第四百二話 『金メダル』

「すごいですね!双子で世界的に有名なゲームクリエイターと金メダリストなんて!」

奈緒子が言う。


「え?そうなの?」

僕は言った。


===

「高校生で陸上の金メダルとった、桜田恭子ちゃんですよ!」

奈緒子が言う。


「え?そうなの?」

僕が言う。そんなの全然知らなかった。

弓使いの絵里花がうっとりするほどすごいサラの実力はそんなにもすごかったのか。


「毎日テレビ出てたじゃないですか!」

奈緒子が言う。

彼女にとっては毎日見ている人なのだろう。


「テレビ見ないからしらなかった・・・」

僕は言った。

そう全然知らなかった。桜田せいやさんは伝説の人なのでもちろん知っているのだが。


「僕の方を知ってる方がめずらしいよね」

サクラダさんが笑った。


「そうだね。高校生で金メダルとるの珍しいみたい!私は一生懸命走ってたら、金メダルくれただけだから、よくわからないけど!」

サラは言った。たくさんの人に珍しい珍しい言われたのだろう。


「すごい。天才の意見だ」

僕はいう。


「おにいちゃんだって高校生でおくまんちょーじゃなんでしょ?」

サラが言う。億万長者のことだろろう。サラがこの漢字を思い浮かべているかどうかはかなりあやしかったけど。


「ヴァーチャルウォーカー社をアーカイブ社に売却したからだね。3桁億円と噂の・・・」

僕が言う。この『ラスト・オンライン』の開発元である、アーカイブ社が、このVRマシン、ヴァーチャルウォーカーそのものを買い取ったからだ。


「そうそう。それでゲームのアドバイスもさせてもらってる感じだね。さて、どう?このヴァーチャルウォーカーで世界中を旅した感想は?」

サクラダがサラに聞く。


「最高!楽しいよ!ゲームは難しくてわからないこともおおいけど、奈緒子ちゃんとジュンが教えてくれるしね!」

サラはそう言って笑った。


「よかった。頑張って開発したかいがあるよ。サラがゲームで遊んでくれなくなったから、サラの身体能力がそのままコントローラーになるゲームを作ったんだ」

サクラダさんが言う。


「天才の発想すぎる・・・」

僕は言う。妹とゲームをするためにこのとんでもないVRゲームを作ったと言うのだ。


「だって、お兄ちゃんがやってるゲーム難しすぎるんだもん!」

サラが訴える。

たしかにゲームはハマればハマるほどより複雑なゲームをやるようになってしまう。


「ラスト・オンラインは初心者でも楽しめるもんね」

僕が言う。


「そのとおり!実際、私でも楽しめます!」

サラはえっへんという。


「もうちょっと頑張ってコマンドとか覚えてもいいと思うけどね!」

僕が笑う。


「というわけで遊びに来たんだよ!一緒にゲームをしようサラ!次はなにするの?」

サクラダは言う。


「あ、それはいいタイミングだったかも。次はサラのクッキングだよ!」

サラが言う。


「なるほど!それはいいね!」

サクラダは言った。



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