第11話 「インド人の生存本能」を見つけてみよう。

 インドの外国から見て変なところは、「レイプ犯罪」が多すぎるです。

 最近では日本人女性が被害に遭った事件が、ニュースで報じられましたが、それ以外にも目を覆いたくなるようなレイプ犯罪が多数発生しています。

 まず、多人数でのレイプ。

 そして、レイプ後の殺人。

 被害を訴えても、解決されない。または、被害を訴えると、逆に殺されてしまうなど。

 インドのレイプ犯罪は、インドでも社会問題として認識されるほど、酷い状況になっています。

 若い女性がインドへ一人旅するのは、ほぼ人生を捨てるようなものというのが、今のインドに対する正しい認識ではないでしょうか。

 ではなぜこんなに、レイプ犯罪が多いのか?

 国が発展しないから、というのは理由にはなりません。

 発展途上であっても、非道なことをしない国はたくさんあります。

 そして、貧しくても犯罪に手を染めない人はたくさんいます。

 ここで個人の抱えている問題を考えても意味は無いので、全体としてどうかという話に入ります。

 つまりインド全体として、レイプ犯罪が多いのはなぜなのか?

 それは、インド人の生存本能が関係しているのでは?

 もし関係しているのであれば、インド全体が危険ということになり、より注意が必要になってきます。


 では、「レイプ」を生存本能の発露の結果だと仮定してみます。

 ですが、レイプをしないと全滅してしまう、なんてことがあるとは思えません。

 なので、レイプという言葉から想像して、何らかの要素を抽出するか、同じ意味を持つ別の言葉への置き換えが必要になります。

 ここですぐに連想で置き換えが出来れば良いのですが、インドの情報がほとんどない状態では、これ以上は無理です。

 ということで次は、レイプと繋がりそうな、インドの特徴を調べてみます。

 歴史、地理、環境などを調べても、レイプと繋がりそうなものは出てきません。

 かろうじて、カースト制度という差別制度が何か関係あるかもしれないと思えるくらいです。

 ですが、カースト制度では、インドの特徴としては弱いですし、カースト制度だけでインド人が全滅するとも思えません。

 もっと大きな、全滅の引き金となるような要素でないと、生存本能と繋げることは難しい。

 そこで最終的に目につくのが、「インドは世界の縮図」という特徴です。

 インドは多民族・多宗教・多言語国家であり、人口も多い。

 そしてカースト制度もある。

 つまり、人と人との繋がりを分断する要素が多すぎる国家なのです。

 多民族で人と人の繋がりが分断され、多宗教で人と人との繋がりが分断され、多言語で人と人との繋がりが分断される。

 さらにその上に、カースト制度という差別制度が覆いかぶさり、人と人との繋がりを、さらに分断してしまった。

 分断要素が重なれば重なるほど、より集団は小さくなる。

 結果としてインドは、分断された小さな集団が寄り集まった、まるで一体感のない、カオスな世界となってしまった。 

 この人と人の繋がりを分断されたカオスな世界と、レイプの共通点は、「相手の気持ちが分からない」です。

 民族の壁、宗教の壁、言語の壁、カーストという差別制度の壁で分断されてしまったインド人は、分断されてしまったが故に、相手の気持ちが分からない。

 そしてレイプ犯罪は、「相手の気持ちが分からない」からこそ出来る犯罪だとも言えます。


 ようやく見えてきたのは、「相手の気持ちが分からない」ことが、全滅を避けるための、インド人の生存本能だいうことです。

 そしてこれは言い換えると、「相手のことを考えたら全滅する」と思っているのが、インド人だという風になります。

 なぜそんなことを思うのでしょうか?

 日本人だと、相手のことを考えること、そして助けることは普通のことです。もし助けたら自分たちが全滅すると考えているとするなら、どんな理由があるでしょうか?

 インドが民族の壁、宗教の壁、言語の壁、差別制度の壁によって分断されていることは、すでに話しました。

 そのことによって、まっとうな意思疎通が出来ないことも容易に予想できます。

 ですが、意思疎通できない出来ないだけで、インドに無数に存在する分断された集団が、人を助けないということがあるでしょうか?

 答えは、推測していくと一つに行き着きます。

 ――弱いからです。

 様々な要素によって分断された小さな集団は、言葉や宗教、民族が違いますから、簡単に意思疎通できません。

 そして、意思疎通できないということは「協力できない」ということです。

 協力できない、意思疎通できないということは、発展できないということであり、それぞれの集団は「弱さや小ささ」から脱出できません。誰かを助けられるほど強くもなれないということです。

 インドは大きな国でありながらも、多民族、多宗教、多言語、差別制度などの多くの分断要素に苦しめられてきました。そして、一つ一つの小さな集団はいつまでも弱く、他の人を助けることが出来ないほど、困窮していたということです。

「相手のことを考えたら全滅する」というインド人の生存本能は、インドの分断と貧困から出てきたと推測できます。

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