第10話 「ロシア人の生存本能」を見つけてみよう。
ロシアの外国から見て変なところは、「異常なほどの領土への野心」です。
最近では、クリミア半島やウクライナに戦力を投入した、力によるロシア化が有名です。
さかのぼれば、チェチェン紛争やソ連のアフガニスタン侵攻、中ソ国境紛争などがありました。
世界が経済や物資で密接に繋がっている時代に、これほど軍事力を前面に押し出し、領土への野心をむき出しにしている国は、珍しいと思います。
この二十一世紀にあって、軍事力で領土を拡張しようとしている大国は、ロシアや中国くらいのものではないでしょうか。
そして「異常なほどの領土への野心」を手がかりに、ロシアを調べていくと、領土だけでなく、制度や物についても執着があることが分かります。
ロシア人曰く、「ロシア人には、要らないから捨てるはずのものを、なぜか取っておくという変な性質がある」そうです。
つまりロシア人の生存本能は「領土への野心」などではなく、「溜め込まないと全滅する」ということになります。
ではなぜロシア人は、溜め込むことに執着するようになったのでしょう。
その根拠となる、ロシアの特徴とは一体なんでしょう?
このロシアの特徴は、歴史を調べても、人を調べても、なかなかピンと来るものは出てきません。。
なぜなら、それが当たり前にロシアにはありすぎるからです。すぐ目の前にありすぎて、気づきにくいと言ったほうがいいかもしれません。
答は、「厳しすぎる冬」あるいは、「長すぎる冬」です。
つまりロシアには「厳しすぎる冬」があるので、「なんでも溜め込んでおかないと全滅する」と生存本能として、思うようになっていったということです。
このことから、ロシアの領土拡張政策は、安全保障のためではなく、生存本能としてやっている可能性が高いということが分かります。
つまり、厳しすぎる冬を乗り越えるためには、領土であれ、物であれ、より多くの物を溜め込んでおかないといけない。そうロシア人は、生存本能の部分で思い込んでいるということなのです。
この溜め込む行動を喩えて表現すると、「冬眠する前の熊」がロシアの正体ということになります。
蓄えないと全滅すると思っているので、他者から奪うことに容赦がありません。だから暴力や戦争で領土を奪うし、奪った領土は絶対に手放しません。
冬眠前に蓄えを減らすことは、死を意味すると思っているからです。
そして冬眠前に蓄えを減らしたくない熊と同じように、領土を手放すと死ぬと思っているのがロシアということです。
この行為は、人間社会で言うところの強盗や山賊に近く、近隣国家や国際社会からは理解不能の行動として、受け止められていることでしょう。
日本の北方領土問題がこれほど長引いているのも、一度手に入れたら手放さない「ため込まないと全滅する」というロシア人の生存本能が影響しているのかもしれません。
また、ロシアの行動が過激化するのは、相手も自分も同じことを考えている。または、相手も自分と同じものと考えているからだと、推測することが出来ます。
つまり、相手も「冬という死」を乗り越えるために必死な冬眠前の熊なんだから、こちら側に容赦するわけがない、という風に。
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