第四百三話 『何百人で作ってる』

「あ、それはいいタイミングだったかも。次はサラのクッキングだよ!」

サラが言う。


「なるほど!それはいいね!」

サクラダは言った。


===

「というわけで、おにいちゃんもおうち連れて行ってみんなでごはんたべよう!」

サラがみんなに言う。

僕と奈緒子も喜んで賛成した。

あのサクラダさんとごはんを食べれる機会なんて普通はない。それを差し引いてもサラの兄妹だ興味がありすぎる。


「料理のスキルはあげなくていいの?」

僕が聞く。

今までやっていたのは素材のレベルを上げる下準備だった。今のままだと素材は美味しくなったが、料理スキルは同じままだ。


「そっか、どうやったらレベル上がるんだろ?」

サラはちらりと三人を見た。


「もうなにか料理のスキルは持ってるの?」

サクラダさんがサラに聞く。


「『料理人見習い - クックアシスタント』があるよ!」

サラが言う。

知らないうちに彼女が身につけていたスキルだった。

それをつかってドラゴンを料理してくれたのだった。


「そっか、なら料理してたら上がると思うよ。包丁とか装備すればさらに上位のスキルがつくはず」

サクラダが言う。

そうこの『ラスト・オンライン』は武器にスキルがつく仕組み。包丁にはそういうスキルがつきやすいのだ。


「今お金はあるから、良い包丁揃えるといいね」

僕が言った。

そうすれば彼女ならどんどん良い料理スキルを覚えることだろう。


「じゃ、またショッピングしよう!」

サラが言う。


「「「了解!」」」」

三人は了解して、またショッピングモールに向かった。


「どーれーにしようかーなー!」

サラはそう言いながら包丁やらいろいろな料理道具を選んでいた。


「私も少しお料理練習してきました! なので私も包丁解体です!」

奈緒子が言う。

むかしサラがドラゴノスの肉を料理してくれていたときは、あまり料理ができないといっていたが、練習したらしい。


「じゃ、二人はそこで話でもしてて!」

サラはお気楽にそういってふたりをほったらかした。


「はじめまして、ジュンくん!」

サクラダさんは言った。


「はじめまして、サクラダせいやさん!『ラスト・オンライン』を作った方にお会いできて光栄です!」

僕は挨拶を返した。


「いやいやいや!『ラスト・オンライン』は何百人で作ってるからね!僕が作ったと言ったら怒られるよ!ヴァーチャルウォーカーを『ラスト・オンライン』に最適化するプログラムは僕が1人で書いたけどね!」

サクラダはえっへん!と胸を張った。


「サラそっくり・・・」

僕はつぶやいた。

サラは二卵性双生児の男女だから全然似てないといっていたが、そっくりすぎる。


「ふふ。そうかい?サラと一緒にゲームがしたくて一生懸命作ったんだよ!サラはこのゲームを楽しめてるかな?」

サクラダさんは僕に聞いた。


「それはもう!最強です!」

僕は笑った。


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