第百六十三話『たーつーまーきー!』
「いやいや、逆!逆!」
と僕が答える。
「え?逆?」
とサラが言う。
「そう、妖精を助けに行くんだ!」
と僕は言った。
「助けに行く?どゆこと?」
とサラが僕に聞く。
「まぁ、だいたい、妖精って襲われてるからね」
と僕が言う。
「ひどい!許せない!!今すぐ助けに行こう!!」
とサラが言う。
「よし、イベントはそれにしよう。これは、クエストを貰いに行けばわかる。その前に・・・」
「その前に?」
とサラが聞く。
「アイテムや道具を買いに行こう!」
「え?私はこの『格闘家の靴』と『格闘家の籠手』でいいけど?」
と僕の提案にサラが答える。
「うん、それでいいんだけど、いろんな武器を使ってみると、今の武器の良さもわかるから、いろいろ見てみよう!」
「お!ショッピング?」
「そう、今までとは違って、RPGっぽいショッピングだけどね」
「おお、ゲームぽくなってきた!なにかいいものあるかなー」
と僕とサラがやりとりする。
「いいですね!いろいろ見てみましょう!」
と奈緒子も同意する。
そして、ショッピングモールに僕らはやってきた。
「まずは武器を見てみよう!」
「あ、ここは、剣のコーナーだ!『 神の剣 -デュランダル』あるかな 」
と僕とサラ。
「ないだろうね」
と僕は笑う。
「でも、昔のゲームだと、買えないくらい高い値段で置いてあるゲームとかありましたよね!」
「あ、あった!あった!その可能性もあるか」
と奈緒子と僕。
「えー、買えないのに置いてあるの?」
とサラが聞く。
「そう、それも見せ方の一つなんだよね。買えないものや、行けないところが見えてるとモチベーションが上がるから、そういう風に設計されてるものもあるよ!」
「そうなの?」
と僕とサラ。
「日本で一番流行ったRPGは、出発地点から最後のボスの城が見えてるんだ。最後までいけないんだけどね」
「へー、それはオシャレ!」
「うん、オシャレだよねぇ」
と僕とサラ。
武器屋を見回すサラ。
「棍棒?これで戦うの?これで戦うの?」
と、持ち上げて振っているサラ。
ショップ内では自分のジョブ以外の武器も触ることができるようだ。武器として使うことは出来なさそうだけど。
「えー。木じゃん!これでドラゴノスとか倒せるの??」
とサラがシンプルな木の武器を見て驚く。
「うん、倒せないだろうね!」
と僕は笑った。
「でも、このゲームはスキルが武器につくところが特徴で、弱い武器でもスキル次第ではおもしろい戦いが出来るかもしれないよ!」
「こんなかんじ?」
と棍棒を持ってぐるぐる回るサラ
「たーつーまーきー!」
と言いながら棍棒を両手で持ち、振り回してぐるぐる回る。
「こうやると、竜巻が出たりしたら、勝てるかもね!」
とサラが言って遊んでいると、店員さんがそっと近づいてきた。
「お客様!店内では武器を振り回さないようにお願いします!」
と店員さんに怒られた。
「怒られちゃった・・・」
とサラがしょんぼりしている。
「うん、店内では怒られちゃうね、でも、試し切りは出来るよ!」
と僕はサラから棍棒を受け取って言った。
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