第十話「魔法使いとの戦い」
「ようこそ、よくここまで来ましたね」
悪い魔法使いが皆を出迎えました。
「ラチカ! ルー!」
「おじいちゃん!」
「サンタさん!」
サンタさんは透明な檻の中にいました。
「待ってておじいちゃん、今助けるから」
「魔法使い、サンタさんを返せ!」
「ホホホ、そうですね、返しましょうか。……私に勝ったらね」
魔法使いはそう言いました。
「お前さん、考えなおしてくれるんじゃなかったのか!?」
サンタさんが声を上げて聞くと、
「ええ、始めは彼らも閉じ込めておこうと思ったのを、勝負することに考えなおしました」
「な、なんじゃと?」
「ここまで来た皆さんなのです、もしかすると……いや、いいでしょう」
「そうですかー、じゃあ聖なる拳銃くらいなさい!」
「ミサイルありったけ発射!」
パンパンパン!
ボン! ボン! ボボン!
レイカとニコが撃ちまくりました。
しかし弾は全て魔法使いの前で消えました。
「ホホホ、こんなもの私には効きませんよ」
「え~そんな~、銃の腕は自信あったのに~」
「僕のミサイルが……」
「ならオイラが、やあー!」
チャスタがナイフで斬りかかりました。
「はっ!」
魔法使いはナイフを受け止めて、
「うわわわわ~!」
チャスタを投げ飛ばしました。
「あなたは身体能力がずば抜けている割には武器に頼り過ぎですね。もし武道を学んでいたら私などあっという間に倒されていたでしょうに」
「え?」
「おっと、つい余計な事を言ってしまいました」
「よーし、ナディーいきまーす、ブツブツ」
ナディーは何やら念じ始めました。
「五芒星光縛!」
魔法使いの体に光の蔓が絡みつきました。
「ほう、さすがですね。でも」
魔法使いが気合を入れると光の蔓は消し飛びました。
「この程度じゃ私は抑えられませんよ」
「えーそんなー、この秘術自信あったのにー」
「な、ならオラが。これ皆の前ではしたくなかったけど」
ドンタが魔法使いに向かって走っていきました。
「ホホホ何を……ん、まさか私と自爆する気ですか?」
「んーん、オラのキスを」
ドンタはそう言いながら口を尖らせました。
「ぎ、ギャアアーーーー!? それはやめろーーー! 吹き飛べーーー!」
ドオオーーーン!
魔法使いは大爆発呪文を唱えてドンタを吹き飛ばしました。
「あ~れ~」
ヒュウウウウ~と飛ばされた先には
「はえ?」
レイカがいました。そして。
ブチュウ~~
…………
「え、え~とえ~と」
ルーはどうしていいかわからず、
「ちょ、ちょっと、え、ええ!?」
ラチカはうまく言葉が出てこず、
「ブシュー」
ニコはショートしてしまい、
「えーと、え?」
チャスタもどう言っていいかわからず、
「うわあ、見慣れてるけどこれはないわー」
ナディーは、あれ?
「わしらも昔はああしたもんじゃ、のうばあさんや」
サンタさんは天国にいる奥さんに語りかけてました。
「あ、あの、ごめんなさい!」
ドンタは慌てて謝りました。
「え、いえ……ぽっ」
レイカは、え?
「はっ? ご、ゴホン! さあ、勝負の続きを!」
魔法使いは仕切り直そうとしました。
「そ、そうよ皆、勝負よ!」
ラチカが皆に向かって言いました。
「あ、そうだね、よーし!」
ルーは光の剣を出して魔法使いに斬りかかっていきました。
「やあああ!」
「ホホホ」
魔法使いは素早くルーに向けて爆発魔法を撃ちました。
「うわあー!」
ルーはそれに当たって吹き飛ばされました。
「ちくしょー、あいつ強い」
「どうやってやっつけたらいいのよ?」
「皆で力を合わせて何かをする、そうすれば何でもできる、ですよー」
「ナディー? 何かいい考えあるの?」
「いーえ、あたしにはありませーん」
「あのねえ……」
「み、皆で力を? そうだ! オラいい方法考えた!」
「ドンタさん、いい方法って?」
「オラの秘術でルー君の光の剣に皆の力を集める、そしてそれをあいつにぶつければ」
「ええ、わかったわドンタさん、ルー!」
「うん!」
ルーは光の剣を高くかざしました。
「み、皆、ルー君に力を送るイメージして」
「うん!」「ああ!」「はーい!」「ええ!」
「……大秘術・聖光大集結」
ドンタが念じると皆の力がルーの剣に集まり始めました。
「ホホホ、ならこっちは怨念を集めた暗黒魔法といきましょう」
そう言った魔法使いの手には黒い霧のようなものが集まっていました。
「よ、よし! ルー君!」
「うん! とりゃー!」
ルーは皆の力がこもった剣を振りかざしながら魔法使いに突撃していきました。
「……はあっ!」
魔法使いが気合を入れて暗黒魔法を撃つと、それがルーに直撃しました。
「ホホホ……な、何!?」
しかしルーに当たった暗黒魔法は消え去り、
「やああああ!」
ルーはそのまま突撃して魔法使いを斬りました。
「グワアアー!」
「はあ、はあ、やったー!」
「勝ったわー!」
「ワアアー!」
皆飛び跳ねて喜びました。
その時透明な檻が大きな音を立てて消えました。
「おお、牢の扉が消えた」
「サンタさーん!」
「おじいちゃーん!」
ルーとラチカはサンタさんに駆け寄りました。
「皆ありがとう、やっと出れたわい」
「……ぐ」
ねえ魔法使いさん、もう終わり~?
「あなたは……様」
なんならもっとパワーあげるよ~?
「いえ、もう結構です、私の負けです」
ふ~ん、そう? それじゃあさ、それ~
「え?」
魔法使いの傷が塞がりました。
体治してあげたよ、その代わりに力少し貰っとくね~
それじゃあまたね~
「消されるかと思ったのに、何故?」
今日は楽しいクリスマス~♪
こんなの誰かが勝手に考えたものだよね~
まあいいや、面白ければさ~
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