第三百八十八話 『決めた』

「アスカちゃんもいろいろ試して、いまの『籠手弓矢 - アローガントレット』になったから、とても参考になると思います!ああ、それにしてもサラちゃんとお料理楽しみですね」

エリカはうっとりしている。

よほど楽しみなのだろう。


「よし!これに決めたんだよ!」

サラは弓矢を手にとって言った。


===

「おお、何にしたの?」

僕が聞く。

サラはアスカちゃんと相談して、片手で打てる弓矢を探していた。そして決めたみたいだった。


「じゃじゃーん!これ!」

サラは両手にそれをもって僕たちに見せた。

いいでしょ!と自慢げにみんなに見えるように動かした。


「あ、アスカさんと同じ『籠手弓矢 - アローガントレット』にしたんですね!」

奈緒子が言う。

結構相談していたけど、同じものにしたみたいだった。

プロのアスカちゃんが結局これがいいということなのだろう。


「いろいろ相談したけど、同じのにしたの?」

僕がサラとアスカちゃんに聞く。

他の種類のものも結構見ていたみたいだけど、最終敵に、それになったらしい。


「そう、いろいろ教えてもらっただけと、難しそうだったんだよね。属性がどうとかスピードがどうとか、ちんぷんかんぷん・・・!」

ボンと頭が爆発しそうなサラは言った。


「なるほど、そういう種類がいろいろあるのか」

僕がうなずく。

その種類の多さが『ラスト・オンライン』の売りであった。


「そうなんだよ!重いのから軽いの、小さいのから大きいのまでいろいろあるんだよ!」

アスカちゃんが僕たちに説明する。

いろいろ試した結果ノーマルなタイプがいいという結論に彼女もなったのだろう。そして体格の近いサラもこれがよいという結論になったのだろう。


「ただ、アスカちゃんのとは違う部分もあるよ!」

サラが言う。

基本的なサイズは同じものにしたみたいだけど、少しカスタマイズするということなのだろう。


「そう、今回は狩りがやりたいということだから、狩り用のカスタマイズなんだよ!」

アスカちゃんは説明した。

狩り用のカスタマイズ!

どんな感じなんだろう。


「じゃじゃーん!」

サラが僕たちに見せる。

そこにはアスカちゃんの『籠手弓矢 - アローガントレット』にはついていないものがついていた。


「おお、ロープ!」

僕が言う。

アスカちゃんのにはついていない狩り用の装備はロープだった。


「すごい良いですね!それで獲物を捕獲できるんですね!」

奈緒子が言った。

それは便利そうだった。

倒した後見失うこともないし、複雑な地形で倒した場合も回収できる。


「ふっふっふ。それだけじゃないのだ!アスカちゃんが考えてくれた、サラ仕様なのだ!」

サラはそう言って、アスカに微笑んだ。

そこにはサラならではの秘密が隠されているということだった。それは楽しみだ。


「ねー!」

活動的弓矢使い少女二人は声を合わせて微笑んだ。


===

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