第三百八十七話 『プロ』

「ドラゴンの肉を手に入れるのが目標だもんね。それはいいね。ぜひ一緒に来てほしい」

僕が言う。

彼女たちは弓のエキスパート一緒に来てくれるなら心強い。


「うれしい!じゃぁID交換して下さい!」

エリカは顔を明るくして言った。これでいつでも連絡が取れるようになった。


===

「それでなんで私の話してたの?」

アスカがサラに聞く。

そう、サラはこの弓屋でアスカが使っていた武器が欲しいと思い僕たちに話していたのだった。


「そう、狩りやってみたんだけど、普通の弓矢だと難しくてアスカちゃんが使ってたのがほしいなと思って、ちょうど本人に会えたからラッキーなんだよ!どれを買えばいいかな?」

サラがアスカに聞く。

そう、ちょうどよくエキスパートに聞くことができたといえる。使う人が少ない武器と言えるので使い手に聞けるのはとても助かることなのだ。


「『籠手弓矢 - アローガントレット』つかうの!いいね!なんでも教えてあげるんだよ!」

アスカは目を輝かせて言う。

この二人と一緒にチームを組んでいるから後輩気質に見えるけれど、実は姉御肌なのかもしれない。


「どんな種類があるの?」

サラがアスカに聞く。

そこからサラの質問攻めが始まった。そしてアスカはそれを嬉しそうにいろいろ答えていた。


「サラちゃんも『籠手弓矢 - アローガントレット』を使うのかい?」

サヤカが僕に聞いてきた。

彼女は現実の世界では彼女たちの部活の副主将で面倒見が良さそうなタイプだった。


「そうなんですよ。狩りのために弓矢を練習している最中に、彼女にぴったりのものを思いついてここに来たら、プロに教えてもらえたのでラッキーです!」

僕がサヤカに説明する。

するとそれを聞いていた。アスカが反応した!


「プロ!私のことね!さすがジュンはわかってるんだよ!」

アスカはこちらの話にも耳を傾けていた。

笑顔でぴょんぴょんはねながらこっちの話にも参加していた。サラにも丁寧に説明しながらだ。


「耳何個ついてるんだ・・・」

僕は笑った。

女子はそういう並列な処理が得意というが、アスカはいまサラに完全につきっきりで教えている状態だったのですごいなと思った。


「アスカはサラちゃんに集中しなさい!」

サヤカがアスカに言う。

はーい、といいながらサラに対する説明を続けた。

器用な少女だった。


「アスカちゃんもいろいろ試して、いまの『籠手弓矢 - アローガントレット』になったから、とても参考になると思います!ああ、それにしてもサラちゃんとお料理楽しみですね」

エリカはうっとりしている。

よほど楽しみなのだろう。


「よし!これに決めたんだよ!」

サラは弓矢を手にとって言った。


===

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