第三百五十一話『同じ状況』

「キャンセル攻撃?もさんすくみ?もよくわからないけど目の前の敵を倒したいとおもったらできた!」

サラは元気よく言った。


「天才のそれだ」

僕は笑った。そしてウォーマシンは立ち上がった。


===

「ゲームの仕組みをわかってなくても、大活躍できるのが『ラスト・オンライン』の素晴らしいところだなー」

僕が言う。心からそう思っている、VRのすごいところは、自分の体そのものがコントローラーになるから特別な知識がいらない。ただこの世界を楽しめば良い。


「ほんとに素晴らしいですね!サラちゃんの運動能力も素晴らしいです!」

奈緒子も僕に言う。誰に言われなくてもその能力を発揮できるサラもすごい。


「えへへへ、照れますな」

サラはにっこり笑った。


「さて、起き上がってきたよ、どうする?」

僕が二人に聞く。サラのフェイント攻撃が通用することはわかった。そこからウェーマシンに大ダメージを与えなければならない。


「私と奈緒子ちゃんで惹きつけて、ジュンがとどめをさす感じで行こっか」

サラが二人に提案する。つまりいつもの作戦ということだった。そして今のサラにはフェイントもある。チャンスすはつかめるはずだ。


「「了解」」

僕と奈緒子はそれで理解した。


「『ファイヤーショット』」

奈緒子は炎の上級呪文を放つ。

いつものようにまずは、奈緒子の遠隔攻撃で動きを作り出す。


「グオォォォォォ」

ウォーマシンはその攻撃を避ける。

ウォーマシンは我々三人を確認しながら確実に危険を回避していく。


「避けるんだよなぁ」

僕がつぶやく。魔法を普通に避けてくる敵なんてなかなか出てこない。それだけ僕らとタカヒロたちのチームの実力が拮抗しているのだろう。むちゃくちゃ強い敵がでてこないと決着がつかない。


「その避けるのは読んでいましたキィィィィック!」

サラがそう叫びながら蹴りを放つ。

サラはこういう空間認識能力が異常に高い。

3D空間で人がどう動くのかを予測する能力が非常に長けている。


「グオォォォォォ」

ウォーマシンがダメージを受けて唸る。


「さっきと同じ状況になったね。格闘家と魔法使いに挟まれた状態だ」

僕が説明する。そう、そしてその時ウォーマシンが取る行動は


「魔法使いを狙うだね」

サラがそう言いながら、 奈緒子の方に走っていく。


「サラの速度でも流石に間に合わないか」

僕がつぶやく。


「それは想定内なんだよ!奈緒子ちゃん自分にショートワープを使って!」

サラが奈緒子に指示をだす。


「はい、わかりました!」

奈緒子は言った。


『ショートワープ』


奈緒子はその場から消えた。


「よし、これなら間に合うんだよ!サラキィィィィック!」

サラはそう言って飛び蹴りを放った。


そしてウォーマシンは蹴飛ばされ、僕の方に飛んできた。背中を向けたまま。


「さぁ、僕の番だね」

僕はSSSランクの武器『神の剣 - デュランダル』を抜いた

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る