第4話 「日本人の生存本能」を見つけてみよう。
日本の場合、外国から見て変なところは、「空気を読む」です。
ということは、「空気を読む」は日本人の「全滅への恐怖」から生まれた行為ということです。
つまり、「空気を読まないと全滅する」と日本人は思っていると仮定できるわけです。
では「空気を読む」ということはどういうことでしょうか?
辞書の意味では、「空気=その場の雰囲気」になります。
つまり「空気を読む」とは、その場の雰囲気を読んで、その場にそぐわない言葉を口に出さないということです。
では、言葉にしたらどうなるのでしょう?
問題が起きます。
ということは、「空気を読む」とは、「問題を起こさない」ための行為であることが分かります。
つまり、日本人は「問題が起きると全滅する」と思っていると、仮定することができるということです。
ですが、これを「日本の」生存本能だと確定させるためには、日本とのつながりを証明する、さらなる裏付けが必要となります。
そのために必要な作業は、日本の歴史、地理的条件、環境などから、「なぜ日本人は、問題が起こると全滅すると思うようになったのか?」の原因を推察するというものです。
現在のところ「日本の生存本能」は、空気を読まなかっただけで全滅すると言えるくらい、問題の発生に対して敏感になっている、と推測できます。
では、この問題とは何でしょうか?
日本人の生存本能に刻まれるほどの問題であり、発生しただけで日本人が全滅してしまうかもしれない問題。
この「問題」が日本人の生存本能とつながっているのであれば、「日本の歴史、地理的条件、環境など」の中から、発生したら全滅するような「問題」が見つかるはずです。
発生すると日本人が全滅するくらいの問題の中で、思い当たるものはありますか?
さらに言うと、日本人の奥底に生存本能として、深く刻みつけられるほどの、「死への恐怖」をともなうもの。
問題を○○に置き換えても大丈夫な言葉。
○○が起きたら全滅する。
たとえば、戦争が起きたら全滅すると思っている。
ですが日本では、たくさんの戦争がありました。
太平洋戦争が一番新しい戦争ですが、日本には戦国時代もありましたし、武将が国を治めるなんてことも当たり前にありました。
そういうことを考えていくと、戦争は違うと分かるわけです。
では、他の○○とは何でしょう?
日本人が全滅するかもしれないと思うほどの被害ですから、小さなものではありません。
国家規模の危機ですから、誰にでも思い当たる、大きなものでないといけません。
そう考えていくと、自然と答えは見えてきます。
そう、○○の答えは「災害」です。
日本は「災害が起きると全滅する」と考えている国なのです。
台風、地震、津波、噴火など、日本人が全滅するかもしれないという災害が、いつの時代でも日本人を襲っています。
戦争では全滅しないが、台風、津波、地震、噴火などの災害では全滅するかもしれない、と思っているのが日本人ということです。
戦争は毎年なくても、台風は毎年やってきますから、そちらの方が日本人にとって身近であり、切実な問題というのは、分かる話です。
この「国家の法則」は推測するためのツールなので、「災害が起きると全滅する」の災害が問題に置き換わって、直接「問題(=災害)が起きると全滅する」に切り替わったのか、それとも「災害が起きると全滅する」から、「災害が起きているときに、ちょっとでも問題を起こしたら、日本人は全滅してしまう」から「問題が起きたら全滅する」に切り替わったのかは、分かりません。
ただ、台風、地震、津波、噴火などの災害が、問題に関係していることは間違いないでしょう。
そして「問題が起きると全滅する」という日本の生存本能が、広く日本人の中に行き渡り、今の日本を作っていることも間違いないでしょう。
日本の治安がこんなにいいのも、「問題を起こしたら全滅する」という日本人の生存本能から来ているものですし、日本の商品がこんなに多機能・高性能なのも、日本人が製品開発中に様々な問題を消していった結果でもあります。
そして、世界に類を見ない交番制度は、問題が発生する前に、交番に相談することによって、発生する前に問題自体を消してしまう、最高の治安システムになっています。
これは日本の生存本能が日本人に与えたものであり、日本人が正しく自分たちの生存本能を活用した結果でもあります。
その裏には、災害に立ち向かわなければ全滅してしまうという日本人の切実な思い、長年日本人に受け継がれてきた思いがあることを忘れてはいけません。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます