第八話『キングオブフラグ』

僕の武器などの、買い物などを済ませて、僕らは宿泊の準備をする。


「コータ、一緒に焚き木を探しに行くわよ」

と活発少女カナデが、僕を誘って枯れ木を探しに行くことになった。基本的には、毎日、キャンプということになるのだろうか。


「基本的には、キャンプなの?」

と枯れ木を拾いながら、僕がカナデに聞く。テントはキョウちゃんとヒビキさんが組み立ててるようだった。


「キャンプ??外で泊まるかってこと??そうね、宿屋に泊まることもないとは言えないけど」

と、説明してくれた。宿屋に泊まることもあるらしい、街に来た時はリッチに泊まるみたいなことだろうか。


「今は温かい季節だから、お風呂も水浴びでいいことも多いしね」と、カナデが言う。ああ!宿屋に泊まる一番の理由はだいたい、それになるよな、とカナデの説明を聞いて、思い至った。


「はっ!それはフラグ!?」

と、僕は気がついた。

それはライトノベルの伝統的なフラグ、そう『キングオブフラグ!!』「うっかり覗いちゃうやーつ」ではないかと。

ツンデレ美女に「絶対に許さない!!」って言われるやつだ。うん、言われたい。


「挿絵用のうっかり覗いちゃうイベント!?!?」

と、ついカナデに聞いてしまう。この世界の住人にイベントとか使っても伝わらないことには、言った直後気がついた。そもそも、現実世界でも女性に伝わるかは怪しいぞ!と自分に思った。


「イベント??なに言ってるの??」

とカナデは、またコータが変なことを言い出したよ!とこちらに怪しい人をみる表情を向ける。ぐっと乗り出して、顔をじっと見つめる。そして、はっと気がつく。


「まさか、覗くつもりね!」

とカナデが言う。いやいや、と首を振る僕。めっそうもございません。


「もちろん、覗いたら・・・」

と、ニッコリ笑顔を見せるカナデ。笑顔を見て、え、見ていいのと一瞬思った。


「斬る!」

と、帯刀している剣の柄を握り、少しだけ刃を見せる。

キラーンと反射光が僕の目に入る。あ、ヤバイ死ぬと思った。


「覗かない覗かない!」と笑い返す僕。


うん、完全なるフラグが立ってますな。

死なないといいんだけど・・・。


「異世界の旅って実際には何をするんだろう」

と僕は疑問に思った。


昔のライトノベルとかもずっと旅ばかりしてるから、基本的には、毎日テントで寝てたのだろうか、と思った。その割にはリュックの描写はあまりないような気がした。みんな軽装だった気がする。


暖かい国なら藁でも引いて寝るのだろうか。

イメージとしては、名のある剣士が焚き火をしながら、剣を抱えて、寝ていて、怪しい敵が来たら、さっとナイフを投げて、『なにもの?』っとやる一連のあれを思い浮かべた。


僕もその役割なのだろうか、あんな眠りの浅そうな寝方はつらいなぁ、僕的には一日八時間しっかりお布団、いや『オフトゥン』で寝たいんですけど!!


そうこうしてるとだいたい枯れ木が集まった。

「ヒビキちゃーん、集めてきたよ〜!!」とカナデが言った。

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