好物

A「ねえねえ」


B「ん?」


A「好きな食べ物って何?」


B「んーそうだね。やっぱマグロかな!」


A「はっ⁉︎」


B「美味しいよねー」


A「…いや… ちょっと… え? え?」


B「? もしかしてマグロ好きじゃない? それもったいないよーあんなに美味しいのに」


A「美味しい…の?」


B「うん! 私ね、親戚にマグロとってる人がいるからよく食べさせてもらえるんだよー」


A「え、じゃあ、ああいう仕事って本当にあるんだ…」


B「そりゃとらなきゃ食べられないからね。お醤油とわさびつけて食べると美味しいんだー」


A「で、でもぐちゃぐちゃしてそうだけど…」


B「は? ちゃんと切り揃えればそんなことないけど。あーあの鮮やかな赤、思い出すだけでよだれが出てきちゃう…」


A「…」


B「どうしたの? 顔色悪いよ?」


A「そっちこそどうしたの⁉︎ なんてもの食べてるの⁉︎ 電車に轢かれた人の死体だよ⁉︎」


B「…ごめん、半端ない誤解をさせちゃってたみたいだね」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る