◇第三章 誰がアリス候補生か?

「アリスちゃん、どうしたんスか? そんな険しい顔して」

「――え?」


 運転席でハンドルを握る山田さんを見やる。前を向きながら軽く微笑んでいた。

「アイドルは笑顔ッスよ。緊張してるのは分かるけど、ぎゅーと眉間にしわ寄せてたら変な癖がついちゃうッス」

 言いながら、山田さんは眉間に皺を寄せる。

「いえ……何でもないんです。ご心配をかけて、申し訳ありません」

 山田夕子……ミラクルティーパーティのマネージャー。つまり社会人。


「運転、上手いですよね、山田さん」

「何スか、急に? おだてても何も出ないッスよぉ」

「……運転してどのくらいになるんですか?」

「んー? 免許を取ったのが二十歳だから……五年になるッスねー」


 つまり、二十五歳。


「運転に興味があるんスか?」

「えぇ……人並みには」


 白ウサギは言っていた。

 アリス候補生になれるのは、十代の少女アイドル、またはアイドルになりつつある者のみだと。

 現時点で、私はアリスダーマウス以外のアリスの素顔を知らない。

 アリス候補生の参加者は全部で七名。

 アリスラビット。パートナーは白ウサギ。契約者は私、花森アリス。

 アリスハッター。パートナーはいかれ帽子屋。帽子を丸鋸にして飛ばしていたアイツだ。

 アリスキャット。パートナーはチェシャ猫。首から下を透明にすることができる。

 アリスマーチヘア。パートナーは三月ウサギ。異常なまでの怪力の持ち主。

 アリスダーマウス。パートナーはヤマネ。超能力を使っていた。

 アリスクイーン。パートナーはハートの女王。トランプでの遠距離攻撃が厄介だ。

 アリスキャタピラー。パートナーはイモムシ。契約者は須藤つぼみ。既に脱落済み。

 残るアリスは六名。つまりこの間の戦いで一堂に会したあの六人が、残りのアリス候補生なのだ。

 内、四人の正体は不明。ライヴをしていたアイドルは多いし、客に紛れていた可能性だってある。後部座席に座っているアイドル仲間の中に、四人の誰かがいることも考えられる。

 少女アイドルは誰が敵だか分からない。そう考えざるを得ない状況だ。

 特にチェシャ猫と三月ウサギ。私が苦手とする戦闘スタイルの相手だ。奴らとのタイマンだけは避けたい――のだが。

「ほら、また皺が」

「あ……す、すみません」


   *


 今日一日はリハーサルとライブで潰れる予定だ。

 関係者への挨拶を終え、皆で控え室に移動する。

「じゃ、皆はここで待機ね。リハの時間になったら山田が迎えに来るから」

 田村プロデューサーと山田マネージャーは控え室から出て行った。

 控え室にはメンバーだけが残る。

「アリスちゃん」

 朝美に声をかけられる。


「大丈夫? 体調悪かったりする?」

「平気よ。どうして?」

「山田さんに顔が暗いって言われてたみたいだから……」

「あぁ――もう大丈夫よ。心配しないで」


 まずいわね……不安が顔に出ている。キチッと仕事しないと――。

「ねぇ――お茶菓子のお饅頭まんじゅう餡子あんこと抹茶と桜餡なんだけど私餡子取って良いー?」燐が控室中に響く声で叫ぶ。

「……あのくらいの図太さが心底欲しいと思うわ」

 朝美は苦笑いしていた。

 ルナはいつも通りにヘッドフォンをつけ、音楽を聴いているし、林檎は訳の分からないヨガのポーズで遊んでいる。

「すみません、ちょっとお花を摘みに行ってきます……」

 リゼが退室する。

「私も――」

 ついでに用を足しに行く。

 個室から出て、手を拭き終え、化粧室から出る。


 森の中だった。


 アンブッシュだ。

 私が全アリスの混戦に巻き込まれたのも、このルールのせいだ。

 アリス・ウォーではアンブッシュというルールが認められている。意味としては待ち伏せそのままであり、待ち伏せを効率的に行えるルールがあるのだ。

 不思議の国に入国したアリス候補生は、自由にアンブッシュをしかける権利がある。アンブッシュをしかけた場合、アリス候補生の半径十ヤード(約九メートル)内に存在する全ての「潜れる物(戸や扉、アーチ状のものや机の下まで含む)」は強制的に不思議の国に入国する入り口となる。その際警告は一切行われない。無論、不思議の国に来られるのはアリス候補生のみであり、一般人には何の利害もない。

 アンブッシュの射程は球状であり、アリス候補生を中心にあらゆる方角に十ヤード、結界が張られていると想像すると分かり易い。そこに足を踏み入れた者は不思議の国に強制入国させられる。

 つまり――戦わせられる。

「――変身」

 スマホを使い、アリスラビットに変身する。既にこの近くに、私を待ち伏せたアリスが誰かいるのだ。


 ……誰だ。


 今日このライブ会場を使うのは私たちだけではない。他にも色々なアイドルグループが使っている筈。そこから敵を特定するのは無理だ。

 だから重要なのはそこではない。重要なのは二つ。

 一つ、どのアリス候補生が敵なのか。

 二つ、ミラクルティーパーティ内の誰かがアリス候補生なのか。

 一つ目はすぐ分かるだろう。だが問題は二つ目。もし身内に敵がいるのならば……寝首を掻かれる前に真っ先に消さなければならない。

 敵は誰か……キャットやマーチヘアだった場合、逃げることを考えた方が良いかも知れない……。

 耳が異音をキャッチした。この音は、聞き覚えのある――。

 難なく回避する。既に一度、回避しきった技だ。

「……アリスクイーン。アンタね」

 アリスクイーンの攻撃方法はトランプ射出。更にトランプには起爆効果がある。

 だが私はラビットの能力で遠くまで音が良く聞こえる。射出音が聞こえる以上、遠距離攻撃は全くと言って良いほど怖くない。

「出てきなさい! スナイパーの真似事してアタシを殺れると思ったら大間違いよ!」

 言ってみただけだが反応はない。音の位置を憶えているので、探そうと思えば探せるのだが……。

 ライブ前だ。体力は温存したい。どうするか逡巡していると――。

 再び異音。今度は近い。だが回避は問題ない。私にはスピードの恩恵もあるのだから。

 木々の間からアリスクイーンが姿を現した。赤いドレスにレガリア。間違いない。

「ライブ前だってのに、随分なことしてくれるじゃない。それとも自分は体力を使わないからって考え?」

 クイーンは黙して語らない。こちらを睨むだけだ。

「まぁ良いわ……。やるってんなら――やってやるッ!」

 一気に接近し、拳を撃ち込む。

 遅過ぎる。杖でガードする前に、土手っ腹に命中した――が。

「――ぅ、くっ」

 後退する。堅い。キャタピラーだったら吹っ飛んでいた一撃を喰らわせたのに、一ミリも動かなかった。何のダメージもない。恐らく、異常なまでに防御力が高いのだ。

 アリスマーチヘアはありえないほどの怪力を持っていたが、私のラビットはそこまで攻撃力が高い訳ではないらしい。スピードはあってもパワーがないのだ。

 クイーンは再びトランプ弾を打ち込んでくる。避けるのは問題ない。持っている杖が武器だったとしても、恐ろしくは無い。攻撃に関してはアリスハッターと同じで私の敵ではない。――が、こちらも攻撃の決め手がない。

 なら――。

 一気に速度を上げ、クイーンの周囲を旋回する。

 スピードを上げれば、それだけパワーも上がる筈……。隙を見て拳をブチ込んでやる……!

 クイーンは見せ付けるようにトランプを扇状に広げる。カッコつけやがって……! そう思った刹那、クイーンは地面に向かってトランプを投げた。

 爆発し、煙幕えんまくを巻き起こす。

 咄嗟に身構え後退し、距離を取ったが……。

 煙幕が晴れてみれば、既にクイーンの姿はどこにもなかった。

 逃げられた……。

 だが収穫はある。クイーンもまた、恐るべき相手だと分かったのだ。私がキャタピラーに勝てたのは、単なる偶然だったのかも知れない……。

「……帰るか」

 スマホで脱出口を探し、不思議の国を後にした。


   *


 ライブは大過なく終わった。

 楽しいライブにできたと思う。


 だがどこに敵がいるのか分からない状況に不安がなかったかと言えば嘘になる。

 特に……隣で歌って踊っている人間が敵ではないか、という不安。

 これでもプロだ。笑顔は崩さない。だが疑いは消えない。

 だから――確かめなければならない。


 ライブが終われば、メンバーは当然控え室に戻る。


 私は一人、一足先に控え室の最寄の化粧室に足を運ぶ。

 不思議の国の入り口は、「潜れるもの」なら何でも良い。化粧室の個室でも条件は満たす。

 スマホを使い、ゲートを開く。

『入国準備が、完了しました。入国許可証を持って、ゲートをお潜りください。繰り返します。入国準備が、完了しました。入国許可証を持って、ゲートをお潜りください……』

 スマホが入国許可証になっているらしい。つまり、この先に行けるのはアリス候補生のみということ。

 不思議の国へ。

 周りに人影はない。

 スマホをタップし、アンブッシュを発動する。

『アンブッシュが発動されました。発動者の半径十ヤード内のゲートを、強制解放します。繰り返します。アンブッシュが発動されました。発動者の半径十ヤード内のゲートを、強制解放します……』

 このアンブッシュを見抜く術はアリス候補者にない。潜ったらいつの間にか森の中にいるのだ。あるとすれば、私がアリスだと知っており、化粧室に向かったことを知っている場合のみ……。

 変身し、ちょうど控え室に当たるであろう位置で待機する。

 スマホで時間を確認する。白ウサギの話では、私たちの世界とこちらの世界の時間の流れは大差ないらしい。

 あと三分。流石にそれだけ経てば皆控え室に辿り着くだろう。

 あと三分経って誰も来なかったら、アンブッシュは取り止めだ。

 自分の属するユニットに敵がいないと分かっただけ、収穫だ。

 虚空に扉が開いた。

 こちらが側から観測するのは始めてた。木に身を隠し、様子を窺う。

 誰だ――あの五人の中の、一体誰が――。

 一番可能性が高いのは、一緒に化粧室にいたリゼだが――。

 扉から入り込んで来たのは……。

「――嘘」

 闖入者はスマホを確認する。出口を見るつもりだ。

 私は近場にあった石を投げつけた。高速で放たれた飛礫を、闖入者は避ける。

 木から姿を現し、闖入者に近づく。


「……アンタ、何者なの?」

「……何者って?」

「だってアンタ、アイドルじゃないじゃない……山田夕子」


 不思議の国に入国して来たのは、山田夕子マネージャーだった。無論、アイドルでも十代でもない。この世界に入る権利を持たない筈なのに、何故こんなところに――。


「答えなさいッ! アンタ、なんでこの世界に来られるのよ!」

「……」

「山田夕子……!」

「……意外と、行動力があるのね。……花森アリスちゃん」


 ――やはり、先のアンブッシュで正体を見られていたか。

「でも残念、大人はね、質問に答えないのよ」

 山田はスマホを掲げる。

「チッ、クソババアがッ――!」

 一気に接近し、拳を振り被る。

「――変身」

 山田は一瞬でアリスクイーンに変身した。

 ……若返っている。どう見てもクイーンは私と同い年にしか見えない。

 クイーンの胸部に拳が命中する。――だがやはりダメージがない。

 クイーンが杖を振り下ろす。だが緩慢だ。避けるのは造作もない。問題なのは――。


「アリスラビット……。非常に素早いが、攻撃力は並。……ってところね」

「そういうアンタは鈍いけど頑丈。相性が悪いのはお互い様みたいね」


 拳を固め、構える。怖れるべきは敵の防御力のみだ。それ以外は味噌っ滓程度の物。如何に強力な一撃を捻じ込めるかに、全てはかかっている――。

「あら、貴女より優れている点は、他にもあるわよ」

 言いながらトランプを生み出し、こちらへ投げつける。

 だが避けられない速度ではない。


「射程――だから何? そんなの当たらないわよ……!」

「当てたつもりはないわ」

「何――?」


 上空でトランプが爆発した。無数の木の葉が散ってくる。更にトランプを上空で爆発させ、無数の木の葉を舞い散らせる。

「小賢しい……!」

 一気に接近し――拳を振り被る。

 が――背後に妙な気配を察知する。

 咄嗟に避けた。無数のトランプが通り過ぎていく。


 トランプはある程度自由に操作できるらしい――!


 再び上空で爆発。無数の木の葉を散らす。

 木の葉の散る音に紛れて、トランプの軌道が読めない……!

 気づかれている……私が射程の長い武器に対して有利なのは、発射音や空を裂く音を聞く高い聴力を持つからだと。

 それを木の葉で紛らわされてしまえば、トランプの音を聞くのは至難の業……!


 だが――。


 再びトランプを避ける。

 聞こえない訳ではない。木の葉の散る音とトランプの飛ぶ音は全然違う。ただ集中力を要するだけで、避けられない訳じゃない。

 ただ問題なのは逃げられること。奴がマネージャーの立場を利用して、こちらの隙を突かれたら溜まったものではない。

 ――いや、その前に、足が動かなくなってきている。さっきライブをしたばっかりなのだから当然だ。敵は私と同じユニットだと思っていたから、体力面はイーブンだと考えていた。だが実際にはマネージャーだった。激務ではないとは言わないが、少なくとも踊りっ放しだった私よりは体力が残っている筈だ。


 どうすれば良い……?


 敵の姿は木に隠れて見えない。こそこそ隠れながらトランプを撃ってくるのだ。

 ――なら向こうからもこちらは見えない筈。トランプの軌道は数撃ちゃ当たるの出鱈目でたらめ軌道だ。だったら――!

 身をかがめ、地面に耳をつける。

 ――聞こえる。歩く音。遠退いてる。トランプをばら撒きながら退路を探っているのだ。

 ――位置は分かった。

 だが奴の防御力をどうする……?

 ……いや、手はある。

 クイーンの居場所へ最短ルートで接近する。高く跳躍し、木の幹を蹴って飛ぶ。アニメや映画みたいな動きだが、難なくこなすことができた。

 そのまま上空からクイーンめがけ回し蹴りを加える。

 敵は気づいていなかった。

 モロに喰らってそのまま吹っ飛ぶ。

「なっ……お前……!」

 突っ込んだ木のうろから恨めしげにクイーンが睨む。

「オラッ!」

 全身全霊を込めて投石した。地面に耳をつけた時、石が目についたのだ。落ちていた手ごろな石を幾つか拾い、投石することで攻撃すれば遠距離攻撃もできる。ラビットは速度には自信がある。その速度を生かして、高速で石を投げつければ相当の攻撃力になる筈――!

 だがトランプが展開された。石は爆破され防がれてしまった。

 再び投石。また防がれる。

「無駄だ! そんなちんけな攻撃、トランプの壁を越えはしない……!」

 もう一度投石。だが届かない。

「くどい! これで終わりよ!」

 無数のトランプが眼前に迫る。

 ――だがもう勝負は着いていた。

 手早く地面を蹴り上げる。無数の土塊が宙を舞った。トランプに触れ、爆破される。他のトランプも誘爆した。

「な――!?」

「種は割れてんのよ! そのトランプ、触れたらなんでも爆発するんでしょッ! だったら敢えて何かぶつけて誘爆させれてば良いッ……!」

 高く跳躍し、クイーンに狙いをつける。

 クイーンが構えた。

 素早く最後の石を投げつける。無論高速だ。敵に避ける速度はない。なら――。

 トランプを展開した。石を爆破する代わりに、他のトランプも誘爆する。

 そのまま落下――踵落としを脳天に決めた。


「――あ、が……!」


 だがクイーンの体は元のまま。ページ状にならない。

 私は地に降り、そのままクイーンを蹴り飛ばしてノックバックさせる。さらに蹴り入れ、吹っ飛ばす。木の幹にぶつかってもまだ、ページ状にならない。

 更に蹴り込む。何度も、何度も、ページ状になるまで……。


「ま、待って……こうさ――」

「この戦いに降参はない」


 数十発目の蹴りでやっとページ状になった。


 ……やっぱり堅い。とてつもない耐久力だ。

 クイーンが地に伏す。変身が解けた。だが気絶している。やり過ぎたようだ。

「すごいねアリス。二人目のアリス候補生を倒してしまうなんて」

 気づくと白ウサギが傍らにいた。


「あんたいたの」

「酷いなぁ、ずっと影から応援してたのに」

「応援ありがとう。それよりこいつよ」


 山田夕子に近づき、服を探る。既にページ化は始まっている。


「何してるのさ?」

「私はこいつの車に乗って移動してたのよ? ってことは――あった……!」


 財布から運転免許証を取り出す。

「名前は山田夕子。間違いない。生年月日は……一九九〇年五月二十七日……。やっぱりこいつ、二十五だわ。写真だって合ってる。あ……」

 免許証もバラバラになって消えてしまった。もうアリスクイーンの姿はない。


「白ウサギ。どういうことなの? アリスになれるのは、十代女子のアイドルだけだったんじゃなかったの? あいつどう若作りしても十代には見えないわよ?」

「……」

「答えなさいよッ!」


 白ウサギの両耳を掴み、顔を寄せる。


「ご、ごめん。ただ、何事にも例外はあるって言うか……」

「何それ? じゃあ四十路の分を弁えないオバサンがこんなコスプレして敵になるかも、っつーの? 鳥肌立つんだけど」

「ね、年齢なんて関係ないよ。勝てば良い話じゃないか」

「……」


 白ウサギの桃色の両目を睨みつける。心成しか、涙目になっているようにも見える。

 ……これ以上締めても無駄そうね。

「それもそうね。勝てば良い話だし、実際勝ったわ」

 だがどうにも解せない。何故アイドルでも十代でもない人間が……。

 でも今は取り敢えず帰ろう。本当にクタクタだ。

 スマホで出口を確認し、重い足を引きずりながら出口に向かった。


   *


 少女たちは不思議の国にいた。

 一人は大木を巨人の豪腕のように振り回し、一人は身の丈ほどもある大剣で大木を両断していた。

「アンタ――アンタ何者なのよ――!?」

 巨木を担いだアリスマーチヘアが叫ぶ。相手は答えず、バキバキと歪な歯軋りの音を立てながら徐に接近する。

「く――来るなぁぁぁッ!」

 大木を投げつける。剣の一振りで木は両断される。

 そのまま剣はいとも簡単にアリスマーチヘアを両断した。切れ目には血肉の変わりに無数のトランプが詰まっていた。

「嘘――何で――? アリス・ウォーの参加者は『七人』の筈……」

 散り散りバラバラになる肉体に未練がましい怨念をぶつけながら、少女は叫ぶ。


「私は……! 私はトップアイドルになって……いずれは歌手になる夢があったのに……! アンタ、一体誰なのよ……!?」


 アリスマーチヘアは消滅した。

 アリスマーチヘアを倒した『八人目のアリス』は、バキバキと歯軋りを音を立てながら笑った。

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