第百六十二話『知っているモンスター』

「そうだね、またC級英雄ランク戦で会おう!」

と僕は珊瑚たちに言った。

僕達の次の目標もいろいろ経験してからの『C級英雄ランク戦』になんとなく決まったのだった。


僕達の新たなる戦いが始まる。


そして、珊瑚たちと別れた僕達は話し合う。


「いろいろ経験とは言ったけど、実際になにやろうか?」

と僕が皆に聞く。

このゲーム『ラスト・オンライン』には数えきれないくらいのクエストがある。割と好きなものから選べるのが特徴だ。


「普通は何があるの?」

とサラが聞き返す。


「そうだなぁ。スライム倒したりゴブリン倒したり?」

「うんうん、それはやったよね!」

と思い出してサラが言う。

そう、たしか、かかと落としで倒していたのだ。

そこでサラの運動能力の凄さがわかったのだった。


「その後いきなり『ドラゴノス』と戦ったけどね」

と僕が笑った。


「『きのこ』とりに行っただけだったんだよね!」

とサラが笑う。

食堂のおばちゃんに頼まれた、かんたんなクエストのはずだった。


「そこでいきなり、最強のドラゴン出てきちゃったんですね!」

と奈緒子も笑う。

そう、おとなしくしていれば出てこない敵に出会った。

それがこの「ラスト・オンライン」の自由度の高さを表していた。


「そうじゃない場合はどうなるの?」

とサラが聞く。


「じつは、定番の初心者用のスライム、ゴブリン以外はあんまり決まりってなくて、かなりゲームによって違うんだよね。メジャーなのだと、『大コウモリ』とか『巨大蜂』とか『巨大カニ』とか『巨大サソリ』とか『ガイコツ』とか?」

「うん、ガイコツはやめよう」

とサラが笑った。

ゴーストハウスで怖い思いをしてばっかりだったからだ。

そう考えると、幽霊船とか、お化けが出るクエストは定番といえるだろう。


「ガーゴイルとかヒドラとかメジャーで中ボスっぽいのがいいかなぁ。ゴーレムはたくさん倒したし」

「がーごいる??ひどら??なにそれ?」

と、サラがみんなのいうことはちんぷんかんぷんだ、という感じで聞き返す。


「逆に、サラちゃんが知ってるモンスターさんはなんですか?」

と奈緒子が聞く。


「ドラゴン!!」

「うん、それは知ってたね」

と僕は笑った。


「あとは、ユニコーン?」

「ああ、それも知ってたね。ユニコーンもいいけどね。結構先だね、その間になにかはさみたいな。」


「じゃぁ!赤鬼?これはモンスターじゃないか・・・」

とサラが笑う。

「いや、結構出てくるゲーム多いよ!でもやっぱり後半だね!」

と僕がいったところで、サラが思いつく。


「あ、妖精さんは!?」

とサラが言う。


「そうか、それを忘れてた。妖精さんに会いに行こう!」

「あ、いいですね!」

と奈緒子が言う。


「え、妖精さん倒しに行くの??」

とサラが言う。


「いやいや、逆!逆!」

と僕が答える。


「え?逆?」

とサラが言う。


「そう、妖精を助けに行くんだ!」

と僕は言った。

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