第三百五十二話『ウォマシンちゃん』
そしてウォーマシンは蹴飛ばされ、僕の方に飛んできた。背中を向けたまま。
「さぁ、僕の番だね」
僕はSSSランクの武器『神の剣 - デュランダル』を抜いた
===
「うぉぉぉぉぉぉぉ」
僕は最強の武器『神の剣 - デュランダル』を抜いて、後ろ向きに飛ばされてきているウォーマシンに向かって斬りかかった。
「なるほど」
その様子を見ていた敵チームのタカヒロがつぶやく。
この後起こることを彼は予想したようだった。彼は僕らの能力を正しく把握し始めている。
「グォォォォ」
ウォーマシンはサラに飛ばされて僕の方に移動していたが、足をついて一気に姿勢を低くした。この後起きることをまるで予測していたかのように!
「え、すごい」
その様子を見ていたサラが言う。
「外した!」
僕が大きく振りかぶって放った横一文字斬りが空振りした。そう、ウォーマシンのその行動により僕の当たるはずの攻撃が当たらなかった。
「グオォォォォォ」
そしてそのままウォーマシンは大きく後ろ蹴りを放った。攻撃を避けたあと、一気に形勢逆転して僕に攻撃をした。
「うわぁぁぁぁぁぁ」
僕はその蹴りにより大きく吹き飛ばされてしまった。
「後ろに目でもあるのか・・・」
僕はつぶやいた。目前で対峙しているならともかく、後ろにいる敵の攻撃を避けて、さらに攻撃してくるという芸当をウォーマシンは行った。
「なるほど、すごいね。先に全体を把握してたんだ!これは手強いぞー!」
サラは嬉しそうに言った。
「なるほど、そういうことか」
僕はそう言いながら立ち上がった。
「どういうこと?」
サラは僕に聞く。
「FPSの達人のゲームプレイが動画に上がっていることがあるんだけど」
僕が説明を始める
「ふむふむ」
サラはうなずく。
「その動画は視線の位置が赤くなるシステムを導入して、プロがどこを見ているのかわかったりするんだけど」
僕が言う。
「へー、すごいね」
サラが言う。
「プロはかなり全体を見ていて、最初の方にサラっと見えた敵の位置を覚えていて、そろそろここにくるだろうな、というところに爆弾を置いておいたりするんだ」
僕が説明する。
「え、すごい。いまの敵の位置を実際に見ていなくても、だいたいわかっちゃうわけね!私もそういうの得意!」
サラが言う。
「サラも得意だと思う。天性のカンでやっているように見えるけど実際には少ない情報で予測しているんだと思う」
僕が説明する。
「なるほどなるほど」
サラがうなずく。
「『ラスト・オンライン』は200万人のプレイヤーの動きを解析してAIとして動きを作っているから、そういう達人クラスの人が敵AIとして出てくるんだね。これは強すぎる・・・」
僕が説明する。
「ふむふむ、面白いね」
サラが笑った。
「おもしろいけど、ピンチだね」
僕がつぶやく。
「ピンチはチャンス!私達なら勝てるよ!さ、かかってきなさいウォマシンちゃん!」
サラはそう言って、独特のセンスでウォーマシンの略称で呼んだ。
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