第二百六十六話『コンビネーション』

「なんちゅー技だ・・・」

と僕が呟く。

思い付いても出来ない・・・普通・・・。


「『アーマードリザードマン』の頭を後ろから両手で叩いた!!」

と僕が叫ぶ!


「バッチリですサラちゃん!」

と言いながら奈緒子は魔法を唱えた!

サラが『アーマードリザードマン』の頭部を後ろから攻撃したことにより、モンスターは前のめりに倒れた。

そしてこの瞬間は無敵時間で攻撃をうけつけない。


「いきます!」

と奈緒子は言って魔法を発動させた。


そして彼女に光が集まっていく。


『ファイヤーショット』


と、炎の弾を発射する魔法を唱えた。

この魔法は『ファイヤー』とは違ってしっかりと弾のようなものがでるので、弾道を読みやすい、という特徴がある。


なので自分のタイミングで当てやすい!


奈緒子は弾が届く瞬間に無敵時間が消えるであろうタイミングで魔法を放った。


「グエェェェェェェ」

と『アーマードリザードマン』が唸り声をあげる。

そう、その炎の弾はしっかりとモンスターに当たり、燃えた。

そして、そのダメージでHPが0になって、光のエフェクトとともに消滅した。


「すごい、奈緒子ちゃんやった!!」

と、サラが喜びながらスチャッと前転から着地して振り向いた。

サラも超難度の攻撃を簡単そうにやってのけて、奈緒子の技に喜ぶ。


「すごいな・・・ほんとに出来るとは・・・」

と、僕が言う。

思っていたよりもずっとすごい二人の技を見て僕は驚く。

そう、想像していたものよりすごいコンビネーションだった。


「え?出来ないと思ってたの?」

とサラが聞く。


「いや、出来るとは思ったけど、これはかなり難しいんだよ!遠隔攻撃でタイミングをあわせるというのは、要はとどくまでの時間も逆算しているということなんだ」

と、僕が言う。


「だから、遠隔攻撃に合わせて近距離攻撃をするより、近距離攻撃に合わせて遠距離攻撃を当てるのは遥かに難しいんだ!だから彼女たちは弓、蹴り、剣の順番なんだ!」

と更に僕が説明する。


そう、遠隔攻撃をタイミングよく当てるなんてことは普通はできない・・・

それを奈緒子はサラッとやってのけた!


「なんとか出来ましたね!サラちゃんの攻撃が見やすかったからですよ!」

と奈緒子は微笑んだ。


「いや、これはかなり難しい・・・すごいな奈緒子・・・」

と僕が呟く。


その様子をアキラ、サクラ、レイラの三人も見ていた。


「奈緒子ちゃんすごいね!」

と弓矢使いのレイラが言う。


「なかなかやるわね!」

とサクラが腕を組みながら言う。


「すごい!弓に蹴りを合わせるのだってかなり難しい」

とアキラが言う。


彼女たちはその難易度をよくわかっているようだった。

もちろん試したことがあるんだろう。

その結果、矢、蹴り、剣の順番を編み出したのだろう。


「さ、追いつかれる前に、どんどん行くわよ!」

と、剣士のサクラが走りだした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る