第三百八十九話 『マスターする頃』

「ふっふっふ。それだけじゃないのだ!アスカちゃんが考えてくれた、サラ仕様なのだ!」

サラはそう言って、アスカに微笑んだ。

そこにはサラならではの秘密が隠されているということだった。それは楽しみだ。


「ねー!」

活動的弓矢使い少女二人は声を合わせて微笑んだ。


===

「へー、それは楽しみだね!」

僕は言う。

プロの意見を簡単に聞けるのがこういうオンラインゲームのいいところだ。


「そう、私も楽しみ!」

サラが言う。

彼女もまだやったことないアイデアだ。

実験と言えるだろう。そうやって上達していくのだ。


「うん、私も楽しみなんだよ!」

アスカが言う。

彼女のアイデアによりサラが一弾と強くなっていく。

その結果はいずれわかる。


「よかったな、アスカ、サラちゃんと遊んでもらえて!ずっと遊んでほしそうにしてたもんな」

サヤカが言う。姉御肌の彼女は軽くアスカをからかった。遊んでほしそうにしていたらしかった。なかなか彼女らしい。


「あ、サヤねぇさま!それはいっちゃだめですよぉ!!」

アスカが抗議する。

三人の間ではよくサラの話がでていたのだろう。

アスカもサラに興味を持っていたようだった。


「うん、また遊ぼうね!いまからこれ試してくるからマスターした頃にみんなででっかいのを借りに行こう!」

サラはでかいののモノマネをしつつみんなに言った。

両手を広げバタバタしている。

そんじょそこらのでっかいのではないようだった。


「明らかにドラゴン・・・」

僕がサラに突っ込む。

いきなりでかい目標を立てるサラである。


「いいですね!また皆さんで行きましょう!そしてお料理パーティですね!」

奈緒子が手を振って喜んでいることを伝える。

このレベルの使い手が6人いれば確かにドラゴンもゲットできるかもしれない。


「お料理パーティ!楽しみなんだよ!いつマスターできる?」

アスカがぴょんびょん飛び跳ねながら聞いた。

今手に入れた『籠手弓矢 - アローガントレット』をマスターしたらみんなで遊びにいく約束だ。


「サラちゃんなら今日マスターしちゃうかも!」

エリカは嬉しそうに言った。

サラが今日マスターしたら明日遊べる計算になる。


「たしかに、あってもおかしくない!」

僕も笑う。

サラが体術的な技術をマスターするのに何日もかかるイメージはまったくない。


「ゲームのアイテム名を覚えるとかだったら・・・1年とかかかるかもだけど・・・」

僕は言いながら恐る恐るサラの方を見た。

下手したらサラにビリビリされてしまえかもしれないと思いながら思い切って冗談を言ってみた。


「たしかに!それはかかる!」

サラはケロッと笑っていった。

アイテムの名前を覚えるのはほんとに苦手そうだった。


「よし!買い物終了!さぁ、狩りをマスターしに行こう!」

サラはにっこり笑っていった!


【おねがい!】

サラちゃんにビリビリされたくなかったら!

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