第18話 まとめ。

 生物や個人に生存本能があるように、国という集団にも生存本能があります。

 そして国の生存本能は、その生存欲求が「集団として生き残りたい」という単純なものであるが故に、各国共通のものになりにくく、様々な特色を見せています。

 その多くは本書でも解説した「外国から変だと思われている部分」と、その国の特徴を、「その国の人は、何をすると全滅すると思っているのか?」で切ることによって明らかになります。

 この法則が、どの程度小さな集団にまで流用可能なのかは分かりませんが、長く集団で生活しているなら、数百人規模の部族にも使用できると考えています。

 つまり、長く生死を共にしている集団になら、固有の生存本能はあるだろうということです。 


 私たちは長く、アメリカ人や中国人や韓国人が、なぜこんなことをするのか分からないまま過ごしてきました。

 その分からない部分が、誤解やすれ違い、憎しみや悲しみなど、無用な問題を生んでいます。

 その分からない部分を本書で解消することによって、多少でも楽になれば、本書は役割を果たしたことになります。


 あとは、日本中の人にこの法則を知ってもらい、多少なりとも、他国の生存本能を知ってもらえば、その区からの観光客に対応しやすくなるはずですし、その国でのビジネスもしやすくなるはずです。

 たとえば、中国人観光客に中身の見えない福袋は売りにくい。なぜなら、「やったもの勝ち」で騙すことが日常的にある中国では、「中身が見えない=だまされる」が当たり前だから。

 こんなことが、ニュース映像で中国人観光客の姿を見た瞬間に分かるようになります。

 そして、生存本能が善悪の判断の前に作動することが分かれば、中国人が悪い人ばかりでないことも分かります。

 ただし、同時に日本人にとってかなりやっかいな人間が中国人であることも分かるのですが。

 逆に韓国人に関してはあきれ、アメリカ人に対しては、ため息をついて納得するでしょう。

 そして、たくさんの尊敬すべき国も分かるはずです。日本が仲良くしておかなければならない国も。


 最後に、この本は日本人だけでなく、外国の人にも知ってもらうべき本だと思っています。

 そうすれば、日本がいかに良い国かが、説明しなくても世界中の人に分かってもらえるようになるからです。

 そして、それぞれの国が「国の生存本能」を知れば、他国への対応はもっと楽になるはずです。

 分からないから、分かる世界へ。

 そして、良い国が得をし、悪い国が損する時代へ。

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