第二百六十四話『逆』
「奈緒子ちゃん私達もやってみよう!」
と言ってサラが走りだした。
そう、サラも超速攻をやってみるつもりだった。
「わかりました!『ファイヤーショット』を後ろから打ってみます!」
と奈緒子が言う。
奈緒子はいつのまにか憶えていたらしい、炎の弾を発射する魔法『ファイヤーショット』とサラの攻撃で連携するらしい。
「なるほど弓矢の代わりってことか!」
と僕が言う。
そう、アキラ、サクラ、レイラたちの速攻は、弓矢、足払い、剣の三連コンビネーションだった。
それを弓矢に代りに『ファイヤーショット』とサラのジャンプアタックあたりでいくつもりだろう。
「サラちゃん行きますよ」
と奈緒子が『アーマードリザードマン』に向かって走っている後ろから『ファイヤーショット』を放つ準備をした。
彼女の回りに光が集まる。
「よっし!カモン!!」
と、言いながら、チラッと後ろを見るサラ。
「後ろみるとやられるよ!」
と僕が言う。
「なるほど、後ろを見ずにやるのね!確かにこれは大変!」
とサラが前を向いて走り続ける。
そう、サクラたちはあうんの呼吸でそれをやってのけたのだ。
「行きます!『ファイヤーショット』!!」
と、奈緒子が炎の弾を放つ魔法を放った。
「よし、くるよ!」
と僕はサラに合図をする。
「よっし!とりゃ!!」
と、サラは高くジャンプする。
「すごい!さすが!!」
と僕が言う。
そう、奈緒子の『ファイヤーショット』を綺麗にジャンプして、サラは避けた。
その動きは流石にかなり綺麗なものだった。
サクラより遥かに飛んでいた。
単体の運動能力ならサラの方が遥かに高い。
単体の運動能力なら!
「グェェェェェ」
と言いながら、炎に包まれる『アーマードリザードマン』。
しっかりと奈緒子は『アーマードリザードマン』に魔法を当てていた。
「すごい!いける!そのままパンチだ!サラ!!」
と僕がサラに叫ぶ!
「オッケー!必殺!サラパーンチ!」
と、上空から『アーマードリザードマン』に『鬼神の籠手』をまとっていつものネーミングセンスとともにパンチを放つサラ。
「あ!」
と僕が言う。
キン
と音がなる。
「あれ?当たらなかった!!」
とサラが言う。
「少し早かった!!」
と僕が言う。
そして、その無敵状態が終わるやいなや、『アーマードリザードマン』が剣でサラを攻撃した。
「うおっとっと!!」
と言いながら、大きく後ろにジャンプするサラ。
「危ない危ない!」
と、サラはよけながら言う。
サラの運動能力を持ってしても連続攻撃をすることはでなかった!
そう、無敵状態の判断はかなり難しい。
ゲーム初心者のサラに出来なくても仕方がない・・・。
「うーん、ジュン!どうしたらいい?」
とサラが言う。
「うーん、こればっかりはゲーム経験が必要になるかもなぁ・・・」
と僕が呟く。
超人的な運動能力でここまで乗り切ってきたサラだが、さすがにこれは一朝一夕ではできない。
「ん?ゲーム経験?」
と自分で呟いたことばにある気づきを得る僕。
「サラ!わかったぞ!」
と僕が言う。
「逆だ!!」
と更に僕が言う。
「逆??」
と、サラが言う。
「そう、サラと奈緒子の攻撃の順番を逆にするんだ!」
と僕は言った。
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