味噌汁

 本日のお題は『味噌汁』です。

 地域によっては『おみおつけ』や『おつゆ』などと呼んだりもしますね。


 家庭それぞれ、地域それぞれの味がある料理の代表格ではないでしょうか。出汁を何でとるか、味噌はどんな味噌か、なにより実(具材)を何にするかで七変化する料理です。


 我が家に常備してあるものは『わかめ』『ねぎ』『手毬麩』『大根』『油揚げ』でしょうか。あさりやしじみも夫の好物ですし、卵でとじることもあります。納豆汁やなめこ汁のとろんとした舌触りもいいですね。特になめこ汁は二日酔いの朝に飲むと五臓六腑に染み入ります。

 風味が口いっぱいに広がるとき得られる安心感が、お袋の味と呼ばれる料理の特徴なのかなと思います。


 ところが我が家の場合、父の作る味噌汁は安心感から程遠い代物でした。

 一生懸命作ってくれるのは嬉しいのですが、必ずお椀の中でにぼしが丸ごと浮いているのです。白くなった目玉が私をみつめ、ぷかりぷかりと無言で浮かんでいる様が恐ろしく、すっかりトラウマになりました。

 今思うと『丸ごと栄養を!』という父なりの気遣いなんですけれど、せめて頭とはらわたはとって欲しかったなぁと笑いがこみあげます。それ以来、にぼしが怖くて食べられませんから。

 これこそ親の心子知らずというものでしょうか。

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