卵料理

 本日のお題は『卵料理』です。卵は安くて使い勝手のいい主婦の力強い味方であり、老若男女に人気の食材ですね。料理となると、枚挙に暇がありません。

 黄身の焼き加減にこだわりたくなる目玉焼きもいいですね。親子そばや親子うどん、月見そばといった麺類に、カツ丼、親子丼、玉子丼などの丼ものもあります。

 ゆで卵はそのままでも美味しいし、サンドイッチやサラダでも活躍します。


 本の世界の卵料理で一番に思い出すのは、寺村輝夫さんによる『ぼくは王さま』に出てくるふわふわのオムレツでしょうか。

 小学生の頃、漫画『ミスター味っ子』でうなぎの蒲焼を卵で包む『う巻き』の存在を知ったときはそりゃもうびっくりしました。

 映画では松田優作主演映画『家族ゲーム』の中で、伊丹十三が目玉焼きの黄身をちゅうちゅうすすります。


 実は子どもの頃、卵焼きを上手に作りたくてムキになった時期があるんです。

 だしをいれない塩コショウだけの卵焼きですが、くるくると巻くのが難しくて何度も練習したものです。

 幾つもの卵を割り、ぐちゃぐちゃに崩れてしまった卵焼きを情けない顔で食べ、また練習のために卵を割っての繰り返し。

 その結果、かなりの長い間、卵嫌いになってしまいました。食べ過ぎて嫌になったんですね。


 ですが、大人になってみると、卵そのものは嫌いではないことに気がついたんです。私が苦手だったのは、卵に醤油をかけた匂いだったんです。

 両親は目玉焼きや卵焼きに醤油をかける人だったので、その匂いをほぼ毎日のように嗅いでいたのですが、それが駄目だったんですね。

 そして、卵に醤油の組み合わせが苦手ということは、つまり卵かけご飯ができないんです。ほかほかご飯に新鮮な卵を落として、たらりと醤油をかけて黄身をくずしていただく。卵好きの方にはたまらないと思います。

 アメリカに住む友人は「日本と違って、こちらの卵は生で食べられない」と嘆いていました。その友人は私と違って卵かけご飯が好きなので、辛いようです。


 卵嫌いとして育った私が美味しいと特に感動した卵料理は、だし巻き卵でした。

 北海道の知人が経営する居酒屋で、紅しょうが入りのだし巻き卵をご馳走になったのがきっかけでした。

 加えるものはねぎや納豆もいいですね。海苔を巻き込んでも美味しいですね。ちょこんと大根おろしなど添えれば完璧です。


 卵焼きというのは母親の味でもあります。味付けも甘かったり、しょっぱかったり、色々ですよね。朝、台所から卵焼きの焼ける匂いがすると嬉しい方も多いのはないでしょうか。


 そして忘れちゃいけない、かける調味料の大切さ。目玉焼きや卵焼きに何をかけるか、そこが問題です。

 醤油? ソース? ケチャップ?

 それが同じだけで感じる一体感の妙な大きさたるや。オムライスにしても、ケチャップ派かデミグラス派かなんて考えてしまいます。

 ちなみに私は目玉焼きにも卵焼きにもオムライスにも、ケチャップとタバスコが一番好きです。皆様は何がお好きでしょう? ちょっと意外なご意見などありましたら是非伺いたいものです。

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