詮は人の身だったか。我が娘ながら不甲斐ないことだ」

「残念だわ。でもアリー、安心しなさい。すぐに体を潰して、あなたの首もここに迎えてあげるから。そうすれば、家族そろってこの世界に君臨することができるのよ」


 両親の顔は、笑っていた。ひどくねじくれて奇怪な笑顔だった。


 直後、溶岩の海が激しく沸き立つ。

 神の頭脳は、触腕を通じて火山そのものに意思を通じる。この山――眠りについたままの大地神へと。神を動かす意思に、人造の存在が成り代わる。


 アレクサンドラたちの足元から、突き上げるような揺れが襲い掛かってきた。岩壁に亀裂が走り、ばらばらと岩石が降り注ぐ。

 火口は、急速にその姿を変えつつあった。神の頭脳を包み込むように岩石が蠢き、溶岩を血流として流す。


 振動は一層激しくなってゆく。その衝撃でトラヴィスが正気を取り戻した。彼は頭を振って意識をはっきりとさせると、周囲の状況を見て歓喜に満ちる。


「お、おお……神の躯体が……目覚める。目覚めるぞぉ!!」


 ついに火山そのものが鳴動を始めた。心臓の鼓動のように、震えは拍を刻む。岩盤が蠢き、変形を始めた。

 アレクサンドラが走り出す。このままこの場所にいては神の復活に巻き込まれ、そのまま一部とされてしまいかねない。


「眠りについたまま悠久の時を過ごせし、神の一柱。この古臭く腐った世界を、新たに塗り替える時が来たのですよ!」


 トラヴィスが叫び、腕を振り上げた瞬間。火山は噴火をおこし、激しく噴煙を噴き上げたのだった。







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