第四話『人類の英知、インターネット最高!!』

ピーンと五百円玉を親指で上空に弾く。

そして、降りてきた五百円玉をキャッチして言う。

「この五百円玉に興味はありませんか『ガァブリン』さん!!」

僕がドヤ顔でそう言った。


なぜか、検索できる僕のスマホにより『ゴブリン - 単純で騙されやすい。お金が好き』という記述を見て作戦をたてる。カナデの強力がもちろん必要だ、僕に攻撃力はない。


「カナデっち!!」

と、僕が只今絶賛戦闘中の活発少女カナデに話しかける。


「なに!?いま忙しいんだけど!!」

ガキン、ガキイイインと、ゴブリンと剣を打ちあいながら、僕の問いかけに応えるカナデ。

忙しいのはもちろん知っていた、悪いなと思ったが、このままだと、勝敗は五分五分。


FPSゲームなどをやるとわかるが、正面で打ち合ったら、だいたい、相打ちになる。どちらが勝つかは運の要素が大きくなる。


背後か、横から攻撃しないと、運の要素が大きくなる。

それは良くない。美少女剣士が死んだら、人類の損失だ。


「今から、僕が、ゴブリンの気をそらすから、その隙に、後ろから斬りつけてくれ!」

「え?」とカナデが驚く。


「そんなこと出来るの?このゴブリンもう私にくびったけって感じだけど・・・」

と更にガキッ、ガキイイイン打ち合うカナデ。

かなりゴブリンはカナデに首ったけなようだった。


「できるよ!」

と、言って、もう一度、五百円玉をピーンと上空に飛ばす。僕は、ゴブリンの目がこちらを追っているのに気がついていた。


「この五百円玉に興味はありませんか『ガァブリン』さん!!」

と、またおなじことを言った。

表情を見ればわかる、『ガァブリン』は五百円玉に『興味』がある!!


そして、くっと、手首を手前に振って勢いをつけて五百円玉を『投げ』た!!


僕の狙い通り、ゴブリンにとって、すこし左後ろに落ちた。


その瞬間絶賛戦闘中だったカナデが「え、うそでしょ!」と言った。


僕はにやりと笑う。


ゴブリンは戦いを放棄して、回れ右、じゃなくて、回れ左して五百円玉を拾いに言ったのだ


そう、ゴブリンは


『単純で騙されやすい』


のだ。


「え、いいの??」という顔をしているカナデ。

「うん、やっちゃって!」と僕は言う。


僕がそう言うと、カナデが刀をすっと動かし、ゴブリンを斬りつけた。そして、あっさり倒した。


「す、すごい!!」と大喜びのカナデ。

「変な人すごい」とちいさい少女キョウも言う。


「あなた凄いわね!!コータ!!」

とカナデが言う。


「ふふふ、たまたまたですよ。」

と、謙遜する僕。

実際たまたま、役に立つことが書いてあっただけという側面がある、次からもこういくとは限らない。


とはいえ、「人類の英知、インターネット最高!!」

と叫ばずにはいられなかった。


それを見てちいさな少女キョウが

「また叫んでる!」

と言って笑った。

カナデも笑っていた。

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