第百九十四話『ダブルウインド』
「え?」
と、サラが言うと同時に、僕のスキルが発動させた。
キイイイィィィィィンと、SSSランクの武器「 神の剣 -デュランダル 」に光が集まる。
「いくぞ!!『疾風』!!」
と僕は言いながら、SSSランクの武器「 神の剣 -デュランダル 」につく遠隔斬撃Sスキルの『疾風』を放った。
四天王『鬼王のアルバート』のスキル『炎化武器 - ファイアライズ』により、手元が見難くなり、攻撃を当てられなくなっていたサラのために僕と奈緒子が動き出した。
「その、スキルは!!」
と『鬼王のアルバート』が僕の方を見る。
「しかし、どこを狙っている・・・!!」
と『鬼王のアルバート』は言う。
そう、僕は、『鬼王のアルバート』を狙ってはいなかった。
「なるほど!上ね!!」
とサラが言って、作戦を理解して『飛んだ』。
そう、僕はこの砦の天井に向かって、SSSランクの武器「 神の剣 -デュランダル 」につくSスキルの遠隔斬撃『疾風』を放っていた。
天井が崩れだし岩がドッ、ドッッと落ちて煙が巻き上がった。
それをサラと『鬼王のアルバート』はバッとバックステップして、避けていた。
「せっかくの遠隔斬撃、しかもそれを利用した、天井を落とす攻撃、大変おもしろかったですが、外してしまいましたな!」
と『鬼王のアルバート』が言う。
「いや、手元をよく見てご覧よ!」
と僕が言う。
「なん・・・だと・・・?」
と『鬼王のアルバート』が自分の手元を見ている。
「あ、すごい!炎が消えてる」
とサラが驚く。
「ダブルウインド・・・です!」
と、奈緒子が杖を『鬼王のアルバート』に向けたまま言う。
そう、魔法を放った後だったのだ。
「ダブルウインド??」
とサラが聞く。
「そうです!『ウインド』の上位呪文『ダブルウインド』です!アルバートさんの炎は『ウインド』じゃ消せないと思ったので!」
と奈緒子が言う。
ウインドで『ファイヤートロール』の炎が消せるのは実験済みだったので、あとは、ウインドで消せるかだけの勝負だったが、しっかり勝てたようだ。
そして奈緒子は『ダブルウインド』を隠し持っていた。
初めて見たが、ダブルウインドはレベルが上がった時に憶えていたのだ、結構激しくレベルが上がっているので使いきれていない魔法がいくつかあるとは常に言っていた。
「なるほど、遠隔斬撃の方が囮だったのか・・・」
と『鬼王のアルバート』は言う。
「そっか!『片方で敵視を集めている間にもう一人が攻撃する』の上級版ね!『『疾風』で目をひいている間に『ダブルウインド』で炎を消す』作戦だ!!」
とサラが笑った。
「そう、大正解!」
と僕が笑った。
「なるほどなるほど!手強いのは、この格闘家の少女だけではないということだな!」
と『鬼王のアルバート』は炎の消えてしまった自分の手元を見ながら呟く。そして、おもしろい・・・と付け加えていた。
「よろしい!では、順番に倒すことにしよう!」
と、サラに背を向けて、『鬼王のアルバート』は走りだした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます