第百四十四話『影』
「ぎゃー、どでかい、幽霊や!!」
と珊瑚が叫ぶ。
そう、ゴーストハウスの左側の部屋のボスは大きな白いお化け『ビッグゴーストエレメンツ』だったのだ。
「さて、戦闘開始だな!」
と僕は言った。
そういった、刹那僕は剣を抜いた。
『疾風』!!
SSSランクの武器『神の剣 - デュランダル』についた、Sスキルの遠隔斬撃。
目が届く範囲なら攻撃可能という、スキルを発動させた。
「でましたね!『疾風』!」
と奈緒子が言う。
「いきなり倒した?」
と瑠璃が言う。
「いや・・・」
と僕が言う。そう、手応えがなかった。
うっかり、いきなり倒せないかなと思ったのだけど・・・
「一瞬遅かった!」
そう大きな白いお化け『ビッグゴーストエレメンツ』は『透明移動 - インビジブルムーブ』ですり抜けたのだった。
「そう、うまくは行かないか・・・」
と僕が言う。
「惜しかったわね!でもいい感じだったわ!次は倒せるはずよ」
と水晶さんが言う。
「ありがとうございます!」
と僕。
「さて、どこから出てくるかしらね!」
と水晶さんが言う。
そう、この白いお化け『ビッグゴーストエレメンツ』は透明になってすり抜けた後、実現化して、その時に隙がある。
そこを倒さないといけないという変わった敵だ。
「実現化する瞬間まで、位置がわからないのかな・・・」
「どういうことですか?ジュンさん」
と僕のつぶやきに奈緒子が聞く。
「いまの感じだと、かなり無敵なんじゃないか?『ビッグゴーストエレメンツ』。今、見えた瞬間に『疾風』を打ったのに、避けられたんだ・・・」
「なるほど・・・もう少し前に、わかるんじゃないかってことね?」
僕の分析に水晶さんが応える。
「そう、『未来予測 - ビジョン』とかはどう?」
「だめね。この『未来予測 - ビジョン』のスキルは動いているところからその移動先を予測するという、スキルだから、消えてる『ビッグゴーストエレメンツ』の動きの先は読めないの・・・」
と、物の移動速度から時速を計算し数秒後の未来の位置を影で示す『魔女のコンタクト』についたスキル『未来予測 - ビジョン』では今回の件には使えないようだ。
「こういう場合はだいたい・・・」
と僕が考えた
「影だ!」
と僕が言う。
「影?影なんかないよ??」
とサラが言う。
「そう、『透明移動 - インビジブルムーブ』の最初のうちはないんだ・・・たぶん、でる直前に影が先に出る・・・そうじゃないと、あのタイミングだと倒しきれない・・・」
と、言った瞬間、影が見えた。
推測は当たったようだ。
「狙いは珊瑚か!」
と僕は、珊瑚のもとに走る。
「ぎゃー!」
と珊瑚が叫ぶ。
「攻撃は間に合わない!仕方がない!!」
と、珊瑚に向かって飛び、『ビッグゴーストエレメンツ』との間に挟まる僕。
そして、SSSランクの防具「神衣 - カムイ」シリーズ鎧の『神の鎧 - ゴッドメイル』
の防御力によってダメージが『0』と表示される。
「ま、間に合った!」
と、『ビッグゴーストエレメンツ』の攻撃を背中に受け、珊瑚を抱きかかえる形で、地面に倒れ込んだ。
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