第三百二十五話『漫才』

「あー、それそれ!二卵性双生児!・・・知ってましたよ?」

サラが半疑問形で僕の方をみながら呟いた。


「そうか、男女の兄弟だから、サラたちは二卵性双生児なんだね。彼女たちは一卵性双生児だから、そっくりだね」

僕はそうつぶやく。


「よし、というわけで双子対決だね!」

ビシッとポーズを取ってサラが言った!


---

「漫才はおわったかしら?」

双子の美少女の姉ララがそう言う。

サラのビシッとポーズをサラリとスルーした。


「姉様、いきなり失礼ですよ!」

双子の美少女の妹ルルがそう言う。


「だって、タカヒロを差し置いて、どうでもいい話をずっとしてるんだもの!」

双子の美少女の姉ララが続けてそう言う。


どうでもいい話扱いされた・・・。

怒っているかな、と思って、ちらりとサラの方を見る僕。


「あ、私達の話が漫才みたいだって!腕を上げたものだね!私達も!」

サラが嬉しそうに言う。


全くもって杞憂だった・・・。


「いや・・・サラ・・・多分褒めてないと思うよ・・・」

僕はサラにそう言う。

彼女たちが言っているのは、早く戦おう、そういうことだろう。

彼女たちはおそらくかなり強い。ここまで来ているのだから無違いはないだろう。


「さらに漫才を続けるつもりね!そんなことしている間に私達は次に進むわ!」

双子の美少女の姉ララはそう言う。


「ほら、やっぱり・・・」

僕はつぶやく。


すると、第五ステージの敵が現れた。


「うわ・・・マジ・・・」

僕はそのモンスターを見てつぶやく。

そう、そのモンスターに僕は見覚えがあった。

とても手強いモンスターの記憶が蘇る。


「わっ!また出た!!」

美少女格闘家のサラがつぶやく。


「出ちゃいましたね!」

美少女魔法使いの奈緒子もつぶやく。


「今度は三体か・・・」

僕はさらにつぶやく。


「2体であんなに大変だったのにー!!」

サラは空中に向かって叫ぶ。


そう、今度は・・・


「「「『キングウォーゴーレム』三体!!」」」

僕とサラと奈緒子は三人揃って言った。


僕らが元A級珊瑚達を倒してしまった『キングウォーゴーレム』2体にさらに1体を加えた、新たな敵『キングウォーゴーレム』3体を目にして戸惑っていると、ララがにっこり笑ってつぶやく。


「なんだ!さっき倒したやつじゃない!」

ララが言う。


「姉様、そうですね」

妹のルルも言う。

強敵ですよ、とたしなめるのかと思ったけどそんなことはなく、ただ静かに同意した。


「そうだね」

SS級の武器グングニルを持っているタカヒロも言う。


「僕達の敵じゃなさそうだ」

タカヒロもつぶやく。


「え?」

僕は驚く。

あの、珊瑚達を苦しめて、僕らもなんとか倒した『キングウォーゴーレム』に対して、自分たちの敵じゃないと彼はそう言った。


「あなた達がのんびりしている間に、サッと次に進ませてもらうわ!」

双子の美少女の姉ララがそう言って走り出した。


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