第二百六十七話『走れる』
「すごい!弓に蹴りを合わせるのだってかなり難しい」
とアキラが言う。
彼女たちはその難易度をよくわかっているようだった。
もちろん試したことがあるんだろう。
その結果、矢、蹴り、剣の順番を編み出したのだろう。
「さ、追いつかれる前に、どんどん行くわよ!」
と、剣士のサクラが走りだした。
サクラたちは、『アーマードリザードマン』に向かって行った。
そして、弓矢使いのレイラがグッと弓を引く。
「よし、行くわよ!」
と、レイラがアキラとサクラの後ろから言う。
いつものようにそのまま打つと、どちらかにあたってしまう状態だ。
「いいわよ!」
と剣士のサクラが言い。
「わかった」
とアキラが言う。
「はい!」
と言いながらレイラが矢を放つ。
いつもと同じように、格闘家のアキラがしゃがみ、剣士のサクラがジャンプする。
その隙間から、『アーマードリザードマン』に矢が当たる。
その直後、無敵時間が終わった瞬間に、格闘家のアキラがしゃがみ攻撃で『アーマードリザードマン』を転倒させる!
「ナイス!アキラ!」
と言いながら、その倒れた『アーマードリザードマン』に対して、剣を突き刺す!
「うん、すごい、また一瞬で倒した!」
と僕が驚く。
「すごい、まったく同じようにやったね。同じことをやるのってむずかしいよねぇ」
とサラが言う。
「確かにサラは苦手そうだね!」
と僕が笑う。
「そうなのよね!」
てへへ、とサラが微笑む。
そのかわり誰もやったことないようなことをいきなり成功させるというのが得意なサラだ。
「しかも、三人のコンビネーションだからね、自分ひとりだけでもまったく同じようにプレイするのってすごく難しいのに・・・」
と僕が言う。
「とはいえ、この戦法すごいけど、気になることはあるな・・・」
と僕は言う。
「気になること?」
とサラが言う。
「そう、アキラとサクラが走りながら攻撃してくるというのはわかった・・・ということは・・・」
と僕が言う。
「レイラちゃんが狙われちゃうってことですね?」
と奈緒子が言う。
と、弓矢使いのレイラと同じ遠隔攻撃担当の奈緒子がそういった。
ポジションが近いからそう思ったのだろう。
と僕達が言っていると、もう一体の『アーマードリザードマン』がすでに、弓矢使いのレイラの近くに寄っていた。
『獣水鉄砲- ウォーターショット』が当たる距離まで!
「レイラ!近づいてきてるわよ!」
と剣士のサクラが言う。
「うん!わかっているよ」
と弓矢使いのレイラが走りだした。
「あ、速い!」
と、僕が言う。そう、それは後方支援担当とは思えないぐらいの足の速さだった。
「グエェェェェ!」
と『アーマードリザードマン』が『獣水鉄砲- ウォーターショット』を発動する。
そして、口から、水を出した。
それを弓矢使いのレイラはサッと避けた。
遠隔攻撃担当なのに軽やかな動きで!
「そう、私たちは三人とも走れるチームだからね!」
とサクラが自信満々で微笑んだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます